初代『ダライアス』お披露目の日。ド迫力の3画面筐体、お尻に響くボディソニック、水棲生物モチーフのボスなど、何もかもが個性的なシューティングだった【今日は何の日?】

byででお

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初代『ダライアス』お披露目の日。ド迫力の3画面筐体、お尻に響くボディソニック、水棲生物モチーフのボスなど、何もかもが個性的なシューティングだった【今日は何の日?】

重低音とともに沈みゆくシーラカンス型の巨大戦艦。迫力にただただ圧倒された


 いまから38年前の1986年(昭和61年)10月7日は、アーケード用の初代『ダライアス』が“第24回AMショー”でお披露目された日。本作がゲームセンターで実際に稼動を開始したのは1987年2月。アーケードゲームでは地域によって稼動日に差があるため記念日を設定しづらく、
『ダライアス』の場合は、このお披露目の日を公式で記念日のように扱っている。
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第24回AMショーの様子。
 『ダライアス』は、タイトーからリリースされたアーケードゲーム。『グラディウス』(1985年/KONAMI)、『R-TYPE』(1987年/アイレム)と並び、1980年代後半を代表する横スクロールシューティングだ。
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 当時の筆者は中学生。地元のゲームセンターで『ダライアス』の大型筐体を初めて見たときの衝撃はすさまじかった。まず、画面が横に長い! 当時のモニターはアスペクト比が4:3のブラウン管なのだが、それが3画面ぶん横並びになっている。12:3の超ワイドスクリーンだ。

 さらにすごいのは、3つの画面の継ぎ目を極力なくしていること。左右ふたつのモニターは上向きに設置されており、ハーフミラーに反射させることで中央の画面の左右にピッタリくっついた形で投影される仕組み。
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『ダライアス』の筐体。
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モニターが磁気で変色していたり、つなぎ部分で微妙にズレを感じたりしたのもいい思い出(画像はアケアカ版で疑似的に再現)。
 筐体のすごさはまだまだある。ベンチシートに内蔵された音響システムによって、お尻から重低音をビリビリと感じることができた。ゲーム小僧だった筆者は、映画館以上の迫力を感じて、とにかく感動したものだった。ボス戦艦を撃沈したときの臨場感たるや……!

 音つながりでもうひとつ。ZUNTATA(タイトーのサウンドチーム)によるBGMも最高にすばらしい。サウンド面に力を入れているためか、筐体にはヘッドホン端子も標準装備されていた。ちなみに最初のゾーンで流れる
『CAPTAIN NEO』(※)や最終ボスとの戦いで流れる『BOSS7』はもちろん、山岳地帯のテーマである『COSMIC AIR WAY』あたりが筆者のお気に入り。いまでもドライブのおともに流しているくらいだ。
※じつは『CAPTAIN NEO』はもともと『メタルソルジャーアイザックII』(1985年/タイトー)という作品のBGMだったりする。[IMAGE]
サウンドトラックLP“タイトー・ゲーム・ミュージック Vol.2 ダライアス”(筆者の私物)。

 各ゾーンの最後にはシーラカンスやイソギンチャク、マッコウクジラなどの水棲生物をモチーフにしたボスが待ち受けている。これらの造形も非常に独特で、多くのゲームファンが魅了されたと思う。もちろん筆者もそのひとり。

 ちなみにこれらのメカは、
『タイムボカン』シリーズや『ハクション大魔王』などのアニメ作品で有名なタツノコプロが手掛けていた。モチーフ元である水棲生物の特徴を残しつつ、メカメカしくかっこいい姿に仕上げているところはさすがだ。
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 ゲームシステムは、3色のパワーユニットを取得していくと強くなる仕組み。このほかに白い玉(得点)や金色の玉(画面上の敵全滅)、1UPなどのアイテムが存在する。

  • レッドユニット:対空攻撃がパワーアップする。8個ごとにミサイル→レーザー→ウェーブに変化。
  • グリーンユニット:対地攻撃がパワーアップする。8個ごとにボム→ツイン→マルチに変化。
  • ブルーユニット:防御力がアップする。8個ごとにアーム→スーパー→ハイパーに変化。
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 パワーアップ自体は『グラディウス』のオプションや『R-TYPE』のフォースに比べて驚きは少なかったが、注目すべきは絶妙なバランス。

 4番目のゾーンには本作最大の壁と思われるボス“ファッティグラトン”(モチーフはピラニア)が待ち受けており、ノーミスで順当にパワーアップしていくとこいつとレーザーで対峙することになる。
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 レーザーは威力こそ高いものの、貫通力が仇となり連射性能がいまひとつかつ攻撃判定の幅も狭いというボス戦に不向きな武器。ファッティグラトンの口からくり出される小ピラニアを迎撃するのが非常に難しくなるため、あえてレーザーまでパワーアップせず、ミサイルの7段階目あたりで止めておくという戦法が流行っていた。

 しかし当時の筆者は、どうしても最高段階のウェーブを体験したいため、何度もゲームオーバーになりつつもレーザーでファッティグラトンと戦った。何とかノーミスで乗り越え、辿り着いたウェーブ1段階目は3連射しかできないものの、地形を貫通する様が気持ちよく、とても感動したのをいまでも覚えている。

 パワーアップにまつわる話題をもうひとつ。抜群の耐久力を誇るハイパーは地形にかするとポーンと弾き飛ばされるという
非常におせっかいな機能が追加される。終盤ゾーンの狭い通路でコレをやられて、反対側の壁に激突したのは筆者だけではないはずだ。
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 いま本作を遊びたいと思ったら、『ダライアス コズミックコレクション』(Nintendo Switch/PS4/Steam)や『アーケードアーカイブス ダライアス』(Nintendo Switch/PS4)などがおすすめ。また、アーケード筐体が現在も稼動中のゲームセンターもあるので探してみるのもいいだろう。

 なお、“ダライアスお披露目の日”を記念して、
『ダライアス』関連商品のセールやプレゼントキャンペーンが実施中。どちらも実施期間が2024年10月9日までなので、気になる方は急いでチェックしよう。
画面写真はアーケードアーカイブス版のものです。
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