イベント開始時間になると、司会を務める声優の宮負潤さんの影ナレーションで秋葉原ラジオ会館の歴史を振り返った。秋葉原ラジオ会館は、1950年に国鉄秋葉原駅前に木造二階建での建物で開業。その後、1962年に木造二階建ての南側に8階建ての秋葉原ラジオ会館電化ビルを新たに建設。それから約半世紀後の2011年8月に老朽化による建て替えのための取り壊しが始まり、イベント開催日のちょうど10年前となる2014年7月20日に新生秋葉原ラジオ会館がオープンした。
そんな秋葉原ラジオ会館は、MAGES.が手掛ける科学アドベンチャーシリーズの第2弾『シュタインズ・ゲート』にも印象的なスポットとして登場している(作中で登場する秋葉原ラジオ会館の建物の外観や内装はリニューアル前のもの)。
イベントの開幕は、司会の宮負さんとともに『シュタインズ・ゲート』で牧瀬紅莉栖を演じる今井麻美さんが登場し、秋葉原ラジオ会館のリニューアル10周年を乾杯でお祝い。
乾杯を終えたところで、さっそくトークパートへ。まずは、ふだんは入ることができない秋葉原ラジオ会館の屋上という野外でのイベントということで、当日の天気について。今井さんは当日の予報では雨の可能性があったことに触れつつ、晴れたほうがいいのか、雨が降って涼しいほうか悩んでいたそうだが、晴れ女パワーが炸裂して、快晴になったことを「申し訳ない気持ちもありますが……」と前置きしながら、いい天気でイベントが開催できることをうれしそうに語っていた。
続いての「牧瀬紅莉栖役が決まってから秋葉原ラジオ会館に来たことがありますか?」という質問に対して「もちろんです!」と回答した今井さん。リニューアルが行われる前にも後にも何度か訪れたことがあるそう。また、秋葉原ラジオ会館に関する思い出として、今井さんが2011年の取り壊しが行われるというニュースを最初に知ったときは、リニューアルが行われることが発表されていなかったため、寂しい気持ちがあったと当時を振り返った。
さらに、取り壊しのニュースについては、複数の知り合いから「秋葉原ラジオ会館がなくなるらしいよ」と連絡があったそうで、その連絡に対して今井さんは「私に連絡されても止めることはできないし、タイムリープして決定を覆すこともできないよ」と紅莉栖役ならではの返信したことを明かし、観客を笑わせていた。
続いての質問は、秋葉原がオタクのワンダーランドと呼ばれていることにちなんで、好きなマンガやゲームはありますかというもの。今井さんは麻雀熱が再燃しているそうで、最近はVTuber“詩趣ミンゴス”として配信も行っている。麻雀が至高の遊びであることを語りつつも、「VTuberになって、私はオタク文化が好きなんだなと改めて感じました」と感慨深そうにコメントしていた。
そこから秋葉原全体についての話題へ。今井さんは大学生のころ放送研究会に所属していたそうで、先輩たちとよく秋葉原に訪れており、当時は『シュタインズ・ゲート』のとある世界線で登場したような“萌え”がない状態だったとのこと。そんな秋葉原で店先に“1個1000円”と書かれた段ボールに入れられた、素人には何なのかわからないパーツを先輩たちが興奮気味に物色している様子を今井さんは横目で見ていたそうで、「いま考えてみると、岡部(倫太郎)たちみたいだった」と当時を振り返った。
つぎは『シュタインズ・ゲート』が今年で15周年を迎えるということで、「15年経って思うことは?」という質問。今井さんは15年経ったいまでも「『シュタインズ・ゲート』が大好きです」と言ってくれるファンや、最近好きになったというファンがいることに触れつつ、「時代を超えて、さまざまな方にここまで受け入れてもらえる作品になるなんて正直、当時は思っていませんでした」と本音を口に。
また、いまでこそさまざまなプラットフォームで楽しめる『シュタインズ・ゲート』だが、当時はXbox 360のみでの発売ということもあり、「どのくらいの人に楽しんでもらえるだろう?」と不安もあったそう。しかし、口コミなどでどんどん広がっていく様子を見て、「とんでもない作品に出会ってしまったとリアルタイムで感じました。(中略)これだけ作品を愛していただけるのは筆舌に尽くし難いです。人生でこういう経験ができる人はそんなに多くないと思います」と感慨深そうに語っていた。
トークパートが終わると、今井さんはいったんステージを降りて、秋葉原ラジオ会館警備隊による護身術の実演へ。予想以上に本格的な護身術に、観客からは驚きの声が上がっていた。なお、秋葉原ラジオ会館警備隊による護身術は毎年恒例で行われていたそうだが、残念ながら今年で最後とのこと。
イベントの最後は、花の種が入ったバルーン(風船)リリースとリニューアル10周年を記念して制作された“秋葉原ラジオ会館ミニ看板”の点灯式。今井さんが再び登場し、ステージで合図を出すことになっていたのだが、ステージを見ているとミニ看板の点灯の瞬間が見られないということで、今井さんの提案で急遽場所を移動。移動が完了したところで、改めてバルーンリリースを行うと、大きな歓声があがった。
そして、最後に一体感を高めるために「ぬるぽ」(今井さん)、「ガッ」(観客)のコールアンドレスポンスを行ったところでイベントは終了となった。
なお、秋葉原ラジオ会館と『シュタインズ・ゲート』のコラボグッズが発売決定。発売時期は10月の予定となっている。
さらに、今後の『シュタインズ・ゲート』関連の動きとしては、2024年10月27日に千葉県・松戸市“森のホール21 大ホール”にて15周年記念ライブが開催予定。宮野真守さん(岡部倫太郎役)、花澤香菜さん(椎名まゆり役)、今井麻美さん(牧瀬紅莉栖役)など、声優陣7人によるボイスドラマと、いとうかなこさん、ファンタズム(FES 声:榊原ゆいさん)、彩音さん、Ayumuさん(Zwei)ら4組のアーティスト陣によるライブなどが行われる。
また、ファミ通.comで2024年の年始に掲載した“ゲームクリエイター163人に聞いた2024年の抱負”という記事内で、MAGES.取締役およびゲーム事業本部の本部長の浅田誠氏が「弊社、代表作でもある『シュタインズ・ゲート』が15周年を迎えます。これに合わせさまざまな展開やタイトルなどもいっしょにお届けできるかと思います。お待たせしている完全新作など、盛りだくさんの内容を準備していますので15周年イヤーをいっしょに盛り上げていただけると幸いです。」とコメントしていることから、新情報の発表も期待できそうだ。