トビー・フォックス氏の作家性が高い“誰も傷つかなくていいRPG”
『UNDERTALE』はアメリカ人のゲーム開発者であるトビー・フォックス氏により、クラウドファンディングで資金を調達して開発されたインディーゲームタイトル。最初は海外のみでしたが、驚きの仕掛けや直感的に遊べるゲーム性、考察しがいのある内容で大きな話題となりました。また、グラフィックの一部を除き、ほぼトビー氏ひとりで手掛けていることもあり、とても作家性の高いタイトルに仕上がっています。
2017年8月にプレイステーション4版とPS Vita版が発売され、その後はPC版も公式に日本語に対応。2018年9月にNintendo Switchでも発売されました。日本語化についてはハチノヨン(8-4)が担当していますが、トビー氏も移植に深く関わっており、クオリティーの高いものになっています。この丁寧なローカライズも人気を後押しした理由になっていますね。
特徴的なのはバトルシステムで、“たたかう”、“こうどう”、“アイテム”、“みのがす”というコマンドがあり、“こうどう”を選ぶことで“なでなで”や“はげます”といった行為でモンスターと交流でき、仲よくなると見逃すことができます。それはザコだけでなくボスも同じで、本作はRPGでありながら誰とも戦わずに進められるようになっています。
戦うか仲よくなるかの選択はプレイヤー次第で、通常のRPGのように敵と戦いながら進むことも可能です。バトルは弾幕シューティングゲームに似ており、リアルタイムに襲ってくる敵の攻撃を避ける必要がありますが、戦闘機型の敵であれば爆撃になっているなど、それぞれ攻撃方法に個性が反映されています。
ストーリーを彩る個性的なモンスターたちも印象的です。ゲームの序盤で優しくプレイヤーを導いてくれるトリエルを始め、飄々としているサンズや彼の兄弟でどこか抜けているパピルスなど、忘れられないキャラクターばかり。