『ファーストバーサーカー:カザン』試遊レビュー&インタビュー。チュートリアルのボスでさえ軽く心を折りにくる、ソウルライクな高難度アクションをプチ体験【gamescom 2024】

by坂本ビス太

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『ファーストバーサーカー:カザン』試遊レビュー&インタビュー。チュートリアルのボスでさえ軽く心を折りにくる、ソウルライクな高難度アクションをプチ体験【gamescom 2024】
 2024年8月21日~25日、ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大規模のゲームイベントgamescom 2024が開催。会期中にNEXONとNeopleが手掛けるアクションRPG『The First Berserker: Khazan』(ファーストバーサーカー:カザン)が体験できた。
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 本作は、『アラド戦記』の世界をベースにしたスピンオフ作品となるハードコアアクションRPGで、プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに2025年初頭に発売予定。

 gamescomの開催に合わせて公開されたトレーラーでは、主人公である“カザン”のストーリーと、本作の大きな特徴である激しいバトルシーンやダークな雰囲気を垣間見ることができる。



 gamescom会場では、そんな本作のデモ版をひと足先に体験。死に至ったはずの英雄カザンがブレードファントムに力を与えられ、バーサーカーとなって生まれ変わったところからゲームがスタート。一連のチュートリアルからボスとの戦いをプレイできた。

『カザン』試遊レビュー

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 本作は“ハードコアアクションRPG”というジャンルを謳っており、プレイした感触からひと言で表すならソウルライク。ザコ敵でさえシビアな判断が必要とされる、緊張感あるゲーム性が大きな特徴だ。

 チュートリアルの段階では、剣と斧を装備し、スキルはない状態。ゲームを進めていけば武器の種類も増え、さまざまなスキルを使いこなせるようになる。基本的なアクションとしては、弱攻撃、強攻撃、キー入力方向への回避、ガードがあり、ジャストタイミングでのガードや回避も存在。

 攻撃やガード、回避といった各種の行動でスタミナを消費。個々の行動による消費は大きめで、連発するとすぐにスタミナが尽きる。スタミナを使い切ってしまうと数秒間、身動きが取れなくなるので非常に危険だ。

 体力を回復するためのアイテムは、この段階では3回ぶん所持しており、マップ上のチェックポイントで使用回数のチャージが可能。

 ザコ敵の攻撃も手痛く、ボス戦に備えて回復薬を温存するために、それぞれの敵の攻撃を見切って、なるべくダメージを受けない工夫が必要。

 連続攻撃でゲージを溜めると敵がダウン状態となり、大ダメージ技を決めるチャンスに。また、溜め攻撃のチャージ中は、スーパーアーマーがある模様。

 チュートリアルのボス戦は、屈強な人型モンスターとの戦い。突進と突き、斬り払いと、大きく3種類の系統の攻撃をくり出してくのだが、プレイヤーとの間合いに応じて、それぞれ派生攻撃が追加されるので、距離の取りかたが重要と感じた。このボスさえ、なかなか手ごわく倒すのにけっこうな時間を要する。

 チュートリアルとはいえ、本作のシビアな戦いがどんなものであるか、またそこから始まるいくつもの戦いはかなり難度の高いものになるだろうことが容易に想像できる内容だった。
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ゲームを進めれば、こんなボスとも戦うことに。

開発者インタビュー

 gamescom会場にて、本作の開発を手掛けるCEO エグゼクティブ・ディレクターのユン・ミョンジン氏と、クリエイティブ・ディレクターのリー・ジュンホ氏にインタビューを行った。
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左:リー・ジュンホ氏(クリエイティブ・ディレクター)/右:ユン・ミョンジン氏(CEO エグゼクティブ・ディレクター)
――gamescomのオープニングナイトライブで公開されたトレーラーの反響はいかがでしたか?
ユン
 本作の独自なアートスタイルを多くの視聴者が気に入ってくださったようで、いいフィードバックをいただいています。また、会場での試遊でもいい反応をもらっています。『アラド戦記』は日本で長年サービスを提供していますが、ユーザーの皆さんからは本作が新鮮で魅力的な挑戦になるだろうという期待が高まっている様子を感じています。

――『The First Berserker: Khazan』というタイトルに込めた意味は何でしょうか?

ユン
 まず、主人公のカザンの名前をタイトルに入れたいと考えました。カザンは『アラド戦記』の世界で非常に重要なキャラクターのひとりです。そのストーリーにおいて重要なペル・ロス帝国も登場します。カザンは帝国の偉大な将軍で多くの戦いに勝利しましたが、皇帝に裏切られてしまいます。このゲームは、彼がそこからどう生き延びるかを描いたものです。

リー
 さらに補足としてお伝えすると、カザンは“スレイヤー”というクラスの原点でもあります。スレイヤーは北の世界のクラスであり、また“カザン症候群”に苦しむ戦士たちがいるという設定もあります。この要素もタイトルに反映させたかった重要なポイントです。

――『アラド戦記』のスピンオフとのことですが、ハードコアアクションRPGというジャンルに決めた理由は何でしょうか?

ユン
『アラド戦記』は約20年間という長いあいだサービスを提供しています。サービスを継続する過程で十分な洞察とノウハウを蓄積できたと信じていまし、アクションのクオリティーを高めることは非常に重要だと考えています。

 今回はスリル満点で、スピード感あふれる強烈なゲームを作りながらも、同時にIP(知的財産)を拡大していくことを目指しました。ハイクオリティーなアクションを別の形でどのように表現するかをつねに考えていました。フランチャイズ初のスピンオフとして、私たちが誇るアクションのクオリティーを見せるためには、このジャンルが最適でした。

――本作でもっとも注目してほしいポイントはどこでしょうか?

ユン
 “アクションがもたらす没入感”を非常に大切にしています。ゲームにおいてすばらしいアクションとは何かという点については、人それぞれ意見が異なるかもしれませんが、私は攻防のバランスだと考えています。

 攻撃と防御のプロセスが、プレイヤーにとって没入感のある体験でなくてはいけません。まるでゲームのキャラクターとしてその場にいるかのように感じてもらいたいのです。その感覚をゲームを通じて伝え、アクションを楽しみながら特別な感情を呼び起こせるようなゲームにすることが、私たちにとって非常に重要です。

リー
 私が見てほしいのはアートスタイルについてですね。日本のアニメにもインスピレーションを受けていて、そこに『アラド戦記』ユニバースの物語を組み合わせています。このふたつを融合させることで、日本のユーザーにも訴求できると考えています。

 また、ゲームのシステムは、日本のユーザーの皆さんに響くだろうと感じています。ハイクオリティーなアクション要素とともに、
『アラド戦記』の物語、アート、そしてカザンの復讐の旅路を表現したいと考えています。

――このゲームはシングルプレイ専用ですか?

ユン
 はい、そうです。

――舞台はオープンワールドでしょうか?

ユン
 いいえ、各エリアは分かれて存在しています。

――ストーリーに沿ってリニアにゲームが進行していくのでしょうか?

リー
 基本的には『アラド戦記』の構造に近いものになります。オンライン版の『アラド戦記』はクローズドのワールドで、プレイヤーは一連のミッションをクリアーしてつぎのステージに進んでいく形式です。この構造は本作でも似ています。

 同じような構造の日本のゲームとしては、『仁王』が挙げられるかもしれません。ただし、完全にリニアな進行ではなく、プレイヤーの選択によって物語の分岐が生じ、異なるエンディングやマップが用意されているので、多様な展開が楽しめます。

――リリースが楽しみです。

ユン
 現状では2025年初頭のリリースを目指しています。そして、2024年10月11日からはテクニカルクローズドβテストを計画しています。これは世界中のユーザーとともに日本のユーザーの皆さんにもプレイしていただける機会となります。そしてさらなるクローズドβテストと、場合によっては別のデモイベントを予定していますが、状況しだいですね。
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集計期間: 2025年01月15日16時〜2025年01月15日17時