ローグライクというジャンルを日本に広めた偉大なタイトル
それでもプレイしようと思ったのは、本作の主人公が『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場した武器商人のトルネコだったからですね。自分のようにローグライクがよくわかっていなかったものの、『ドラゴンクエストIV』の関連作が発売されると知って、親にねだった人は多いのではないでしょうか。
チュンソフトから「ドラゴンクエスト」シリーズ関連作が発売されたのは、デベロッパーとして初代『ドラゴンクエスト』から『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』までのプログラミングを担当していたことによる信頼関係があったからではないかと筆者は思います。
一方で、弓矢で遠距離攻撃をしてくる“リリパット”や、近づくと不意討ちをしてくる“うごくせきぞう”など、原作にはない行動をしてくるモンスターも多数いて、そちらもワクワクさせてくれました。
ちなみに、“もっと不思議のダンジョン”では満腹度の減少を防止する“ハラヘラズの指輪”が出現しなかったり、指輪と杖だけでなく、草や巻物も未識別状態で出現するので、プレイヤーの腕が存分に試されることになります。
倒れるとレベルは戻りますが、プレイヤー自身の知識の量と応用テクニックは上がっていくので、しっかり成長を感じられるのが魅力。これまでのRPGはキャラクターを成長させるのが目的でしたが、プレイヤー自身の成長が重要となる本作のゲーム性は新鮮でした。
慎重に進んでいても敵のモンスターの特殊行動や、ダンジョンの床に仕掛けられたワナといった不慮の事故でやられてしまうこともあり、そのハラハラ感にはトリコにさせられました。本作のキャッチコピーは“1000回遊べるRPG”というものですが、そのコピーに偽りはなかったです。
ローグライク自体が人気のジャンルになってからは、お色気要素の強い『オメガラビリンス』シリーズやリズムアクションゲーム要素を取り入れた『クリプト・オブ・ネクロダンサー』など、多彩な名作、迷作が誕生しました。