セガを代表するキャラクターとして早くからアパレルやアニメなどにも進出。1990年代中盤あたりまでで言えば、マリオ、ソニック、パックマンあたりがゲームファンならずとも知られていたワールドワイドなゲームキャラクターの御三家だった、と言っても過言ではないだろう。こと、北米でのソニック人気は半端ではない。それは、“いまでも”だ。
だからこそハリウッドで映画化されたわけだし、映画『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』にいたっては、2022年時点で北米でのゲーム原作映画史上最高の興行収入を記録したのだろう。
その理由のひとつとして、かつてセガハードでしか遊べなかったことの影響はあるだろう。しかし、セガがハード事業から撤退してまもなく四半世紀が経つわけで、それが最大の理由ではないはずだ。ただ、「じゃあナニが理由なのか」という話を本稿でするつもりはない。いままで長々と書いてきたフリの着地点はどこなのかと言えば、「もうちょっと『ソニック』のゲームで遊んでみない?」ということである。
ちなみに、近年発売された『ソニック』シリーズのおもな作品としては、ざっと下記のタイトルがある。
- 『ソニックマニア』(2017年/PS4、XB One、Switch、PC)
- 『ソニック フォース』(2017年/Switch、PS4、XB One、PC)
- 『ソニックオリジンズ』(2022年/Switch、PS5、PS4、XSX|S、Xbox One、PC)
- 『ソニックフロンティア』(2022年/Switch、PS5、PS4、XSX|S、XB One、Switch、PC)
- 『ソニックオリジンズ・プラス』(2022年/Switch、PS5、PS4、XSX|S、Xbox One、PC)
- 『ソニック スーパースターズ』(2023年/PS5、PS4、XSX|S、XB One、Switch、PC)
たぶん、皆さんの予想以上に多いのではないだろうか?
さらに、Xbox Liveでは、これ以外にも『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』や『ソニック ワールドアドベンチャー』といった過去タイトルもプレイ可能。また、『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』のようなコラボ作品や、メガドライブミニに収録されている『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』などを抜いても多くのソニック作品がリリースされているのだ。
そリストを見ても「じゃあ、ナニで遊べばいいのさ!」となることは請け合い。なので、ここからは筆者と担当編集者が協議したうえで、いまオススメのゲームについて説明していきたいと思う。
なお、保険をかけるわけではないが、筆者は長くゲーム業界にいるので『ソニック』シリーズにもある程度触れているが、「ソニックが出てくるゲームをすべて遊んでいます!」的な筋金入りではない。なので、思わぬことで地雷を踏み、ソニック警察、あるいはセガ警察の皆さんが反応される可能性も否定できない。ただ、そこは「『ソニック』の裾野を広げたいんだ」という企画の意図を汲んで、ある程度お目こぼしいただければ幸いだ。「それでも看過できぬ!」となり、その指摘が適切であった場合は、修正され、この下あたりに謝罪文が載ることになるだろう。
- 『ソニックスーパースターズ』
- 『ソニックフロンティア』
- 『チームソニックレーシング』
- 『The Murder of Sonic the Hedgehog(ソニック・ザ・ヘッジホッグ殺人事件)』
- 『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』
『ソニックスーパースターズ』
- 2023年10月17日発売
- 価格:各6589円[税込](通常版)
- 対応機種:Switch/PS5/PS4/XSX|S/XB One/PC
やはり『ソニック』の原点は知ってほしいものの、令和の世で「メガドライブ版の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を遊んでください!」とも言いづらい。一応、現行機でも『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』から『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3&ナックルズ』までがリマスター(+独自モードを搭載)されて遊べる『ソニックオリジンズ』というタイトルもあるのだが、個人的にオススメなのが『ソニックスーパースターズ』だ。
『ソニックスーパースターズ』は、クラシックな『ソニック』シリーズのエッセンスをしっかり踏襲しながら、ゲーム性をいま風にアレンジ。主要なソニックとその仲間たちも概ね登場するので、クラシックな『ソニック』のお作法をマスターするのに最適な作品となっている。
また、本作ではアクションシーンの幕間に本作独自のストーリーが収録されており、仲間たちの特徴やパーソナリティーを理解するにもうってつけ。「これまでに『ソニック』シリーズに触れてこなかった人が遊ぶなら、まずココから!」というタイトルになっている、と筆者は思っている。
『ソニックフロンティア』
- 2022年11月8日発売
- 価格:各6589円[税込](通常版)
- 対応機種:Switch/PS5/PS4/XSX|S/XB One/PC
基本的に初期の『ソニック』シリーズは、とにかくスピード感がウリのアクションゲームだった。本作はスピード感を担保しつつ、ステージ探索や謎解きという要素も際立たせて、ソニックアクションの集大成とも言うべきタイトルとなっている。
オープンワールド感あふれる広大なワールドマップ(公式には“オープンゾーン”と称している)の中に、バトルや謎解き、ミニゲーム。クエストなどが散りばめられ、どういう順番でゲームを攻略していくかはプレイヤーしだい。さらに本作には電脳空間というギミックも用意されている。ワールドマップから切り離された電脳空間では、ステージクリアー型の2D・3Dアクションコースが豊富に準備されており、クラシカルな『ソニック』に近い遊びを楽しむこともできる。
とはいえ、ソニックらしさの新表現とでも言うべき良作であり、かついまどき感も押さえられているので、「こういう『ソニック』もあるんだ」という認識を持っていただくためにも、プレイをオススメしたい。
『チームソニックレーシング』
- 2019年5月21日発売
- 価格:各3289円[税込](新価格版)
- 対応機種:Switch/PS4/PC
ただし、そこは『ソニック』。ふつうのレースゲームとはひと味違った手触りになっている。
本作では、各チームにキャラクターが、スピードタイプ、テクニックタイプ、パワータイプの3種類に分けられておりタイプごとにマシンの性能が異なっている。プレイをくり返すと入手できるコインを使ってガチャを引けば、さまざまなチューニングパーツを獲得可能。これを装着することで、マシン性能を微調整できる。
また、単にレースをするだけではなく、ストーリーモードが用意されている点もいい。これにより、ひとりで淡々と走りを磨くだけではない遊び方もできるようになっている。もちろん、オンライン対戦などを楽しむことも可能だ。
なにしろ人気のキャラクターだけに「ソニックは好きだけれど、アクションは苦手」という方もいるかと思う。その中に「レースゲームならできる」という方は少なからずいるはずなので、そういう方には本作をオススメしたい。
『The Murder of Sonic the Hedgehog(ソニック・ザ・ヘッジホッグ殺人事件)』
- 2023年4月1日配信
- 価格:無料
- 対応機種:PC(Steam)
筆者が英語不得手&ヘンにネタバレしないために未プレイだが、いまものすごく遊びたい1本がこちら。
もう、タイトルの時点で心を奪いにきているわけだが、その内容はタイトル通り、ソニックの仲間たちがくり広げる犯罪捜査ミステリー。Steamストアのレビューもかなり好評という点も注目ポイントで、『ソニック』シリーズに興味を持った方々が本稿を読んで大騒ぎし、あわよくば日本語化されないかという目論見を持って紹介させてもらった。
英語が得意な方は、ぜひ遊んでみていただければと思う(なお、非公式ではあるが日本語化パッチは存在する。筆者は仕事柄、非公式ではやらないが……自己責任でひとつ)。
スピンオフ的なタイトルとは言え、ソニックが死んでしまうわけがないと思っているのだが、はてさて……。
過去に多彩な作品がリリースされている『ソニック』シリーズだが、同作のようにこれまでとまったく異なるアプローチのゲームというのは心惹かれる。コラボ的な登場だけに留まらない、こういった新機軸も今後期待できるかもしれない。
『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』
- 2024年10月25日発売
- 価格:各6589円[税込](通常版)
- 対応機種:Switch/PS5/PS4/XSX|S/XB One/PC
そのへんが交通整理できてしまえば、イマドキのマルチバース感とかタイムリープ感のあるものになっている(っぽい)本作の物語は、きっと楽しめるはずだ。なお、物語はソニックの身に起きた出来事の裏側で、シャドウはどんな行動をしていたのかが描かれるとのこと。どちらかを遊んだ後に、もう一方をプレイしたくなる展開だ。
肝心のゲーム性はと言えば、リングを集めながらさまざまなギミックのあるコースを高速で駆け抜けるといった感じ。随所でデカいボス的な存在は出てくるが、それもある種のギミックとして考えれば、『ソニック』シリーズの中では王道と言っていいだろう。
なので、『ソニックスーパースターズ』や『ソニックフロンティア』の電脳空間を遊んでいれば、違和感なくゲームを楽しめるはずだし、シリーズのさまざまなステージが入っているため、シリーズ初心者にもオススメだ。(多くは語らないが、『ソニックアドベンチャー2』が好きだった人なら、すごく楽しめます)。
ちなみに、ソニックとシャドウが登場する映画第3弾となる『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』が2024年12月27日に公開決定。あれこれゲームをオススメしてみたものの、「いや、私はもっとライトでいいです」という方は、まずは映画の方でお楽しみいただくのはいかがだろうか。映画が気に入ったら、そこをつなぐダウンロードコンテンツもリリースされるそうなので、そこからゲームにチャレンジしてみるのもいいと思う。