FPS『Delta Force(デルタフォース)』インタビュー。32人対32人の大規模対戦と脱出サバイバル、そしてキャンペーン。すべてを無料で楽しめることも、プレイヤー目線で考えての挑戦だった

by西川くん

FPS『Delta Force(デルタフォース)』インタビュー。32人対32人の大規模対戦と脱出サバイバル、そしてキャンペーン。すべてを無料で楽しめることも、プレイヤー目線で考えての挑戦だった
 TiMi Studio GroupのTeam Jadeより配信予定の新作FPS『Delta Force』(※以下、『デルタフォース』。なお、タイトルは当初発表されていた『Delta Force: Hawk Ops』からが改訂された)。

 本作は32人対32人の大規模対戦、3人で各チームが挑む脱出サバイバル、そしてストーリーを楽しめるキャンペーンと、さまざまなモードを盛り込んだ意欲的なFPSだ。

 2024年12月5日より、PC版限定でグローバルオープンβテストが実施される。それに合わせて、本作のエクゼクティブプロデューサーを務める、レオ・ヤオ氏へインタビュー。本作をどのような狙いで開発しているのか、日本のプレイヤーをどう見ているのかなど、さまざまなことを聞いた。
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レオ・ヤオ氏

『デルタフォース』エクゼクティブプロデューサー。(文中は レオ)

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本記事は『デルタフォース』の提供でお送りします。

プレイヤーが求めた、大規模、高品質、無料

――『デルタフォース』は、1998年に初代が発売された長い歴史を持つシリーズタイトルです。最終作である2009年の『Delta Force Xtreme 2』から数えても、約15年ぶりの新作となりますが、なぜシリーズをリブートしようと考えたのでしょうか?

レオ
 じつは『デルタフォース』は中国のFPSプレイヤーに人気があったタイトルでして、私も小さいころから遊んでいて、すごく好きなタイトルです。当時はおもに、中国のネットカフェを中心に、盛り上がっていたゲームだった思い出があります。

 開発チームのスタッフたちも
『デルタフォース』シリーズが大好きで、以前『デルタフォース』のライセンスを持っていたTHQ Nordicさんから「版権を売りたい」というお話を聞きたときには、すぐに相談してライセンスを獲得しました。

 『デルタフォース』シリーズは“大人数で、大戦場で戦うFPS”の先駆者です。歴史的に見ても重要なタイトルですから、そういった部分からもリブートし、現代のプレイヤーにあの興奮を味わってもらいたいと期待を込めて開発を始めました。

――日本だと、古くからFPSを遊んでいるPCユーザーならば知っているであろう、ややマニアックなタイトルです。中国では人気とのことでしたが、ゲームファン全体的に広く知られていたのでしょうか?

レオ
 中国でも似たような感じで一般的な知名度としてはそこまで高くないでしょうね。ただ、開発メンバーたちにとっては若いころから遊んできた名作FPSで、すごく想い入れがあります。

 とはいえ、当時としても中国のネットカフェで全員が遊んでいたかというとそうではなく、FPSを遊んでいた人ならば「あの名作だよね」と話が通じるのかなといった感じです。いまの若いプレイヤーたちには伝わらないのは、おそらく日本でも似たような状況かと思います。
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――なるほど。『デルタフォース』シリーズと言えば、大人数で対戦できるチームFPSであることが魅力のひとつです。本作でも32人対32人の最大64人対戦が魅力のひとつとなっています。昨今の対戦型FPS・TPSは、3~6人ぐらいの小規模なチーム戦やバトルロイヤルが人気を集めている傾向にありますが、なぜ、いまあえて大人数FPSに挑んだのでしょうか?
レオ
おっしゃる通り、『デルタフォース』は大規模対戦FPSの元祖です。やはりその特徴は活かしたいと、当初から考えていました。たしかに少人数規模のチーム戦が流行っていますし、『Call of Duty』(コール オブ デューティ)シリーズのような中規模のチーム戦も人気があります。

 逆にいま、大規模対戦FPSがメインストリームにないからこそ、本作にチャンスがあるだろうと考え、挑戦することにしました。すでに何度かベータテストを重ねていますが、やはり大規模対戦モード“ウォーフェア”はとても人気があります。

 我々としてもテストの段階で「これはいけるぞ」と確信することができました。
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――ほかにも大規模対戦FPSタイトルはありますが、本作ならではの強みはどこにあると考えていますか?
レオ
 まず、本作は基本無料タイトルであることです。この規模の対戦ゲームを無料で遊べるので、対戦相手には困ることは基本ないでしょう。また、公平性を強く意識していたり、継続的なアップデートでの遊びの拡張を計画していたり、アピールしたい部分はとても多いです。

 とくに特徴して挙げるのならば、本作はよくあるアサルト、メディック、スカウトなど、職業でのクラス制を採用しておらず、キャラクターそれぞれが役割に紐づいた、オペレーターシステムを採用していることです。それぞれのオペレーターには特徴的なスキルや、個性を強く付けているので、ほかのタイトルと大きく差別化できていると考えています。

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――それでは、なぜオペレーターシステムを採用したのでしょうか?
レオ
 ひとつは、やはりキャラクターたちの個性を強めたかったからです。プレイヤーたちもすでに、SNSなどでそれぞれオペレーターをネタ的に扱ったりしてくれて、愛してくださっていることを感じています。プレイヤーたちも個性を出しやすい要素だと思います。

 もうひとつの理由は、オペレーターが多彩なスキルを持つことで、プレイヤーたちがカッコイイプレイを楽しめるようにしたかったことです。スキルを駆使した活躍ができるように、オペレーターそれぞれの性能も個性的にしていますので、いろいろなシーンで活用してみてください。
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――正直、FPSとして革新的なシステムを搭載しているわけではないと感じましたが、あらゆる対戦系FPS、TPSのいいとこ取りのようなシステムにまとまっていて、それが大規模対戦で楽しめるのは、個人的にもうれしかった部分でした。開発チームとしては、どのような狙いでシステムをまとめたのでしょうか?
レオ
 結論から言うと、プレイヤー目線で考えて、プレイヤーが好きであろう、プレイヤーが馴染みやすいシステムでまとめています。ただ流行っているから採用するのではなく、プレイヤーが楽しめることを第一に考えています。

 たとえば、昨今主流ではない“大規模対戦FPS”が、“高品質”で、しかも“基本無料”で楽しめる、といった柱の部分は、プレイヤー目線で考えたときに絶対に受け入れてもらえるだろうと。とはいえ対戦モードだけでなく、PvPvEの協力型サバイバルモード“オペレーションズ”もあるのは、昨今の流行を鑑みて取り入れたものですね。

 ただ、昨今のバトルロイヤル系や脱出系のサバイバルゲームは難しすぎたり、逆にカジュアルすぎる傾向にあったりもするので、我々が考えるちょうどいい規模感、対戦のバランスを見て、脱出系サバイバルモードとして調節しています。それらもプレイヤー目線で考えたときに、どういった対戦感覚で遊びたいのかを最優先で意識して作っていったものです。
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――では協力型サバイバルモード“オペレーションズ”と、大規模対戦“ウォーフェア”は、どのような差別化を図っているのでしょうか?
レオ
 まずは“オペレーションズ”は少人数のチームで、協力することが大事なゲームになっています。少ない人数で脱出を目指して立ち回る、緊張感のあるプレイが楽しめます。

 一方で、“ウォーフェア”は敵チームと撃ちあうことがメインの対戦モードでありながら、むしろこちらのほうがカジュアルです。たとえばフレンドとチームを組んで挑んだりできるのは、どちらのモードでも共通しています。

 ただ、“ウォーフェア”では自分のやりたいことだけをやっていても、基本問題ありません。自分のプレイスタイルに合わせたプレイをしても問題ないですし、それが対戦につながります。活躍すれば、自分だけのハイライトシーンも作りやすいでしょう。

 アサルト系が好きながら突っ込んでガンガン撃ちあえますし、スナイパーがいいなら狙撃メインで戦えます。サポート系が得意ならチームの補佐に回ればいいですし、乗り物が好きなら戦車や装甲車を使えます。

 “オペレーションズ”は決まったルールに沿った緊張感が特徴で、“ウォーフェア”は自由な戦いが楽しめるのが違いでしょう。
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――“ウォーフェア”は大規模な対戦ゲームだからこそ、やはりプレイヤーそれぞれの責任が軽く、まさにカジュアル寄りだと感じました。さらに本作では、いろいろな部分でプレイヤーの命がいい意味で“軽い”と言いますか。意識的にプレイヤーそれぞれにかかる責任は、下げているのでしょうか。
レオ
 いま流行している対戦型FPS、TPSはだいたい、最後まで誰が生き残っているのかが重要ですし、観戦しているプレイヤーを盛り上げるのもそういった部分であったりして、勝負の分かれ目としてプレイヤーひとりひとりがとても大事です。

 本作の“ウォーフェア”もそういった部分は少しだけあるにはありますが、対戦中すべての時間でそういった責任を負う、プレイヤーたちへの心労を掛けるような部分はかなり少ないです。はっきり言って、開発チームでは「対戦の勝敗がすべてではない」と考えています。

 もちろん、「自分はチームを勝利へと導きたい」と、勝敗をメインに戦うのも選択のひとつです。ただ、チームの一員として「自分は勝敗よりも、カッコイイプレイがしたい」と思うのも正解ですし、チームの勝敗よりも「今回は自分のいいプレイができたのでうれしい」と楽しんでもらうだけでも、正解だと思うんです。

 また、大規模対戦だからこその、臨場感のある戦場の中で、自分が戦っている。そのシチュエーションだけでも、楽しめるようにしています。銃弾や爆発が飛び交う戦場の中に身を置くだけでも楽しめるように、さまざまな要素を工夫して盛り込んでいます。
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――さらにもうひとつのモードとして、キャンペーンモードの“ブラックホークダウン”が発表されていますが、現状ですと同名の映画を原作としたストーリーを楽しめることくらいの情報しかありません。どういったモードになるのでしょうか?
レオ
 まずキャンペーンモード“ブラックホークダウン”は、対戦せずとも楽しめるモードです。映画のライセンスをいただき、そのファンたちに向けて制作している側面もありますし、我々も映画版が大好きですから、制作できることにとても喜んでいます。

 モードとしては映画のストーリーを追える、映画の世界観を重視した作りです。ただ、難易度はかなり高めです。それぞれのシチュエーションで、正しい立ち回りをしないと攻略しにくい作りにしています。
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――基本無料のFPSで、キャンペーンモードが遊べるというのもなかなか珍しいですが、有料コンテンツなのでしょうか?
レオ
 有料で解放することもできますし、もしくはゲーム内ミッションを達成していけば無料でも挑めるようにもするつもりです。無料で遊びたい人はコツコツとミッションにチャレンジすればいいですし、面倒だと思う人は購入して早期解放できるような仕組みです。

 ただ、具体的な販売方法についてはまだ検討中です。少なくとも、無料でも有料でも楽しめるようにしたいと考えています。ちなみに最初の1ステージについては、誰でも最初から無料で楽しめるようにする予定です。

――課金要素についてですが、基本的には銃器やオペレーターのスキンなど、そういった見た目カスタマイズの部分がメインになるのでしょうか?

レオ
 パスや早期解放などもありますが、基本はスキンです。本作は最初から“Pay to Win”(課金要素が、勝利に直結しやすいシステム)には絶対にしないと考えていて、マネタイズはスキンを中心にすると決めていました。

 スキンはオペレーターと銃器に用意しています。オペレーターはデフォルトでも個性的ですが、スキンはより個性的に作っていて、もしほかの人が使っているのを見たら欲しくなるようなデザインを目指しています。

 銃器スキンですが、我々は
『Call of Duty: Mobile』(コール オブ デューティ モバイル)の開発チームでもあります。運営を続けてきた中で、『Call of Duty: Mobile』では手前味噌ですが、かなりハイクオリティの銃器スキンをお届けできていると感じています。その開発力や経験を、本作でも盛り込んでいます。

――基本部分のゲームをとにかくおもしろくして、スキンを基本にマネタイズしていく手法は、自信がないとなかなかできないですよね。そういった部分も『Call of Duty: Mobile』の開発経験があったからなのでしょうか。

レオ
 我々はどのようなスキンを作れるのかといった制作の幅や、どんなスキンが喜ばれるのかノウハウもあります。また、デザイナーたちもスキンデザインがとても得意です。我々の技術もそうですし、『Call of Duty: Mobile』をアクティビジョン・ブリザードさんと協力して作ってきたからこその蓄積もあるでしょう。そういった経験もあり、きっとスキンの課金だけでも運営していけるだろうと自信を持っていました。

――ちなみにスキンまわりで、日本のIP(知的財産)とコラボ予定、またはやってみたいと思っていたりしますか?

レオ
 世界中のコンテンツもそうですし、日本のコンテンツとも積極的に検討していきたいですね。具体的なお話はまだできませんが、いろいろと進めている最中です。言えることと言えば、どんなコンテンツとコラボするのかは慎重に検討していることです。

 『デルタフォース』はミリタリー色の強い、リアルな世界観です。そこにいちばん相性のいいコンテンツは何か、慎重に考えています。ただ、ひとつ過去の経験から知見を得ているのが「じつはFPS、TPSプレイヤーとアニメ系コンテンツは、相性がいい」ことです。

 『Call of Duty: Mobile』でも過去にそういったコラボコンテンツをいくつか配信しましたが、とても人気がありました。ですから、リアルな世界観だけでなく、アニメコンテンツとのコラボも検討中です。

 ただ、キャラクターそのものが登場するというよりは、オペレーターか銃器のスキンとして登場することになるでしょう。やはりリアルな世界観に、キャラクター自体が混じるとプレイヤーの違和感になるというのは、過去の経験などから予想できることです。
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――最後に、日本のFPSやTPSファンについて、どのように捉えているのか教えてください。
レオ
 まず、『Call of Duty: Mobile』で言えば、日本でも多くのプレイヤーに遊んでいただき、とても感謝しています。『デルタフォース』でも、ぜひいい結果を残したいです。過去のαテストのデータでは、じつは日本のプレイヤーたちのプレイ時間平均は、世界的にもかなり上位です。正式サービス後も、きっと長く遊んでいただけるんじゃないでしょうか。

 ちなみに
『デルタフォース』のみならず、ほかのシューター系タイトルを日本に展開する予定です。昨今の日本のプレイヤーは、FPSやTPS、そしてeスポーツへの関心がとても深いです。我々としてもそれをチャンスと見ていますので、今後も日本の皆さんに、ぜひ遊んでいただきたいです。まずは、ぜひ『デルタフォース』の大規模な戦場に飛び込んでみてください。
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集計期間: 2025年01月17日02時〜2025年01月17日03時