2025年9月10日にPC(Steam)にて発売された『こふんは生きている ーマホロヴァ・クラブの死体さがしー』(以下、『こふんは生きている』)。自分を古墳だと思い込んでいる男の子が、自分の中に埋葬する死体を探して町を探検するジュブナイルアドベンチャーです。 古墳や埴輪が動いてしゃべっているからそういう設定だと思えば人間も登場するし、当たり前のように動いてしゃべる出土品たちが受け入れられているし、かなり斬新な世界観です。この不思議な世界観の謎、そして前方後円墳の男の子“こふんくん”出生の謎など、ハートフルな見た目とは裏腹にがっちり読ませるストーリーが魅力的。
本作は、『マヨナカ・ガラン』や『くちなしアンプル』など、独特なゲームでファンも多いCAVYHOUSE(ケイビーハウス)の最新作。
ゆるいのにセンセーショナルな魅力に溢れた『こふんは生きている』のレビューをお届けします。
※この記事はPLAYISMの提供でお届けします。「死体を自分の中に入れること」を夢みている男の子
本作の主人公は、タイトルにもある通り古墳の姿をした男の子・こふんくん。何を言っているのかと思われるかもしれませんが、本当に古墳なんです。もっと細かく言えば、前方後円墳です。


前面には草が生えており、背面は土がむき出し。
ちなみに、古墳時代は弥生時代のあとに続く時代で、3世紀後半から7世紀初頭までのおよそ350年間のことを指します。古墳は高貴な身分だった人間のお墓であるという説が有力で、あまりにも巨大な仁徳天皇陵古墳はエジプトのクフ王のピラミッド、中国の始皇帝陵と並び称される世界三大墳墓のひとつです。
はるか昔に受けた社会の授業内容を思い出しながら、こふんくんを眺めてみます。前方後円墳に、手足が生えている。口はないけど、しゃべっている。あと、このゲームとんでもなくグラフィックがキレイなんですよね。

水の表現やオブジェクトの描写など、高クオリティ。
こふんくんは自分の過去を覚えておらず、気がついたら公園にいたらしいです。そんなこふんくんの夢は、いつか自分の中に死体を埋葬して立派な古墳になること。古墳なら当然の夢ですね。

こふんくんは公園で寝泊まりして、毎日決まった日課をこなして過ごしていました。どうやら、「公園から出るのは怖い」と思っているようで、ひとりぼっちがさみしいと思いながらも、外に出て行くことはしませんでした。
そんなある日、埴輪の男の子・ハニワくんが公園に訪れます。ハニワくんはこふんくんの夢を応援し、死体を探す“マホロヴァ・クラブ”を結成。ほかの埴輪たちも巻き込んで、町を探索することになります。

元気いっぱいのザ・男の子。勉強は苦手だがたまに核心を突く鋭い発言もする。

埴輪のメガネくん。頭がよくて頼りになるが、じつは学年はハニワくんのひとつ下。
こふんくんの正体は?
ゲームをプレイし始めてからずっと、筆者はこふんくんの正体について考えていました。
公式サイトのプロフィールには“なかよし公園に住んでいる、自分を古墳だと思っている少年”と書いてあります。この、自分を古墳だと思っているという言いかた、気になりませんか?

自分が何者かわからないこふんくん。
なので、筆者は「こふんくんはふつうに人間の男の子だけど、こふんくんの目には自分が古墳のように映っている」のでは? と思ったんです。だからハニワくんやメガネくんもふつうに人間の男の子だけど、こふんくんには埴輪の姿に見えているんじゃないか、と。しかし……。

博物館のお姉さん。やさしい。
ふつうに、人間が登場するんですよね……。しかも子どもだけ埴輪に見えているってわけでもなくて、大人の埴輪も登場するし、なんなら人間の子どもも登場するんですよね。
じゃあハニワくんたちってなに? と混乱するところですが、ちゃんとストーリーを進めていけばこの謎は解決します。こふんくんの正体についても、ぜひ確かめてみてください。

こふんくんの特技は、体の中から物を作り出すこと。どうやって? 出土ってこと?
探索や収集要素が少年時代を思い出す楽しさ
本作のストーリーは、“やることリスト”を埋めていくことで進んで行きます。すべり台をすべる、ブランコをこぐ、など明確に書いてる場合もあれば、ヒントとなる部分が隠されていることも。何をすればいいかわからなくなったら、やることリストを確認してみましょう。

やることリストをクリアーするとチェックマークが入る。
Actptで特技やヒントを解放
ストーリーが進んでいくと、こふんくんはActptと呼ばれるポイントを貯めることができるようになります。これは新しい物を調べたときに手に入るポイントで、やることリストのヒントを解放するのに使ったり、特技を覚えるのに使ったりします。


序盤では移動が速くなる特技を覚えることができますので、Actptは積極的に集めておきましょう。
秘密基地と戦利品
公園の近くにある発掘現場には、ハニワくんが勝手に作った秘密基地があります。秘密基地って響き、子どものころに感じたワクワク感があっていいですよね。

ハニワくんが作った秘密基地。機密性は皆無。
この秘密基地にある棚には、戦利品を集めて飾ることができます。これがけっこう楽しい。キレイな石とか、なんかちょっと形のいい枝とか、大人からすれば「なんでそんなもの集めるの?」みたいな絶妙なラインアップなんです。
子どものころ、泥団子をどれだけキレイに磨いて大きくできるか、みたいなことやってたなぁ、としみじみ思い出しました。

かわいくて、懐かしくて、引き込まれるストーリー
しゃべる古墳が主人公で埴輪もしゃべる奇抜な設定だとか、キレイなグラフィックだとか、デザインがかわいいだとか、いろいろと魅力のある作品なんですが、いちばんはストーリーがめちゃくちゃおもしろいところを推したいです。
「え? どういうこと?」という謎を引き延ばしすぎることなく答えを提示してくれるんですよね。だから続きがどんどん見たくなるし、最後まで遊びたくなる。


こふんくんの体に人間サイズの死体は入らないんじゃ? と気づいたハニワくん。鋭い。
子どもから大人まで楽しめる作品なんじゃないでしょうか。筆者はこのあと、戦利品の棚を埋めるために町を東奔西走したいと思います。

ロード画面は実写背景。見ていて楽しい。
『こふんは生きている ーマホロヴァ・クラブの死体さがしー』
- 発売日:2025年9月10日発売
- 対応プラットフォーム:PC
- ジャンル:アドベンチャー
- 発売元:PLAYISM
- 開発元:CAVYHOUSE
- 価格:1400円[税込]