何より痺れたのはその設定。左腕に光線銃“サイコガン”をまとったコブラが宇宙海賊として、女性型アーマロイドのレディを相棒に、タートル号を駆使して宇宙をまたにかけて大活躍するというSFの世界観に心躍らせたのはなつかしい思い出。
2024年8月21日~25日にドイツ・ケルンにて開催されたヨーロッパ最大級のゲームイベントgamescom 2024で、フランスのMicroids(ミクロイド)ブースに取材に行って、「アニメ『スペースコブラ』がゲーム化されます」と聞いたときは、「そう来たか!」と、ハタと膝を打ってしまった。
というのも、Microidsは永井豪原作の『UFOロボ グレンダイザー』をモチーフにしたゲーム、『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』をリリースしており(※)、「また何か、往年のアニメをゲーム化するプロジェクトって進んでいるのかしら……」と、淡い期待を抱いていたのだが、それが『スペースコブラ』だったというわけ。そもそも社名の“Microids(ミクロイド)”も『ミクロイドS』から来ているのではないかと、記者は思っているのだが……。
さて、ゲームの紹介をしてくれたのは、Microids プロデューサーのNouredine Mohammed Saad氏(ヌールディヌ ・モハメド・サード)。『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』のプロデューサーでもあるそうなので、日本アニメのゲーム化担当(?)ではないかと思われる。
原作の権利保持者からイメージをそのまま使う許可をもらっていて、ミッションのあいだをつなぐカットシーンもアニメのシーンを使っているという。アートディレクターが『コブラ』の大ファンで、いろいろな素材をアニメから持ってきているのだとか。看板などもしっかりと再現されているので、往年のファンはそれを見つける楽しさもあるかも。
肝心のアクションは、サイコガンと銃のサイドガンを駆使して戦う。高い攻撃力を誇り、原作同様に軌道も変えられるサイコガンだが、敵のバリアは貫通できないとのこと。そういうときはサイドガンを使って敵のバリアを破壊してからサイコガンで敵を倒すようだ。
「『スペースコブラ』に出てくるガジェットは全部使えます」とのことで、たとえばコブラの葉巻は灯りとしても使えるという。「葉巻の灯りだけを頼りに探索するというミッションもあります。あと、葉巻が爆発したりもします」とのこと。
忠実にアニメを再現しているという本作だが、一方でゲーム化にあたっては少しアレンジしている点もあるという。たとえば、「エピソードの冒頭のコブラが宇宙船のタートル号を取りに行くシーンでは、原作アニメだと数秒の会話ですぐに取りに行けるところを、ゲームではミッション化しています」とのことだ。
また、本作はマルチプレイにも対応。協力プレイになっていて、昔のコブラと共闘するモードになるようだ。
「あと、お伝えしておかないと行けないことが!」とヌーディヌ氏が切り出したのが、「本作は吹き替え対応をします。英語、フランス語、日本語の3言語ですね」ということ。1982年版『スペースコブラ』の声優というと野沢那智さんだが、野沢さんは鬼籍に入られている。そのため「似た雰囲気を持つ方を探しています」という。フランス語版のコブラの声優さんは存命らしいが、お年を召していることもあり、ゲーム版の声を担当してくれるかどうかはわからないとのことだ。
『スペースコブラ』に対する愛が高じて、今回の『Space Adventure Cobra – The Awakening』につながったというプロジェクト。最後に日本のゲームファンにメッセージをお願いしたところ、「ファンの皆さんがゲームの中で『スペースコブラ』の世界に飛び込んで、楽しんでくださることを願っています」とのこと。どのような世界で堪能できるのか、楽しみだ。