
大河ドラマのような新機軸のシリーズ作品
『決戦』は、コーエー(現コーエーテクモゲームス)から発売されたシミュレーションゲーム。PS2のローンチタイトルであり、同ハードで3作まで発売された『決戦』シリーズの記念すべき1作目となるタイトルだ。
音楽は大河ドラマ『秀吉』や『功名が辻』などで知られる巨匠の小六禮次郎(ころくれいじろう)氏が、演出は大河ドラマ『元禄繚乱』や『天地人』の片岡敬司氏が務めており、時代劇ファンも納得の出来栄え。
プロデューサーはもちろん『信長の野望』や『三國志』シリーズなどでおなじみのシブサワ・コウ氏で、氏は『真田丸』や『鎌倉殿の13人』といった大河ドラマで3DCG地図を監修しているので、いまとなってはメインスタッフがみんな大河ドラマと関わりが深いというのもおもしろい。
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ストーリーは史実ベースのアレンジだが、当然if展開もあるので激アツ。両陣営ともに政略や軍議などのムービーで気分を盛り上げてくれたので、誰しもテンション爆上げで戦に臨めたのではないだろうか。
足軽や騎馬、鉄砲隊など、さまざまな兵科の部隊が大将の指示によりリアルタイムでバトルを展開。数百人がひしめき合う戦闘シーンは当時としてはかなりのクオリティーで大迫力。裏切りや援軍の登場など、随所に盛り込まれるドラマチックなシーンも見逃せないものだったと思う。
ゲームの難度がかなりカジュアルだった点は当時も話題になった覚えがある。合戦の勝敗に関わらずシナリオが進行してゲームオーバーにならなかったし、東軍と西軍のどちらが勝ったかによってルートが変化する場合もあった。
西軍の総大将は一度クリアーしないと選べなかったと思うが、西軍で東軍を撃破していくシナリオには、歴史ファンもにやりとさせられたのでは?
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2004年12月22日にはシリーズ最後の作品『決戦III』が登場。舞台を再び戦国時代の日本に戻し、織田信長や羽柴秀吉といった武将となって戦っていく。
以降シリーズ作品の発売はないままだが、ドラマチックなシナリオと合戦シーンは、いままでにない歴史シミュレーションゲームとして大きな魅力だった。