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『龍の国 ルーンファクトリー』これは紛れもなく『ルンファク』! 上質なドラマに愛おしいキャラなど、“和”の世界に飛び込みたくなる7つの理由

byひでのすけ

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『龍の国 ルーンファクトリー』これは紛れもなく『ルンファク』! 上質なドラマに愛おしいキャラなど、“和”の世界に飛び込みたくなる7つの理由
 ほのぼのとした世界観で冒険をしながら拠点で作物などを生産したり、住民たちとの恋愛や結婚などを体験したりできる“ファンタジー生活ゲーム”として、これまでナンバリングでは5作品発売されているマーベラスの『ルーンファクトリー』(以下、ルンファク)シリーズ。

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ルンファク5』の発売から約4年ぶりの新作となる『龍の国 ルーンファクトリー』(以下、龍ファク)の大きなポイントは、“ファンタジー生活ゲーム”という遊びはそのままに、舞台を西の国から東の国“アズマ”へ変えて全体的に“和”のテイストを盛り込んだことだ。
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 そんな大胆な変更に加えてナンバリングが付いていない点からも、待望の新作に期待を寄せつつも不安も半々……といったファンも多いことだろう。結論から先に言うと「ものすごく完成度の高い『
ルンファク』」だ! 「時間を忘れて遊ぶってこういう感覚だよな」と、ひさびさに寝不足になるくらい遊んでしまったほどだった。
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 では実際にどこにハマって完成度の高さを感じたのか。『
龍ファク』に用意された遊びを紹介しつつクリアーまでやり込んだ目線で満足ポイントをお届け。シリーズのファンはもちろん、RPGファンもきっと「遊びたい!」と感じる要素が満載なので、ぜひ発売日までに読み込んで期待値を爆上げしてほしい。なお、ストーリー的なネタバレは避けているのでご安心を。

山場が要所に盛り込まれてその先が知りたくなる上質のドラマ

 数多のRPGをプレイしてきた自分としては、プレイヤーをその世界に引き込む良質の物語と、それを下支えする魅力的なキャラクターの存在こそが、名作RPGの第一条件だと考えている。『龍ファク』はアズマを突如襲った厄災“龍星崩落”でルーンが枯渇し、その復興を“大地の舞手”に選ばれた主人公が成し遂げていく物語となっている。
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 主人公は春・夏・秋・冬の里の復興を順番に行ううちに、世界の真理に段々と近づく形で物語が進行。しかも、主人公は記憶喪失でこの世界の理をなにも知らないという状態から始まるので、プレイヤーは同じまっさらな目線で世界を知ることができる。突然専門用語が出てきて「?」となるケースもなく、すんなりと世界になじめる点も没入感を高めてくれた。

 そして各里には神様の復活や強敵の撃破といった山場が用意されており、その先の展開を早く見たくなるようなゲーム設計になっているのもポイント。とくに里をひと通り回ったあとからは物語が大きく動き出し、“これぞ王道のRPG”とも言うべき熱いドラマが展開されるので、きっと自分と同じように一気にクリアーまで駆け抜けたくなるはず。

 ちなみに、キャラクターの等身が上がったことで『龍ファク』では表情表現にかなり力を入れており、会話中は仕草だけでなく視線の動きや表情の変化で心理描写がなされるなど、従来の作品よりも会話シーンの没入感がグンとアップしている。ここはかなり満足ポイントが高かった。
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 また、“大地の舞手”はいわゆる神主や巫女に準ずる立場で、祝詞を上げたり舞を舞ったりするのだが、その厳かな雰囲気が重要なシーンを締める演出に一役買っており、雅楽の楽曲を含めて「“和”を舞台にした『ルンファク』っていいな」と、相性のよさに大満足だった。
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すべての人物が愛おしくなる個性的で魅力溢れるキャラクターたち

 物語でも触れたように、おもしろい物語には必然的に魅力的なキャラクターが付いてくるのがRPGという持論を持っている自分だが、『龍ファク』はまさにその法則どおりの作品だった。そんなキャラクターたちの中でとくに注目したいのは、各里を司る神様たちだ。

 神様たちは人からあがめられる高貴な存在のはずなのに、想像以上にフレンドリーに接することができ、特別な存在という意識もなく“仲間のひとり”という感覚で親近感が湧いた。とくに神様どうしの掛け合いはボケや突っ込みなど、かなりノリのいいやり取りが見られるので期待してほしい。
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 また、恋愛対象とはならないサブキャラクターたちもくせ者ぞろいだ。里ごとにさまざまなキャラクターが登場。誰もがその里にいる意味を持っており、里の復興を進めるうちに交流も深まり、顔と名前なども記憶に刻まれていく。いろいろな嗜好を満たす属性を持つキャラクターが登場するので、推しメンがきっと見つかるはずだ。
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 なお、キャラクターと仲良くなるためには会話やプレゼントなどを行い、絆レベルを上げるという遊びかたは『ルンファク』シリーズを踏襲。絆レベルが上がるといろいろな要素が解放されていく。絆クエストはそれぞれけっこうなボリュームで、追いかけることでさらに親しみが沸く内容だった。これは満足ポイントのひとつに挙げたい。

システムを理解すると自然とストーリーが進む絶妙なバランス

 『龍ファク』をプレイして感心したのが「豊富にシステムがあるのに、順序立てて解放されていくので煩雑でなく理解しやすい」ということ。たとえば里の復興に欠かせないお金。畑で作物を育てて収穫して出荷してお金を稼ぐという一連の流れをチュートリアルで教えてくれるので、シリーズ初心者も仕組みをすぐに理解できる。
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 しかも、畑での農作業や建物などを配置することで、里のレベル上げに必要なふるさとポイントの獲得につながり、その結果里のレベルが上昇。すると春の神であるうららかが力を取り戻し、ストーリーも自然と進行していくという流れに。
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 また、配置できる建築物や置物などの種類は、物語の進行で作れるものが増えていく。開拓エリアは少しずつ手を広げていくことになり、システムに慣れたらそのつど里の開拓を見直して、理想の里に仕上げていくというやり込みにもつながる点がうまい設計だなと感じた。

ストーリーだけでなくシステム的にも大きな役割を担う神器


 『龍ファク』を語るうえで外せないのが神様から授かるアイテム“神器”だ。これらを装備して使用すると、HPを回復したり炎で焼き払ったりなどできる。剣の神器ならば火、扇の神器ならば風といったように属性があるため、おもに戦闘で使用するのがメインの使い方となる。
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 そんな神器だが、鼓の神器ならば里の開拓で作物を育てる際に成長をうながしたり、扇の神器ならば装備している最中に移動速度が上がったりと、つねに使うシーンが用意されているゲームデザインなのがお気に入り。

 神器の切り換えは直感的に選べる仕様だ。Lボタン長押しでサークルを表示し、そこからRスティックで選択。剣の神器で作物を種に変えたり、傘の神器で畑に水をまいたりと、戦闘だけでなく里やフィールドでも使用頻度が高いだけに、このストレスフリーなUIデザインは満足ポイントだ。
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 また、本作は神器で枯れた木々をいやしたり、ケガレを祓うことで障害が取り除かれて里の開拓エリアが広がったりする。使用する際は対応した神器を自分で選ぶ必要がなく、自動で選択される点も快適だった。

バトルはガチアクションではないが爽快感をしっかり感じられる


 アクションRPGである本作のバトルは、主人公を操作して仲間とともに戦っていく。攻撃では武器と神器を使い分け、防御はガードではなくRボタンでのステップ回避となる。攻撃はロックオンが可能なので、とくに当てにくいと感じることはなかった。
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 シリーズ初となる弓や呪符といった遠隔攻撃手段が登場し、有利に立ち回りやすくなっている。弓ならば狙い撃ちも可能で、切り換えがスムーズで使い勝手は◎。ボタン長押しで発動できるチャージ攻撃は、使うタイミングを間違えなければ大ダメージを与えられ、爽快感も抜群なので積極的に使うことをオススメしたい。
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 防御に関しては敵の攻撃をダッシュで避けるか、ステップ回避で避けるかの二択となる。一般的なアクションRPGにあるようなスタミナの概念はないので、ダッシュはいつでも発動可能だ。

 注目はステップ回避で、これは敵の攻撃が当たる直前に発動することでジャスト回避が成立。その際、画面が一瞬スローモーションになり、この際Yボタンで攻撃するとカウンター攻撃となる。プレイした感覚では、判定がさほどシビアではないので、アクションバトルが苦手な人も狙いやすいはず。ゴリゴリと敵のHPを減らせるので爽快感バツグンだ。
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 ちなみに、強敵はダウンゲージを溜めることでダウンを奪え、一気に大ダメージを与えるチャンスが生まれる。カウンター攻撃はダウンゲージを溜める効率がいいので、多少のリスクを背負ってでも狙う価値がある。
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里の復興やバトルを重ねると自然と貯まるスキルポイント

 『龍ファク』は戦闘で魔物を倒して経験値を稼いでレベルアップする以外にも、スキルツリーからスキルを習得することでも強くなる。スキルは戦闘・神器・生活の3カテゴリーに分かれており、それぞれ対応した行動を実行すると習得に必要なスキルポイントが貯まる。
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 たとえば戦闘の片手剣スキルならば、片手剣で敵を攻撃すればスキルポイントが貯まり、生活の料理スキルならば料理を行うことで貯まるといった感じだ。そのため、里の復興やバトルをくり返していると自然とスキルポイントが貯まり、結果的にキャラクターが成長していく。
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 なお、スキルポイントは先述した固有のスキルポイントだけでなく、どのスキルにも自由に使える汎用スキルポイントがある。これは1日の終わりに料理や収穫をした行動結果で得られる仕組みだ。このようにゲームサイクル内にスキル習得の導線が組み込まれていることも、個人的にはよくできていると感じた満足ポイントだ。

“和”がモチーフだからこそ心にしみる演出やネタが楽しい


 最後は“和”をモチーフにした『龍ファク』だからこそのネタについて触れたい。まずは個人的にグッと来たのが、17時を過ぎると童謡「夕焼小焼」のメロディが流れるという演出。日本人ならばこのメロディを聞くと「あ、今日も一日が終わるな」と郷愁を誘われる人が多いはず。
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 里の住人たちは朝や昼に食事を取ったり、日中は仕事をしたりと時間に合わせて行動するのだが、このメロディとともに仕事を終えて自宅に帰宅し始めることもあって、一日が終わった感をしっかり感じ取ることができるいい演出だなと感じた。

 “和”がモチーフのアズマクエストも世界観の演出に一役買っている点も見事。たとえば、要望されたおにぎりを穴に転がす“おむすびコロリン”や、汚れているお地蔵様を掃除すると報酬がもらえる“お地蔵様の掃除”(モチーフは笠地蔵)などが登場する。しかも、どれも数をこなすコンプリート的な遊びになっているのもうまいなと。
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 というわけで、ざっくりと『龍ファク』の満足ポイントをまとめたレビューをお届けしたが、いかがだったろうか? 全体的にベタ褒めのテイストからもわかるように、結論として「買うべし!」と太鼓判を押せる、『ルンファク』シリーズファンにもしっかり刺さる文句なしのクオリティだった。
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 ちなみに、自分はSwitch版でのプレイだったが、同一エリアならば読み込みがなく、異なるエリアの移動もそこまで待たされないなど、シリーズ経験者が懸念するポイントも問題ないとお伝えしたい。なお、クリアーまでは里のレベルをすべて8まで上げて、結婚はできていない状態で約40時間だった。結婚後に開放される要素もあるとも聞いているので、発売後はあらためてSwitch 2版をじっくり遊び倒す予定。いまからワクワクが止まらない!
[IMAGE]※画面はすべてNintendo Switch版で開発中のものです。

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集計期間: 2025年06月06日03時〜2025年06月06日04時