『イースX -NORDICS-』少年アドルの青春時代が感じられるストーリー。ふたりひと組のクロスアクションの使い分けも最高に楽しい【夏のおすすめゲームレビュー】

by染谷広人

更新
『イースX -NORDICS-』少年アドルの青春時代が感じられるストーリー。ふたりひと組のクロスアクションの使い分けも最高に楽しい【夏のおすすめゲームレビュー】
 ファミ通の編集者が2024年夏のおすすめゲームを語る連載企画。今回紹介するゲームは、日本ファルコムよりシリーズ35周年記念作品として発売されたアクションRPG『イースX -NORDICS-』です。
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※本企画は、週刊ファミ通2024年6月20日号(No.1852/2024年6月6日発売)の特集“編集者38人それぞれが選ぶいまオススメしたい38のゲーム”をWeb用に調整したものです。

【染谷広人】のおすすめゲーム

『イースX -NORDICS-』

【こんなところがおすすめ】
  • モード切り換えで爽快&重厚なアクションが楽しめる
  • 大海原を舞台とした若者たちの爽やかな冒険を堪能できる
  • 過去作品をプレイしていなくても物語に入り込める

ふたりひと組のアクションで新境地を開拓した『イース』

 ――今、RPGは優しさの時代へ

 1987年より続く『イース』シリーズの第一作のキャッチフレーズは、当時難しさが競われていたRPG作品において、簡単ではないけれど誰でもクリアーできる難易度を目指すという革新的なものでした。

 最新作の
『X』はシリーズ35周年の記念作品として、さらなる革新を目指し、『SEVEN』から『IX』まで引き継がれていたパーティー制や攻撃属性などが一新。

 主人公・アドルとヒロイン・カージャのふたりひと組のクロスアクションが採用され、ソロモード時はスピーディーで爽快なアクション、コンビモード時は重厚感のある豪快なアクションを使い分けることが可能になりました。

 とくにボス戦では、相手の動きを見極めてソロとコンビモードを切り換えながら戦うことで、いままでの作品よりも攻防のメリハリがハッキリと出るようになり、
これぞアクションゲームという感覚を楽しめます。

 ただ「過去のシリーズをプレイしていないと最新作を楽しめないのでは?」と疑問を持つ方もいると思います。

 しかし
『イース』は基本的に一作品で完結型の物語。主人公・アドルが遺した冒険日誌のひとつが語られる形式が取られており、時系列は『I・II』→『X』→『セルセタ(IV)』→『フェルガナ(III)』→『V』→『VIII』→『VI』→『SEVEN』→『IX』で、ナンバリング順でもありません。そのため、どの作品からプレイしても楽しめるのが特徴です。

 あえて過去の作品をプレイしているとうれしいところを挙げるとしたら、作品ごとのアドルの年齢の違いでしょうか。本作はアドルが17歳のころの冒険(最年長は
『IX』の24歳)で、まだ少年時代のアドルが描かれており、本作でしか見られないアドルの一面を知ることができます。

 ストーリーは現実の北欧がベースで、オベリア湾という多島海を、仲間とともに冒険していくことになります。多様な島をめぐる楽しさに加え、冒険を通じて仲間との関係性が深まっていくところに、アドルの青春を感じられます。

 とくにヒロインのカージャとの関係性の変化は必見。徐々にアドルへと心を開いていく様子に頬がゆるみまくりです。

 最後に、本作がクロスプレイを採用したのは10作品目の
『X』がクロスを表わしているからとされていますが、個人的にはクロスプレイを採用した理由はラスボス戦に集約されていると感じました。とにかくカッコイイ。

 あんなに爽やかで晴れ晴れとした澄み切ったバトルは、
RPGのラスボス史上で屈指の演出です!
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