
- ソニック×マクラーレンのパートナーシップが発表
- F1出資はソニックの北米人気を盤石にし、さらに世界を見据えた一手?
- ソニックはバイクレースでも(しれっと)存在感をアピールしていた!
- ほかのゲームメーカーはレースをどう見ているのか?
- まずは動画を見てみては
- 知っておきたい世界的なレースでの日本人の活躍
- F1とMotoGPにやってくるターニングポイント
ソニック×マクラーレンのパートナーシップが発表
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ファミ通.com関連記事にもあるが、セガがF1界の門戸を叩くのは約30年ぶりであり、おじさんライターである筆者にぶっ刺さる試みすぎで……!
そんなわけで、ひたすら筆者のパッションが高まりまくっているいま、なぜセガがいまF1のチームとパートナーシップを締結したのか、そしてF1を中心としたモータースポーツ界とゲームメーカーのつながりなどをとくとくと語っていきたい。とりあえず、本稿をざっと読んでいただければ、“軽い知ったフリ”ができる程度の情報は詰め込んでおくので、隙あらば誰かに披露していただければと思う。
F1出資はソニックの北米人気を盤石にし、さらに世界を見据えた一手?
なぜ、いまソニックがF1に参加するチームであるマクラーレンとパートナーシップを結んだのか? これはもう、モータースポーツを通してソニック(とセガ)のイメージアップを戦略的に行おうとしているから、なはずだ(あくまで筆者の予想)。ターゲットは、もちろん北米を中心に据えた世界。ソニックは昔から北米で人気のキャラクターだったし、昨今では映画もヒットしている。その状況にあぐらをかかず、それをより広い世代・広い層・広い国に広げようとしているのだろう。
そもそも論で言うと、F1はヨーロッパの文脈で行われているレース。北米(アメリカ)ではINDY CARシリーズ(F1のような形のマシンで、楕円のコースを走ったり、ふつうのサーキットや市街地を走ったりするレース)や、NASCAR(映画『カーズ』のようなイメージのクルマで、ほぼ楕円のコースを走るレース)といったレースのほうが人気を博していた。
ところが、2019年にNetflixのドキュメンタリー作品『Formula 1: 栄光のグランプリ』が始まると、アメリカでF1人気が高まっていく。もちろん、世界中で配信されていることもあり、そのほかの国でも人気は過熱。結果的に、F1人気は数年前から世界的にピークを維持しており、その結果が現在公開中のブラッド・ピット主演の映画『F1/エフワン』の大ヒットにもつながっている(『トップガン マーヴェリック』のプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーとジョセフ・コシンスキー監督というコンビが関わっていることも大きいとは思うが)。
日本はいまひとつモータースポーツ人気が奮わないためにあまりピンと来ない方も多いかもしれないが、じつはこんな状況になっているのだ。パートナーシップという形であれ、F1への投資というのは決して安くはないはず。だが、昨今のF1は前述の通り北米を中心とした世界中で大ブームになっており、世界的なイメージアップ戦略という意味で考えれば、そのコスパは決して悪くないはずだ。
さらに言えば、F1側としても「この人気を一時的なものにしたくない!」という想いが強くあるようで。
2024年にはF1の運営がLEGOグループとパートナーシップを締結。さらに今年、F1とディズニーがパートナーシップを締結することも発表された。もう、完全に将来ファンになってくれる予定のキッズたちを見据えた計画であることは明確だ。ソニックの場合はチームとの契約なので規模感は異なるだろうが、注目度が高まることは必至なので、そういう意味でもソニック的に“オイシイ”のは間違いないだろう。
ちなみに、ソニック(セガ)やディズニーがパートナーシップを締結したことで、どんなことをしてくれるかという具体的なものはまだ発表されていないが、ひと足早く契約を結んだLEGOの場合はどうか。F1マシンのブロックを販売するのはもちろんのこと、2025年5月のマイアミGPでは、LEGOで組み上げたF1マシンをドライバーたちに運転してもらい、サーキットを走るというイカしたイベントを実施している。
マイアミのサーキットをドライバーたちと疾走した、レゴ ブロックの実物大F1マシン🏎️🏁#その手でスリルを #F1jp #マイアミGP pic.twitter.com/5C7DtMFY37
— レゴ ジャパン公式 (@LEGO_Group_JP) May 5, 2025
Lewis' LEGO race POV is something to behold! 😂#F1 #MiamiGP pic.twitter.com/Q5dLE5OETp
— Formula 1 (@F1) May 5, 2025
ソニックはバイクレースでも(しれっと)存在感をアピールしていた!
2024年に開催されたMotoGPのアメリカグランプリでは、チェッカーフラッグを振る役割をソニックが担当。映画のプロモーションも兼ねてとは言え、開催国のセレブや俳優・アーティストなどに任されるような役割がソニックに任されたということに、「北米での認知度はさすがだな!」と感じ入ったものだった。
また、同年の日本グランプリでは、MotoGPの下位クラスであるMoto3クラスでソニックがチェッカーを振っていたし、サーキットにはセガブースが設置されていた(これが日本だけなのかは、ほかの国のレースに行っていないので不明)。そんな流れがあったので「ソニックはMotoGPと絡むようにしたのか」と思い込んでいた筆者的からすれば、逆にF1進出は不意討ちのように感じたのだ。
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これが意味するところは、いずれF1とMotoGPによるコラボなども実現させることが可能になったということ。買収の話は以前からあったが、このあたりも考えて横断的に何かをするべく、どちらのレースにもアプローチしていたのだとすれば……セガ(セガ・オブ・アメリカかも?)はなかなかの策士だ。しかも、あえてセガとの契約という形式ではなく、ソニックとの契約という形で、キャラクター認知度を広げようとしていることも気が効いている。
ゲームとレースの両方を愛する身としては、このままソニックがさらなる大人気になって、ゲームもバンバン売れていただきたい。そうすれば、セガがかつてのように世界的なレースチームのビッグスポンサーになってくれるかもしれないから。F1でもMotoGPでもいいから……この夢、叶ってくれないものか。
ほかのゲームメーカーはレースをどう見ているのか?
そのパターンを大別すると、潤沢な資産を持っているか、「宣伝の効果がかなり見込めそう!」的な予測が立てられている、あるいは経営陣に相当のレース好きがいる……といった感じ。ここでは、このパターンに沿っている事例をいくつか見てみよう。
Xbox
ソニー・インタラクティブエンターテインメント(SIE)
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車体の両サイドやフロントライト付近に大きくプレイステーションロゴが貼られたこのデザインの実車が、ル・マンを駆け抜けた。このように、年間に何戦もやらないが注目度の高い1レースのスポットでスポンサー契約を結ぶパターンもある。年間で支援しないぶん、スポンサードにかかるお値段も手ごろ(なはず)だ。
任天堂(ニンテンドウ・オブ・アメリカ)
ポノス(PONOS)
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FIA-F4選手権は、同じ性能のマシンを調整して走る、ドライバーの腕が問われるレース。F1へと続く登竜門的な位置付けにもなっており、現在F1で活躍している角田裕毅選手も、17歳という若さでシーズン3位の成績を残し、ステップアップしていった。
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『アイドルマスター』
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PACIFIC RACING TEAMは、毎年いろいろな二次元作品がタイアップしていることで知られているのだが、2025年はご覧の通り、『アイドルマスター』だ。筆者はあまりこの手のゲームをやらないクチだが、レース界を盛り上げてくれるという意味で、とても応援している。2025年8月6日現在、総合21位。
さらに、ゲームメーカーという趣旨からは外れるので詳細は省くが、このGT300クラスには長年レース活動を行っている、グッドスマイルレーシングの初音ミクさんがいらっしゃることも忘れてはいけない。2025年8月6日現在、総合4位の強豪チームでもある。
まずは動画を見てみては
たとえば、上でいくつかのチームを紹介した国内レース“SUPER GT”であれば、YouTubeで2024年のレースならフルバージョンを、2025年のレースならハイライトを無料で見られる。また、2輪のMotoGPであれば、Huluが無料配信を行っている。「ちゃんと興味が出るかわからないのに、いきなりお金を払うのも……」という方は、そういった無料のものを見て、まずはお金を掛けずにレースの魅力を知ってもらいたい。
知っておきたい世界的なレースでの日本人の活躍
『Apex Legends』もうまい! 角田裕毅選手
overall a positive weekend, points in both races but still plenty to work on
— 角田裕毅/Yuki Tsunoda (@yukitsunoda07) May 5, 2025
ピットレーンのペナルティで自分のレースを難しくしましたが、なんとかポイントは取れました。週末として悪くはなかったですが、これこらさらに改善していきます! pic.twitter.com/hoh5vipBtK
2021年から2024年まで4連続かつ合計8回も年間チャンピオンの座を獲得している、マックス・フェルスタッペン選手と同じチームになるため、「もしかしたらF1で日本人の初優勝が見られるかも?」とムチャクチャ期待が高まった。
しかし、先にも述べたようにマクラーレンチームのマシンがぶっちぎりで速く、さしものフェルスタッペン選手でも苦戦する状況。しかも角田選手のマシンは、フェルスタッペン選手よりさらに戦闘力が低いもので、がんばってはいるものの成績はいまひとつだった。夏休み明けにはおそらくマシンがアップデートされるはずなので、そこからの活躍に期待したい。
ちなみに、角田選手はゲーム好きでも知られており、2025年9月26日14時からは『Apex Legends』で世界有数のプレイヤーと戦うべく、東京ゲームショウ2025に登場予定。下記でライブ配信も予定されているとのことなので、ぜひチェックしよう。
日本GPでの活躍に期待! 小椋藍選手
前半戦終了しました。
— Ai Ogura (@AiOgura79) July 25, 2025
再開に向け準備していきます。
First half done.
Little break now and see you all again in a few weeks✌️#CzechGP🇨🇿 P14 pic.twitter.com/Ux0M9EZK59
MotoGPは土曜日にスプリントレース、日曜日に決勝という2回のレースを行うのだが、小椋選手は開幕戦となるカタールグランプリで、なんとスプリント4位、決勝5位というルーキーとは思えぬ成績を達成。シーズン途中にケガをしたこともあってか、ここのところは少々苦戦気味ではあるが、夏休み明けには復調し、後半戦、そして9月26日から開催される日本グランプリで活躍してくれるに違いない!
F1とMotoGPにやってくるターニングポイント
ざっくり言うと、F1は2026年からはマシンを小型化させるとともに、走行中に前後のウイングが可変するアクティブエアロを導入、さらにエンジンと電動パワーのバランスの見直しなどが行われる。これにより、チームの実力差がかなり縮まったり、現時点ではいまひとつの成績となっているチームがいきなり跳ねたりする可能性がある。
MotoGPのほうは2027年からより高い安全性を確保するため、スピード抑制を目的としたエンジンの排気量減が行われる。さらに、走行中の車高調整機能も禁止し、空力パーツを控えめにすることになった。そもそもバイクはクルマに比べるとマシンの性能が成績に与える影響は若干低め(本当に若干)。その上、これらの改定により、よりライダーの腕前が出るような方向性になるというわけだ。
そんなルール改正もあり、さらに冒頭で述べたようにソニック(セガ)やディズニーなどのエンタメ企業がパートナーシップを結ぶようになりで、今後はより興業としてのレースがおもしろくなっていく気配はムンムンというのが昨今の状況だ。
もちろん、本稿で語った知識など、レースファンからすれば「ぜんぜん足りていない!」というレベルのもの。だが、ひとまずこれで“なんとなくわかったフリ”くらいならできるはずなので、最後まで読んでいただいた皆さんは、明日から「レース? 好きなゲームに関わることならある程度知ってるよ」という顔をして過ごしていただきたい。