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『Öooo』体を爆弾にしてふっ飛ばし先に進んでいく探索パズルプラットフォーマー。“ああでもないこうでもない”と思い悩みながら試行錯誤するのが楽しい【東京ゲームダンジョン7】

by古屋陽一

更新
『Öooo』体を爆弾にしてふっ飛ばし先に進んでいく探索パズルプラットフォーマー。“ああでもないこうでもない”と思い悩みながら試行錯誤するのが楽しい【東京ゲームダンジョン7】
 2025年2月15日、16日、東京都立産業貿易センター 浜松町館にて、インディーゲームイベント東京ゲームダンジョン7が開催されている。

 個人開発者に寄り添って、手ごろな出展料と充実した設備で、“コスパがよいイベント”をモットーにしているイベントとして、ひと味違う独特な雰囲気を醸し出している東京ゲームダンジョン。今回は2日間で280団体が出展し、最新作をお披露目した(出展団体は各日で入れ替え)。

 ここでは、2月15日に出展されていた、『ElecHead』などを手掛けるNamaTakahashi(生高橋氏によるブランド)の新作『Öooo』を紹介しよう(出展は2月15日のみ)。
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爆弾の使いかたを模索して、先に進んでいくのが楽しい

 『Öooo』は、主人公が爆弾を駆使しながら先に進んでいくという探索パズルプラットフォーマー。主人公のいもむしは爆弾を自由に生み出すことができ(体を爆弾にできるという設定)、爆弾の力を利用することで先に進んでいくことになる。わかりやすい例で説明すると、主人公が爆弾の上に乗り、その爆弾を爆発させるとその爆風で上昇し、通常だと行けないような高いところに移動できるようになるといった具合だ。爆弾を横において爆発させると主人公は横にすっ飛んでいく。
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 デモ版では、爆弾はふたつまで生み出すことができ、それに応じてアクションの幅が広がる。最初にひとつめの爆弾を爆発させて上昇し、最高到達地点でふたつめの爆弾を爆発させて、さらに上昇するといった感じ。“こうすればこうなる”という爆弾の使いかたを模索して、先に進んでいくのが
『Öooo』となる。

 と書くと、それほど難度が高くなさそうに感じられるかもしれないが、それがさにあらず。目の前にはなかなかに難解な状況が立ちふさがり、「爆弾ふたつの効果で、この状況をどうやって打開していけばいいだろう?」と思い悩むのが本作のキモだ。
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 “与えられた状況に対して、手持ちの条件でいかに突破していくかを考える楽しさ”というのは、
生高橋氏の前作『ElecHead』と共通。この手のお題をつぎからつぎへと作り出せるのは、生高橋氏の天性のものではないかと思われるのだが、とにかくいろいろな状況が主人公に待ち受けている。それに対して、「これって、どうやって進めばいいんだろう」と思い悩み、ああでもこうでもないと試行錯誤をくり返し、解法が見つかったときの爽快感は格別。
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 さらに言えば、“ああでもないこうでもない”と思い悩む状況もけっしてイライラするものではなくて(ある意味イライラするが)、むしろそれが楽しい。デモ版を15分プレイしただけでも(しかも記者は最後まで行けなかった)そんな楽しさは十分に伝わってきた。

 ちなみに、今回のデモ版では、爆弾はふたつまでだったが、最終的にはもっと増えるとのこと(映像では3つまであることが確認できる)。爆弾が増えることで、パズル要素もさらに歯応えのあるものになりそう。

 また、“探索パズルプラットフォーマー”と銘打たれた
『Öooo』だが、今回のデモ版には探索要素は盛り込まれておらず、パズル部分にフォーカスしているとのことで、探索要素も入った本作がどのような感じになるのか楽しみだ。

 そんな
『Öooo』は、Steamでの記載によると2025年第1四半期発売とのこと。ただし、生高橋氏によると、3月までというのはきびしいようで……。
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出展ブースは終日大盛況だった。

いい感じにリニアと探索要素が混じった一作に

――本作はどのようなきっかけで生まれたのですか?

生高橋
 前作『ElecHead』の開発を終えたあとで、とても探索ゲームを作りたくなったんです。『ElecHead』はもともとメトロイドヴァニア形式で作りたいと思っていたのですが、それができなかったので。それで今度は、「探索でどうしようかな」と考えて、いちばん相性がいいのは“爆弾”かなということで、そこから連想していきました。

――本作では、探索が大きな要素を占めるのですか?

生高橋
 予定だったんです。ただ、パズルとメトロイドヴァニアは相性が悪いなと思って……。ただ、それでもがんばって探索要素を加えています。いま作っている感じでは、いい感じにリニアと探索が混じっています。

――当初のプランとはずれてきたけど、結果としていいものにはなっている?

生高橋
 そうですね。あいだを取れたような感じにはなっています。

――与えられた状況の中で知恵をしぼって活路を見出すというゲーム性は『ElecHead』と共通のように思いますが、とてもおもしろいですね。

生高橋
 そのへんは、僕の性格かもしれないです。僕も少ない要素でやりくりするのが好きなんです。ドット絵が好きなのも、そのへんの兼ね合いかとも思うのですが、制限のある中でいかにお題を考えるか。色数に制限がある中でビジュアルを作るというのもそうですね。『ElecHead』のときからそんな癖がありまして。少ない要素から、いかに絞って絞って出すかというのが、僕は好きみたいです。

 本当は背景にも意味を持たせたいとの思いもあるのですが、今回はちのすさんが入ってくれたので、背景は、はちのすさんにお任せしています。
『ElecHead』に比べて、背景はリッチになっていますね。
――本作は、もっと早く出す予定だったとのことですが……。

生高橋
 僕のせいですね。こだわりが強すぎて……。

――こだわりは大切ですからね。そんな『Öooo』の発売日は?

生高橋
 Steamには“Q1(第一四半期)”と書いてありますが、僕は日本の“Q1”だと思っていたので。つまり年度始まりの4月~6月ですね。そのころまでにはなんとか……。

――そういえば、『Öooo』は読みかたが決まってないとのことですね。

生高橋
 なんと読むか、自分でも決めていないんです。爆弾いもむしのキャラクターの見た目を文字に置き換えただけなので。調べてみたところドイツ語かなにかで、“エ”と“オ”のあいだの音らしいんです。「えぅおお」とかそんな感じらしいです。いろいろなところで適当にしゃべっていて、いま適当な感じになっています(苦笑)。そのうち決めます!

――(笑)。最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。

生高橋
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『Öooo』を開発する皆さん。中央が生高橋氏、右が背景などを担当するはちのす氏、左が音楽を担当するつよみー氏
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集計期間: 2025年03月25日20時〜2025年03月25日21時