偉大なるヴァルナキア万歳! 偉大なるヴァルナキア万歳!
ロケットを打ち上げ、祖国の偉大さを愚かな資本主義者どもに見せつけるのだ!!
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2025年2月15日に浜松町にて開催された東京ゲームダンジョン7に出展されていた、ひと際真っ赤なブースで試遊した『絶対ロケット防衛主義』は、おおむねそんな感じのゲームだった。
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なんたってブースに置いてあったコントローラーすらアカい。ただならぬ雰囲気を感じる。
資本主義野郎からロケットを守れ! 洗脳粛清なんでもアリのストラテジー
このゲームの目的はシンプル。とにかく“ロケットを守れば勝ち”である。画面の右から来る資本主義者のブタども(敵)を倒し、左にあるロケットに到達させなければいいのだ。
使える物資はいろいろある。自動で敵を迎撃してくれる“トーチカ”に、足止めをしてくれる“バリケード”。もちろん愛国心を奮い立たせ、みずから敵へ突貫して薙ぎ倒してもいい。なぜならプレイヤーもひとりの兵士(自由に動かせる迎撃用のユニット)なのだから。
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右から来る資本主義者(青いユニット)を追い払う。左端のクレーンの下にあるのがロケットだ。
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かちどきをあげているのは本作の補佐官的存在“エリューシャ”。ヴァルナキア化学アカデミーより派遣された、自立式無線通信兼副官型軍用オートマトンである。
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表情豊かでかわいい。
つまるところ、本作は右から来る敵を倒し続けるタワーディフェンス的なゲーム。敵を倒し、ユニットを追加するためのリソースを手に入れ、つぎのウェーブ(敵の侵攻)に備えて設備や物資を拡充させていく。
試遊版の仕様では、ロケットが完成するまでは全部で8ウェーブ。それまで敵の猛攻を耐えしのげば晴れてゲームクリアーというわけだ。
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物資は補給部隊の同志“イヴァンスカ”から購にゅ……交換する。彼女に賄賂(追加のリソース)を渡せば再抽選も可能。
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白い線はつぎのウェーブで敵が通るルート。これを見つつ交換した物資を配置していくのだ。
……これだけ聞くとすごくマトモな感じのゲームに聞こえるのだが、問題なのが舞台となる架空の国家“ヴァルナキア”。この国、なんども書いているがとんでもなくまっかっか。あの国やあの国を思い出すほどに徹底した社会主義が敷かれている。
なので、敵を資本主義のブタども呼ばわりしているわけだ。勘違いしないでほしいのだが、これは決して筆者の主義というわけではなく、ゲーム内の呼称である。他意はない。決して。
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主人公の上官である“大佐”。エリューシャの液晶を通じて指示を出してくる。
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エリューシャ自身も時折吠える。本人曰く、「思想エナジーが漏れている」とのこと。
しかしその“いきすぎた社会主義国家”という要素があることで、シナリオやユニットにこのゲームならではの色が生まれている。……いや、アカだから赤いとかそういう意味じゃなく、特色とかそういう意味で。
とくにとんでもないのが、ゲームの中盤から登場する“愛情クン”だ。
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名前からしてろくでもなさがカンストしている。
こいつはみんなを見守り愛情を広げるオートマトン。ヴァルナキア的に言うならば、“兵士を監視し裏切り者を見つけ次第粛正する”ための機械である。ヤバすぎ。
ちなみに処遇はプレイヤーが決められる。選択肢は前線へ送る(移動できない攻撃ユニット化)か、肉壁(プレイヤーのダメージを肩代わりする強化アイテム化)か教育するか。ちなみに教育するを選ぶと、周囲のほか兵士が“革命ビーム”を撃てるようになる特殊な建造物“教育ラジオ局”を建築できる。理解が追い付かない。
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でも革命ビームって書いてあるんだからしかたない。
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ちなみにこの画面を横断する青い帯が革命ビーム。愚かな資本主義のブタどもを焼き尽くす光である。敵ユニットを貫通して一掃できるので非常に便利。
しかし味方がそうなら敵もさるもの。途中まではまともなユニットばかりなのだが、試遊版の最後には“増税戦車 インボイス・ブラスター”なるユニットを投入してくる。ちなみに砲弾はゲーム内でも物資交換時のリソースとして使われる“通貨トークン”だ。国民から巻き上げた血税をそのまま武器にするすごいやつである。
お金を砲弾にするのはもはや資本主義なのかどうなのか判断が難しいところではあるが、なんかもうそのあたりはどうでもいいのではないだろうか。とりあえず筆者としてはこいつを見て笑いをこらえるのに必死であった。会場内でなければ間違いなく大爆笑している。
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ご丁寧なエリューシャちゃんによる解説付き。
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画面中央右寄りにいる緑色のやつがインボイス・ブラスター。攻撃範囲は広いわ、めちゃくちゃタフだわでかなり苦戦した。
全体的な手触りとしては“優等生なタワーディフェンス”という感じなのに、そこに“舞台は徹底された社会主義国家”という1要素が入るだけで、『絶対ロケット防衛主義』ならではの独自性が生まれている。敵もヤバけりゃ味方もヤバい。セリフや言葉選びのセンスもすばらしく、自宅であれば間違いなくゲラゲラ笑いながらやっていたであろう一作だ。
もちろん、これは筆者がこういう“ぶっ飛びかた”を笑えるタイプの人間だから、というのもあるとは思う。「政治的な思想を笑いに使うのはどうか」という考えの人には、難しいゲームだと感じたのは事実だ。ただ、こういう笑いが刺さる人ならば、どこまでもこのゲームのおもしろさを堪能できるであろうことは間違いない。
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笑いをこらえながらもなんとかクリアー。最後はロケットの防衛度に応じて勲章が授与された。
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「あれこそ、革命の希望が宇宙を駆け上がる瞬間です!」……こういうセリフまわしがとにかくすばらしい。
個人的に印象深かったのは、試遊版ラストのシーン。これまで自分が守ってきたロケットがどういうものであったのかが明かされるのだが……これはぜひ、ご自身で試遊版をやるなりSteamのストアページから確認してほしい。
そして、ともに高らかに謳おうではないか。我が祖国、ヴァルナキアの凱歌を! ヴァルナキア万歳! ヴァルナキア万歳!
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