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『Path of Exile 2』0.4.0アップデートまとめ。ドルイドは熊、狼、ワイバーンへ変身。上位職"オラクル"になるとツリーに専用パッシブが130個も追加! 開発者インタビューも掲載

byQマイン

『Path of Exile 2』0.4.0アップデートまとめ。ドルイドは熊、狼、ワイバーンへ変身。上位職"オラクル"になるとツリーに専用パッシブが130個も追加! 開発者インタビューも掲載
 Grinding Gear Gamesが開発・パブリッシャーを手掛ける人気アクションRPG『Path of Exile 2』(早期アクセス中)が、2025年12月13日に大型アップデート“The Last of the Druids”を実施する。
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 『Path of Exile 2』はリピート性の強いアクションRPG。集めた装備と多彩なスキルを組み合わせて、自分だけの最強ビルドを構築するのが楽しい作品だ。アップデートに先駆け、2025年12月5日にはアップデートの全容を伝えるライブ配信が公開された。ここでは、発表された新クラス“ドルイド”をはじめとする情報をまとめて紹介。また、記事の後半では開発者であるジョナサン・ロジャース氏へ国内独占インタビューを掲載。

 なお、大型アップデート “The Last of the Druids”の配信と同時に、本作が無料で遊べるフリーウィークエンドイベントが各プラットフォームにて行われる。期間は2025年12月13日4時から12月16日4時まで。

新クラス“ドルイド”は熊、狼、ワイバーンの3形態に変身できる

 本アップデートの目玉となるのが、新クラスの“ドルイド”だ。シェイプシフト(変身)がテーマとなり、筋力と知性を能力値のメインとして、スペル(呪文)とアタック(近接攻撃)の両方を使いこなして戦うハイブリッドクラス。
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 ドルイドはベースとなる人間の姿に加え、新たに追加される武器タイプ“動物のタリスマン”によって“熊”、“狼”、“ワイバーン”という3つの動物形態への変身が可能。タリスマンには “熊と狼”や“狼とワイバーン”といったように、複数の動物の能力が宿っており、特定の動物形態でしか戦えないといった不便さはない。
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熊形態
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狼形態
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ワイバーン形態
 また、動物のタリスマンは武器であるため、ドルイド以外の他クラスでも装備可能。ウィッチが熊になったり、レンジャーがワイバーンになったりと、いままでにないビルドが誕生する可能性もあって、ワクワクが止まらない。

 気になるドルイドの戦いかただが、人間形態でダメージを与えるための起点を作ったのち、動物形態に変身してダメージを稼ぐといった感じ。簡単に言うと、人間形態がサポート役、動物形態がアタッカー役といった感じだ。

 クラスの性質上、人間と動物を行き来することになるため、「操作が忙しくて面倒そう」と感じるプレイヤーもいるだろう。そのへんについては安心してほしい。人間形態でのスキルはいずれも長時間持続するように設計されており、動物形態で長く暴れ回れるようになっている。
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 なお、人間・動物への変身はシームレスかつ即時に行われるため、変身時のラグはいっさいない。対象のスキルをくり出せば、すぐに人間形態または動物形態に変身できる。もちろん、人間形態でのスキルを使わず、動物形態を維持して戦うことも可能だ。

 各形態の特徴についても触れていこう。1体目の熊形態は、火ダメージを主体とした近接の重量級アタッカーで、多くのスキルが“憤怒”を使用する。憤怒を消費するとエンデュランスチャージを獲得し、それによって強化されるスキルも多い。

 たとえば、ウォークライの一種で発動後の攻撃にアーマー破壊の効果を付与するメタジェムの“フェローシャスロアー”は、使用時に保持しているエンデュランスチャージが多いほど、攻撃の強化回数を増やせる。他クラスのウォークライ系のジェムをソケットに挿すことで、熊形態のまま、インファーナルクライやサイズミッククライなどのスキルも使える。

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本アップデートでは、熊の見た目を“炎のデーモン”にし、与えるダメージの大半を火属性に変換する効果を備えた新たなユニークアミュレットも追加される。

 2体目の狼形態は、冷気ダメージを使いこなす軽量級の近接アタッカー。“速く、獰猛に”がコンセプトとなっており、熊形態よりも手数の多さやスピードの面で優れている。

 代表的なスキル“パウンス”は、対象へ飛びかかり、呪印を付与。その敵を倒すことで、狼のミニオンを呼び出せる。ボスなど即座に倒せない敵の場合は、付与した呪印を爆発させてミニオンを呼び出す“クロススラッシュ”のスキルが有効。パウンスはメタジェムで、他クラスの呪印系スキルをソケットできるのも大きな魅力だ。
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 さらに狼形態には、氷の人狼へと変身できる“ルナーブレッシング”というスキルも。氷の人狼は、時間制限のある狼の強化形態で、移動とアタックがより速くなり、追加の冷気ダメージが発生する。この形態は憤怒の消費によって持続時間が伸びるため、熊と狼のハイブリッドビルドも有効だ。
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 3つ目のワイバーン形態は、火と雷を主体とした遠隔アタッカー。この形態では、倒した敵の死体を捕食することでパワーチャージが得られる。ワイバーンのスキルの多くは、パワーチャージを消費することで性能が強化されるため、せん滅、捕食、スキル強化というサイクルがベースになる。

 手軽にパワーチャージを得られるため、他クラスのビルドにワイバーンを取り入れるのもおもしろそう。当然だが、死体を消費するほかのビルドとの相性は悪そうだ。
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 ブレスによる遠隔攻撃もワイバーンの特徴のひとつ。炎を吐き出し前方の広範囲を焼き尽くすローリングマグマや、粘着性のあるオイルを吐き出して相手をオイル濡れ状態にする攻撃など、らしさを全面に活かした攻撃が用意されている。なお、ワイバーンは爪や翼による近接攻撃も完備。敵に間合いを詰められても比較的対応しやすそうだ。
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 最後は人間形態。前述のとおり、人間は動物形態でダメージを稼ぐためにスキルを設置して、戦闘の起点を作るのがおもな役割。ツタによる敵の動きの鈍化、攻撃に連動して追撃を行う小さな火山の設置、敵に雷ダメージと水濡れ(デバフ)を付与する雷雲の生成など、多岐にわたるサポート能力が使用可能。
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 なかでも興味深いのが、水濡れだ。この状態では敵が感電・凍結しやすくなり、雷・冷気ダメージが増加する。火と相性のよいオイル濡れの亜種と思ってもらえればいい。また水濡れはツタの持続時間を延長し、さらに強力な移動速度低下デバフを付与できるのも見どころ。

 このようにドルイドは、人間と動物、それぞれに明確な強み・役割が用意されており、他クラスにはない運用が楽しめる。さらにドルイドの追加に伴い、30種類の新サポートジェムが追加されている点にも注目だ。

ドルイドのアセンダンシークラスは“シャーマン”と“オラクル”

 今回のアップデートで追加されるドルイドのアセンダンシークラスは、シャーマンとオラクルのふたつ。3つ目のクラスは今後実装予定だ。

 シャーマンは、憤怒を駆使して戦う新たな形のスペルキャスター。憤怒によってスペルダメージが上昇したり、憤怒を持続的に生成したりと、これまでの魔法職にはない要素が詰まっている。特定のパッシブを解放することで、ルーンなどの一部アイテムに“シャーマン専用”の追加モッドを付与できるのも大きな魅力といえる。
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 オラクルは、予知の力を戦闘に取り入れて戦うアセンダンシークラス。あるパッシブを解放すると、戦闘中に未来の自分が特定のスキルを使っているビジョンが画面内に現れるようになる。その未来の行動を現実でなぞるように同じスキルを使うと、そのスキルのダメージが大幅に増加するという既存のクラスにはない独自のギミックが盛り込まれている。
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 さらにオラクルのアセンダンシークラスを解放すると、パッシブツリーに130以上のオラクル専用パッシブが出現する。オラクルのビルド構築は、他クラスよりもさらに試行錯誤の余地がありそうだ。

新リーグコンテンツ“Fate of the Vaal”でコラプトに新たな魅力が誕生

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 本アップデートにおけるもうひとつの目玉であるリーグ要素“Fate of the Vaal”では、古代ヴァール文明の装置がレイクラスト各地に出現。敵を倒して6つの装置を起動することで、ポータルが開き、失われた地下寺院へと入場できる。

 地下寺院の入り口には装置があり、これを調べると、何も描かれていない空白のタイルで構成された地下寺院マップが表示される。最奥には本コンテンツのボスであるヴァールの女王“アッツィリ”がいるのだが、初期状態ではマップには最奥に続く道がなく、ボスのもとへたどり着けない。
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ヴァールの女王アッツィリ。

 本コンテンツでは、失われた地下寺院に入場する度に通路や報酬部屋など多彩な性質を持つタイルが配布される。プレイヤーは、このタイルをマップにはめ込んでボスへとつながる自分だけのダンジョンマップを作成していく。

 部屋にはレベルの概念があり、高レベルな部屋ほど敵が強くなって報酬がよくなる仕組み。隣接した部屋のレベルを上昇させるタイルもあり、パズルゲームのような遊びが楽しめるのも特徴のひとつだ。
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 手持ちのタイルをすべてはめ込んだら、自身が制作したダンジョンを実際に探索し、敵を倒したりしながら、報酬を獲得していく。しかし、地下寺院は非常に広大で、一度や二度のプレイではアッツィリと戦うことはできない。地下寺院への再入場(再度6つの装置を起動)し、タイルを使ってダンジョンマップを拡張。ダンジョン探索をくり返しながら少しずつボス部屋を目指すこととなる。
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 また、地下寺院には、タイムポータルを使って過去へと戻り、アッツィリがヴァールを滅ぼすのを食い止めるというイベントもある。
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 このイベントでは特別な部屋のタイルがもらえる。効果は以下のとおり。

■特別な部屋の効果
・腐敗の間
コラプト状態のアイテムを再度コラプトし、もうひとつエンチャントを付与できるようになる。なお、コラプトに失敗すると50%の確率でアイテムが破壊される。

・錬金術研究室
“ヴァール・コンストラクト”が出現。討伐することで “コラプトソウルコア”が入手可能。ライフを犠牲にして移動スピードを上げる(靴限定)や、オファリングが切れたときミニオンを復活させる(手袋限定)など、装備に特別な効果を付与できる。

・生贄の間
部屋に出現する“高位の生贄司祭”を倒すと、ヴァール・ユニークへの追加コラプトが可能に。ユニークのモッドがひとつ削除され、ランダムな別のモッドに置き換わる。

・肉体外科医
キャラクターの四肢のいずれかを強化義肢へと変更し、ステータスを少しだけパワーアップさせられる。戦闘不能になると身体は“もとの状態”に戻る。
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 このように特殊な部屋では、いままでにないコラプト強化や装備収集が可能。なお、その場に目的のアイテムがなくても、“対応するクラフトカレンシー”を作成できるため、わざわざ強化したいアイテムを寺院へ持ち込む必要はない。なお、このカレンシーはトレードも可能。

 ほかにも寺院では、ソウルコアの効果を変化させたり、石板をコラプトしたり、装備に装着したソケットを確率で取り出したりすることもできる。

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 ロジャース氏によれば、「Fate of the Vaalはエンドゲームに適した内容になるよう、難易度と報酬が適切にスケールさせる仕組みが導入されている。最終的には“最強クラスのビルド”での挑戦に相応なコンテンツになる」とのこと。また、「事前に寺院への挑戦権を複数回分溜めておき、好きなタイミングで一気に挑戦できるようになっているので、マップ周回を頻繁に中断せずに済む」らしく、利便性の面でもかなり力が入っているようだ。
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0.4.0での変更要素もチェック

 今回の大型アップデートで変更・調整された要素も確認していこう。

“アビサルの復活”がコアゲーム入り

 0.3.0のリーグコンテンツ“アビサルの復活”がコアゲームに追加。0.4.0からは、すべてのエリアで必ず出現することはなくなり、エンドゲームで“ランダムに出現するリーグメカニクス”のひとつなった。それにともなって専用のアトラスパッシブツリーも実装される。

 集中的に遊びたい場合は、任意のマップにアビスを追加する石板を生成し、そこにアビス特有のモッドを付与する形に。

 またウェイストーンにアビスクラフトを行う仕組みを削除。代わりに、その特性の一部は石板側に移譲された。石板の効果は10マップ分持続するため、頻繁にクラフトする必要がないよう調整されているとのこと。

“デリリウムの霧”の視覚的ストレスを軽減

 デリリウムの霧の演出である画面全体が灰色の海になるようなエフェクトを調整。これによって霧がもたらしていた視覚的なストレスを大幅に軽減している。

 アビスと同様に、ウェイストーンへの注入(アノイント)も削除され、石板でのMOD追加に変更されている。

 本アップデートでは灰のアービターを倒すと、通常のカレンシーを使って石板を“4つのモッドを持つレアアイテム”へアップグレードできるようになるので、さらなるMOD追加が可能に。

 また今後は、管理の煩雑さを軽減するため、ウェイストーンには“基本カレンシーを使ったクラフト以外”を追加する予定はないとのこと。

 Fate of the Vaalでは石板をコラプトして、多数のランダム効果のいずれかを狙うこともできるようになる。

エンドゲームのスケールの見直し

 これまではエンドゲームが進むほど、モンスター数が増える方式を採用していたが、本アップデートからそれを廃止。その代わり、難易度と報酬を同等の割合でスケールさせる方式に変更される。

 具体的には、モンスター数+40%だったのが、ドロップ量+40%、経験値+40%、敵ライフ+40%といった形にスケールされる。これは従来のレベル帯および通常モンスターにのみ適用。ボスには適用されない。これにより集団戦に強い範囲系(AoE)以外のビルドも活躍しやすくなる。

 また、モンスターが持つ速度系モッドを弱体化し、過剰なスピードによるストレスも軽減されている。

 ロジャース氏は、「本来 0.4.0 では、エンドゲーム向けに大規模な新コンテンツを多く予定していたものの、開発時間が足りず、完成にはいたりませんでした。今回実装できなかったものは、0.5.0 にて追加する予定です」と話しており、次回のアップデートではさらなるエンドゲームの拡充が期待される。

ゲームパフォーマンス・ゲームバランスの改善

 ゲームパフォーマンスに大きな影響を与えていたCPUへの負荷を改善し、その結果フレームレートが最低でも25%上昇。この改善はとくにコンソール版で大きな違いを感じられるようになっているとのこと。この分野の改善は引き続き進められており、今後数ヵ月にわたってさらなるパフォーマンス向上を目指す予定だという。

 ゲームバランスについては、リネージュサポートをはじめ、数々の要素が再調整されている。

■代表的なゲームバランスの調整要素
  • 11種の新ユニークアイテムを追加
  • 使用率の低い既存ユニークアイテムの能力を再調整
  • 9種のリネージュサポートを追加
  • 既存の21種のリネージュサポートの効果を再調整
  • ほぼすべての既存アセンダンシーでバランス調整を実施
  • 全クラス合計90種類のアクティブスキルを再調整
  • パッシブツリーに250種類以上の新パッシブを追加

開発者インタビュー


 開発スタジオGrinding Gear Games共同創設者のひとりであり、本作のディレクターを務めるジョナサン・ロジャース氏に、前回の大型アップデート0.3.0でのユーザーの反応や、本アップデートの魅力などをうかがった。

ジョナサン・ロジャース氏

ディレクター

――0.3.0は本作にとって大きな転換点とも言えるアップデートでした。プレイしていて、個人的にいちばん楽しかったです。開発者として0.3.0を振り返ってみていかがでしょうか?

ジョナサン
 0.3.0は、プレイヤーのフィードバックに真摯に対応していることを示すため、プレイ体験の確保に多大な努力を注いだパッチでした。この取り組みは非常にうまくいったと感じており、プレイヤーは私たちが多くの改善を行ったことをしっかり感じてくれたと思います。

 正直、0.3.0で行った追加や調整については非常に誇りを持っています。しかし、まだ対処すべき問題が数多く残っているのも事実です。

――現状でとくに課題だと感じている部分はどこでしょうか?

ジョナサン
 最大の課題は、エンドコンテンツのボリュームです。実際、多くのプレイヤーからエンドコンテンツのボリューム不足を指摘する声が届いており、私たちがもっとも注力している部分になります。

 各ビルドのバランス調整も大きな課題です。私たちはバランスを取るのにかかる作業量を過小評価していました。実際は非常に難しく、やるべきことがたくさんあったと思います。0.4.0ではその反省を踏まえて、多くの改善を行っています。しかし、パフォーマンスの改善や残りのアクトの実装など、まだまだやるべきことがたくさんあります。

――0.3.0でユーザーからとくに反応のよかった追加要素は何でしたか?

ジョナサン
 とくに反応のよかったものは、スプリントとゲーム全般に行ったさまざまな上方修正です。また、新しいアクトも反応がよく、「開発チームが作った中で最高のアクトだ」という感想を多くいただいています。個人的に、誰も予想していなかった幕間の追加を経験できたのが、本当にうれしかったです。

――0.3.0でユーザーからとくに人気だったビルドは何でしたか?

ジョナサン
 もっとも人気があったのは、ゲームを席巻したレンジャーのライトニングアロービルドです。これはバランスの点で少し意図しない要素があったので、おそらく調整が必要になるでしょう。

 本アップデートでは、これまであまり活用されていなかったスキルをより多く再調整することに注力しています。そのため、今後はより多くのビルドの多様性が見られることを期待しています。とくにドルイドはこれまでにない要素が数多く詰まっているため、0.4.0では多くのプレイヤーがドルイドをプレイすると予想しています。

――スプリントは快適である反面、壁にぶつかった際の被弾モーションの大きさや、ドッジロール時に誤って発動してしまうなど、気になる点もありました。スプリントの再調整や見直しは検討しているでしょうか?

ジョナサン
 “スプリントは素早く移動できる反面、リスクを伴うアクションである”という要素については変える予定はありません。ですが、プレイヤーが壁に引っかかってしまう部分については、改善する準備を進めています。ただし地形の当たり判定などの調整項目が多く、時間がかかっている状況です。

――耐久力に乏しいビルドだと、90レベル後半のデスペナルティが本当にきびしいです。これについてはどうお考えでしょうか?

ジョナサン
 ラダーを実際の競技イベントとして成立させるためには、単なる“プレイ時間の競争”以上の要素が必要です。死亡ペナルティがあることで、ラダーにプレイスキルの競争要素が生まれます。ペナルティがなければ、誰が最初にレベル100に到達するかということに、プレイスキルの要素はなくなってしまうでしょう。

 一方で、エンドゲーム終盤のレベリングがたいへんなことはよく理解しています。しかし、レベル100に到達するためには一定のスキルが求められるべきだと考えています。一部の方は、レベル100がキャラクターを完成させるための必須条件だと考える人もいますが、私たちはそうは見ていません。レベル100は、本当にゲームが信じられないほど上手な人々、つまり最高のプレイヤーだけが到達できる目標なのです。このメッセージをしっかりと伝えていく必要があると思っています。

――クラフトの選択肢の広がりによる経済の活性化を大きく感じました。0.4.0でもアビスやその他のクラフトは引き続き楽しめますでしょうか。

ジョナサン
 もちろんです。アビスのクラフトは引き続きゲーム内にありますし、アビスをエンドゲームに組み込んだため、そのコンテンツは引き続き利用可能です。さらに、新リーグ“Fate of the Vaal”では、膨大な数のクラフトオプションを追加し、より自由度の高いクラフトが楽しめるようにしています。

――Fate of the Vaalの失われた地下寺院を開発した経緯をお聞かせください。

ジョナサン
 前作『Path of Exile』のインカージョンを設計したときから、自分の中で「何かが足りない」という思いがありました。そんななか、自分のダンジョンを設計するゲーム『Loop Hero』と出会い、「私が求めていたシステムはコレだ!」とインスピレーションを受けたのです。

 具体的には、プレイヤーが部屋を配置する際、いろいろと模索したり戦略的に感じられたりするようにすることの重要性を教えられました。失われた地下寺院では、部屋どうしに相互作用する異なる仕組みを持たせることで、ダンジョン設計に深みを持たせています。

 じつは失われた地下寺院に関しては、(夜間の趣味として)すべてのコードを自分で書きました。タイルがどのように相互作用するかを設計してベースを作成し、それをUIプログラマーが形にしてくれて今日のリーグが誕生しました。
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――インカージョンのように、部屋ごとに滞在できる制限時間はあるのでしょうか?
ジョナサン
 制限時間はありません。好きなだけ時間をかけて攻略できるようにしています。マップが広大なため、すべてを遊び尽くすにはかなりの時間を要すると思います。

――失われた地下寺院で、コラプト状態のアイテムをさらにコラプトした場合、それがジェムだったときにスキルレベルが21を上回る場合もあるのでしょうか?(つまり、レベル22のジェムが作成可能か?)

ジョナサン
 いいえ、レベル20から21には上がりますが、22にはなりません。

――レベル3の腐敗の間で行える“2度目のコラプト”は、腐敗の間を介さずにコラプトしたアイテムも対象になりますか?

ジョナサン
 はい。ヴァールオーブを使用したアイテムやマップで拾ったコラプト状態のアイテムなども対象になります。

――肉体外科医では、何部位の交換が可能でしょうか? また、同時に複数の義肢を装着することはできるのでしょうか?

ジョナサン
 望むなら四肢すべてを交換できます。ただし、死亡するとそれらをすべて失うため、注意が必要です。特定の義肢に不満がある場合は、肉体外科医に戻って別の義肢に交換することもできます。なお、義肢によるパワーアップはちょっとしたものなので、劇的にキャラクターが強くなるわけではありません。

――0.4のテストプレイでジョナサンさんがいちばん遊んだドルイドのビルドは何ですか?

ジョナサン
 いちばん遊んだのはワイバーンです。巨大でパワーのあるクリーチャーであるにもかかわらず、ウィングブラストや飛び込みなど非常に素早く動き回ることができ、遠距離戦闘の能力もあるので、操作面でも楽しいクラスに仕上がっています。

――ワイバーン形態で飛んでいるときは、敵からダメージを受けるのでしょうか?

ジョナサン
 あくまで地上にいる判定なのでダメージを受けます。当初は、飛んでいる最中は当たらないようにするつもりでしたが、あまりにも強すぎたため、あきらめました。

――あらためて今回のアップデートでとくに力を入れている部分、注目してほしい部分はどこですか?

ジョナサン
 ひとつ目は、目玉であるドルイドの存在です。人間と動物形態を織り交ぜたスキルの組み合わせや戦闘の流れが本当に気に入っています。バランス調整もさることながら、動物形態のアニメーション作業が非常に難しかったですが、最終的にうまくいって大きな達成感を得られました。

 ふたつ目は、私が個人的に取り組んだ新リーグコンテンツの“Fate of the Vaal”です。私がいちから設計したものになるので、プレイヤーの方々に楽しんでもらえるとうれしいです。

――最後に、以前のインタビューにて「正式リリースは2026年の上旬の予定」とおっしゃっていましたが、それについてはいまも変わらずでしょうか?

ジョナサン
 残念ですが開発に時間を要しているため、2026年内のリリースを計画しています。ただし、開発状況によって変更される可能性があるのでお約束はできません。
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