B級っぷりが最高のアクションゲーム
開発元のタムソフトは『闘神伝』シリーズなどアクションゲームの実績があるものの、この時期はスポーツやレースの開発が中心でした。そのため、タムソフトが良質なアクションを作れるということを知らしめた転機の作品と言えるでしょう。
舞台となるのは墓場や市街地、洞窟、廃病院で、ホラー要素がたっぷり。登場するゾンビもこちらの攻撃で首が吹っ飛んだり、下半身だけになっても襲ってくるので、バイオレンス要素が強かったですね。ボスとしてカギヅメと鉄球を持ったふたりぐみの女学生ゾンビも登場。リメイク作の『お姉チャンバラORIGIN』では、このふたりの設定がさらに掘り下げて描かれています。
刀に血がつくと切れ味が悪くなってくるので、L1ボタンで血を振り払うことも大事。血を払うアクションはコンボの合間に挟むことで隙を少なくできるため、いかに組み込むかが重要です。広範囲を攻撃できる居合切りも存在しますが、使うと体力を消費。多用は禁物でした。
また、ゾンビの血しぶきを浴びたり、敵を倒したときに出現する赤い玉を取ると“穢れゲージ”が上昇。ゲージがMAXになると体力が減り続けるものの攻撃力がアップする“暴走状態”になります。この暴走状態は女神像の破片を使うか女神像に触ることで解除でき、どのタイミングで暴走するかが大事になります。暴走状態でなければ倒せない敵もいるので、周りのザコを倒してゲージを溜める必要がある場面もありました。後のシリーズでは暴走状態以外の特殊技でも倒せるように改良されていますが、1作目の本作は発展途上でしたね。迷いやすいマップや見づらいカメラワークなど、気になる部分も多いですが、セクシー&バイオレンスという制作陣のやりたいことがヒシヒシと伝わってくる熱意のある作品でした。
2019年12月5日にはPS4で『お姉チャンバラORIGIN』が発売。『THE お姉チャンバラ』、『THE お姉チャンバラ2』をリメイクした作品となっており、“Coolコンビネーション”や“暴走状態”のほか、後年に追加されたシステム“忘我”も搭載されています。現在はPS4のほかPC(Steam)でも発売中なので、ぜひチェックしてみてください。