スクウェア・エニックスが監修、LIGHTSPEED STUDIOSが開発する『ファイナルファンタジーXIV モバイル』(以下、FF14モバイル)が発表された。
『FF14モバイル』は『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)を原作としたストーリーやコンテンツなどを、スマートフォンで遊べるゲーム。
本記事では、発表されたリリース情報をまとめつつ、10年以上『FF14』をプレイしている編集部の現役プレイヤーが、独自の視点から気になる部分を紹介する。
※本記事はLIGHTSPEED STUDIOSの提供でお送りします。『FF14モバイル』のキービジュアルには初期実装の9ジョブが登場
モバイル版のロゴは天野喜孝氏による『FF14』のロゴに、サブタイトル“MOBILE”を加えたものに。そして『FF14モバイル』のキービジュアルには9つのバトルジョブが描かれている。イラストは『FF14』のリードアーティストである茂木雄介氏が手がけたものだ。
編集部の気になるポイント
新生『FF14』サービス開始時のバトルジョブは9種類(現在は22種類)。キービジュアルに描かれているのが、その初期実装ジョブとなる。また、描かれているキャラクターは初期実装種族のヒューラン、エレゼン、ララフェル、ミコッテ、ルガディンの5種族となっている。この辺りから、ゲーム実装時に使用できるジョブや種族は新生『FF14』が実装されたときと同じ環境になっているかと想像される。
最近『FF14』を遊び始めたプレイヤーは、新生『FF14』サービス開始したときの雰囲気を味わうことができ、サービス開始から遊んでいる熟練プレイヤーには昔の懐かしい思い出が蘇るゲーム体験ができるのではないかと期待できる。
祖堅氏の音楽がモバイルの世界を彩る
PVに流れている音楽は『FF14』サウンドディレクター・祖堅正慶氏が手掛けている。ストーリーは、原作の『FF14』と同じ内容が展開され、冒険者が神々に愛されし地“エオルゼア”へと降りたち、人々を危機にさらす蛮神と対峙し、立ち向かう姿が描かれる。
編集部の気になるポイント
『FF14』の音に関しては、歩く地面の素材によって足音が変わったり、人が集まるところでガヤが聞こえるなど効果音の表現にもこだわりがある。
また、戦闘コンテンツの進行度に併せてBGMが変化するなど、音楽による演出にも力をいれている。『FF14モバイル』ではダンジョンや討滅戦のプレイにおける所要時間が短縮される可能性もあるので、それらの演出をモバイル版にどう落とし込むのかが気になるポイントだ。
光の戦士たちが立ち寄るおなじみの3つの街
海の都“リムサ・ロミンサ”、森の都“グリダニア”、砂の都“ウルダハ”のといった3つ都市都市には、多数のクエストやショップ、マーケットなどの機能が存在し、最初の旅の拠点となる。物語はそこから始まったあと、サンクレッドやミンフィリア、タタル、ラウバーンなどのキャラクターたちと出会い、強大な敵である蛮神に立ち向かっていくことになる。
編集部の気になるポイント
PVでは、サンクレッドや、ヤ・シュトラなどの暁の血盟の面々に加え、ナナモ女王やラウバーンなど物語に関わっていく人物たちも登場。ストーリーは『FF14』に忠実に描かれるとのことで、『新生エオルゼア』で描かれたストーリーをそのまま体験できそうだ。なおスタート時の物語である『新生エオルゼア』のストーリーは、『蒼天のイシュガルド』以降のストーリーに比べて話が進むテンポが遅い部分などの指摘があり、その後改良が加えられている。モバイル版でさらにこの部分にメスが入るのか気になるポイントだ。
また『FF14』では、ストーリー上で挑戦必須となるインスタンダンジョンを、NPCとともに攻略できる仕組みが導入されている。この仕組みが『FF14モバイル』にも導入されていたら、自分の好きな時間に気軽にストーリーを遊べそうだ。
「もしもし、ミンフィリアよ」は健在
メインクエストに登場する重要キャラクター、ミンフィリアの声を担当するのは沢城みゆきさん。『FF14』プレイヤーならば、ミンフィリアの「一度、砂の家に戻ってきてくれるかしら?」という台詞を聞けば、冒険の初期の記憶が蘇えるのではないだろうか。
編集部の気になるポイント
メインストーリーはボイス付きということが判明。『FF14』はドラマチックなメインストーリーの展開も重要な要素なので、『FF14モバイル』でもボイス付きでストーリーを楽しめるのは朗報だ。
タイタンも登場。8人バトルは健在
バトルコンテンツである蛮神討滅戦も登場。PVでは、モーグリたちの愛らしい舞台劇から移り変わる形で、高揚感あふれる戦闘シーンが紹介されている。冒険者の強敵である蛮神“タイタン”に、さまざまなジョブの仲間たちが力を合わせて戦いに挑むシーンが描かれる。
編集部の気になるポイント
吉田氏へのインタビュー動画によると、操作はバーチャルジョイスティックのようなものを使用するとのこと。また、『FF14』では数多くのアクションやアビリティを駆使した戦闘が特徴だが、モバイル版ではアクション数が厳選されたり、ワンボタンでコンボを繋げられるような仕組みが導入されている可能性がある。また、現在確認できているジョブは新生時の初期ジョブとなっているが、アクションなどもジョブ実装時のものになっているのか、最新のアクションが反映されているのかが気になるところだ。
さらに、PVではPvPの象徴である拠点“ウルヴズジェイル”にプレイヤーたちが集うシーンが登場。『FF14』では、5対5の少人数同士のPvPから、最大72人が一堂に会する大人数PvPまで存在。モバイルでどこまで再現されるのかも注目だ。
のんびり楽しめるコンテンツも充実
『FF14モバイル』では、“釣り”や“トリプルトライアド”など、バトル以外の多数のコンテンツもプレイ可能。PVでは、娯楽施設“マンダヴィル・ゴールドソーサー”が紹介され“一閃! 斬魔・デ・三昧”や“ファッションチェック”などのコンテンツも登場している。
さらに、ギャザラーやクラフターといった採集・製作系クラスも『FF14モバイル』で忠実に再現されており、冒険の世界は原作同様に多彩かつ充実した内容となっている。
編集部の気になるポイント
プレイヤーたちがゴールドソーサーで遊ぶ様子が紹介されており、PVには登場していないものの、ドマ式麻雀などのコンテンツも実装にも期待したい。
また、このシーンでヒューランの男性が着ているのは、『FF14』のオンラインストアで購入可能な装備“プリンスアタイア”となっている。同じく購入可能なマウント(乗り物)も別の場面で登場しており、この辺りが課金要素になってくるのではないかと予想する。
ちなみに吉田氏へのインタビュー動画によると、課金形態に関してはガチャなどを実装せず、すべてのプレイヤーが長く楽しめるようなマネタイズを採用しているとのこと。『FF14』でも「ガチャシステムは入れない」と断言していたため、この辺りの信念は『FF14モバイル』でも継承されているようだ。
流れゆく時間を描くこだわりのシステム
本作はモバイルデバイス向けに最適化が行われており、モバイル版でも繊細なビジュアルが表現されている。
たとえば、『FF14』の天候システムも『FF14モバイル』でしっかり再現。エオルゼアには19種類の通常天候と60種類の特殊天候が存在し、合計で600種類以上の異なる天候パターンが見受けられ、地形によっても独自の変化を見せる。このような原作の雰囲気を忠実に再現するため、本作では天候要素を17のカテゴリーと52のサブカテゴリーに細分化し、雲、大気、光、フォグといった要素を精密に制御することで、モバイルにおいても多彩な表現を実現している。
また、天候は時間と密接に連携しており、1日を48の時間ノードに分け、それぞれのノードで52種類の雰囲気コントロールユニットを管理。時間経過に伴う太陽の昇り降りや雲の動きもそれによって表現され、エオルゼア独自のリアルな時間サイクルが作り出されている。
編集部の気になるポイント
天気にいちばん左右されるコンテンツといえば、ヌシ釣りではないだろうか。『FF14』では、天候や時間などの条件によってヌシがヒットするかが決定するため、その時間に併せて釣り場にプレイヤーたちが一斉に集まることも珍しくはない。『FF14』でヌシ釣りには手を出せなかったプレイヤーも、すきま時間などを利用して『FF14モバイル』でヌシ釣りに挑戦してみるのもいいかもしれない。
モバイル版でもこだわりたいキャラクター作成
『FF14モバイル』は、ハイポリゴンモデルのNormalMapテクスチャと、手描きのColorMapを融合させることで、キャラクターのリアルな肌の質感などを表現している。
たとえばヒューラン男性については、穏やかや親しみやすさを表現するため、顔のテクスチャデザインにおいて過度な写実性や華美なディテールを抑え、原作の『FF14』のスタイルに寄せつつも個性を際立たせた自然な仕上がりを追求。また、ララフェルについてはZBrushでハイポリゴンモデルの凹凸の調整を重ね、NormalMapの数値を弱めることで、顔の影が暗くなりすぎないよう工夫し、ララフェルの愛らしさを表現。このように種族独自の制作プロセスを適応することで、『FF14』のキャラクターデザインを忠実に再現している
編集部の気になるポイント
PVに登場した髪型などはすべて初期に実装されていたものだった。『FF14』ではパッチが進むにつれて新規髪型がかなり実装されているので、『FF14モバイル』にどう反映されていくのか注目したい。
また、外見を好きな装備にできる“ミラージュプリズム”や、それらの装備を保管できる“ミラージュドレッサー”、さまざまなフィルターやポーズで撮影できる機能“グループポーズ”など、『FF14』には欠かせない機能が実装されているかも気になるところだ。
コミュニティー形成も『FF14』の大事な要素
『FF14モバイル』は、『FF14』のソーシャル理念を受け継ぎ、温かく気軽なコミュニティー形成を目指している。ソロで冒険を進めることもできるし、仲間と協力して強大な敵に挑むことも可能。初心者を導くメンターや、パーティメンバー、フレンド、偶然出会った初対面同士でも気軽にコミュニケーションができるような工夫が用意されている。
編集部の気になるポイント
ハウジングなどの映像はなかったが、コミュニケーションの促進には欠かせないシステムだ。また、フリーカンパニーや、リンクシェル、エターナルバンドなどのソーシャル要素の実装もまだ言及されていないため、続報に期待したい。
吉田氏からの言葉
『FF14』のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏はインタビュー映像において、「『FF14』は次なる10年に向けたさらなる挑戦として、モバイル版の開発を発表させていただきました。こちらは『FF14』本体をモバイル用に完全アレンジしたモバイルデバイス用の最新MMORPGです。」と発言。また開発のLIGHTSPEED STUDIOSに対しても「ストーリーやバトルコンテンツなど、その再現のためにたいへん強い情熱をもって品質の追求を行い、献身的に開発をしてくださっています。」と言及した。
そして、最後に「すでに『FF14』をプレイしている皆さんも、そしてこれから『FF14』の物語に触れてくださる皆さんも、ぜひ今後の展開にご期待ください。」 とコメントで締めくくられている。
『FF14モバイル』は、いくつかの地域でのテストを経て、まずは中国本土でサービスを開始。フィードバックを基にさらなる調整をした後、グローバル展開を予定している。その最新情報は公式サイトにてメールアドレスを登録することで入手可能。また、最新のテスト情報は、公式X(旧Twitter)、YouTube、LINEなどでも配信しているので、ぜひチェックしてもらいらい。
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