
設立は2023年4月と最近だが、分社前より『ファイナルファンタジーXVI』や『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』など、日本が誇る数々のビッグタイトルの制作にもかかわっている。IMAGICA GEEQに所属するスタッフたちは、ゲーム制作において“縁の下の力持ち”、“頼りになる助っ人”として長年活躍してきた。
そんなIMAGICA GEEQの設立から1年を待たず、IMAGICA GROUPはゲーム開発会社のアプシィ株式会社(appci)の株式を取得し、グループの一員に加えることを発表。さらに、すべてのサービスブランドをIMAGICA GEEQへ一本化し、東京の制作・サービスの拠点を半蔵門と飯田橋オフィスへ集約した。
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開発会社とともに企画から制作、ローカライズ、デバッグまでワンストップで
――先日は、森田さんにIMAGICA GEEQ発足についてのインタビューをさせていただきましたが、記事の反響はいかがでしたか?
――それは何よりです! では改めて、IMAGICA GEEQ について簡単なご説明からお願いできますか。
発足当初はおもにゲーム制作の工程のうち、3D・2Dのアート制作とゲームの品質管理、いわゆるデバッグ、そしてゲーム業界への人材の紹介・派遣を中心に、事業を展開していました。
これらの制作・サービスをしっかり提供しながら、1年をかけてゲームの開発という上流の部分、そしてグローバルを見据えローカライズまで事業領域を広げていきました。2024年1月にイギリスに本社を置くUniversally Speaking社と業務提携を締結しましたし、2月には国内のゲーム開発会社であるappci社の株式をIMAGICA GROUPが取得し、同じグループの一員になっていただきました。
ゲーム制作の“端から端まで”、我々は、“End to End(エンド・ツー・エンド)”と表現していますが、このサービスを提供できる体制が整いましたので、今後は、ゲーム制作ならびにサービスのバリューチェーン全体にわたって、世界中のパブリッシャー、あるいはゲーム業界のクライアントの方々にサービスを提供していきたいと考えています。
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開発会社の多くは家庭用ゲーム機中心やモバイルゲーム中心というように、得意な開発プラットフォームに偏っていることがあると思いますが、appciは、さまざまなプラットフォームでの開発実績があります。その点はクライアント様からも「珍しいね」とよく言われます。
――140人というと、開発会社としては中~大規模くらいのイメージでしょうか?
今後はIMAGICA GROUP内のリソースを活用しながら、より大規模な開発にも対応できるようにしていきたいと考えています。
――appci社が IMAGICA GROUP の一員となることで、森田さんはIMAGICA GEEQがどのような会社になり、どのような変化やメリットが見込めるとお考えですか?
また、appci社はどのプラットフォームにも対応できるすぐれた開発力はもちろん、子ども向けやファミリー向けのゲーム開発において、業界内で一定の地位を築いています。IMAGICA GROUPは子ども向けのアニメーションの企画や制作にも携わっているので、appci社との親和性は高いと感じています。
また、appci社は海外向けのゲームを開発されていることも我々にとって大きな魅力です。今後、ゲームをグローバルに展開していき、End to Endのサービスを行っていくために、おもに開発事業で大きな力になってくれると期待しています。
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ただ、皆さんご存知の通り、自社でパプリッシュしたことで成功することもあれば、その反面、リスクも大きい。まずはゲーム制作サービスのバリューチェーンをグローバルに展開して、土台をしっかり築くことを優先したいと考えています。そのうえで、ゆくゆくはグループが保有するIPを活用して、ゲーム制作も行っていきたいですね。
――楽しみにしています! グローバル展開の話題にもつながっていくかと思いますが、ローカライズ部門の観点からはどのようなサービスが提供できるのか、ゼネラルマネージャーを務めるブレンドンさんにお聞きしたいです。
私は、全世界にゲームの魅力を発信することが、ローカライズ部門のいちばん大きな役目だと考えています。
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IMAGICA GEEQの設立以前から、弊社ではQA(クオリティアシュアランス、品質保証)の業務を提供しています。
言語的なQAはローカライズの延長線上にあるので、グローバル展開を推進するのはかなり自然な流れになりますが、我々が提供するローカライズは、LQA(言語の品質保証)とともに行うため、自然と相乗効果が生まれて、より高品質な作品へと仕上げていくことができるのです。
また、IMAGICA GROUPの一員であるIMAGICAエンタテインメントメディアサービスには、最先端の技術が詰まった収録スタジオがあり、スムーズにグループ連携できるという利点もあります。どんなパブリッシャーにも負けない音声収録が行えるのもIMAGICA GEEQの大きな強みだと思います。
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――ローカライズとLQA(言語の品質保証)をいっしょに行うと、高品質な作品を提供できるというのは?
――なるほど、それはいい相乗効果ですね。ローカライズとひと言にいっても、ただ直訳するのではなく、文化的な側面にも配慮する必要があって、簡単ではないですよね。
たとえば、翻訳するのが難しかったり、設定がほかの国では通じなかったりすることもある。そんなときは、「こういう設定でローカライズしてみてはどうでしょうか」と、クライアントに提案するようにしています。その結果、ローカライズしたストーリーがその国にベストな形で、より豊かになることもあるんですよ。
日本語の風味をしっかりと残したまま、中国語や韓国語といったアジア圏の言語にうまく翻訳できるかどうかは、ローカライズ事業の肝だと思っています。
IMAGICA GEEQの対応言語(例)
- 日本語
- 英語
- 中国語(簡体字)
- 中国語(繁体字)
- 韓国語
- タイ語
- フランス語
- イタリア語
- スペイン語(欧州)
- スペイン語(中南米)
- ポルトガル語(ブラジル)
そのほうがより自然な形でローカライズが行えますし、次回作ではお客様の成長に合わせてローカライズ以外の工程でも我々がサポートすることで、より高みを目指すことができると考えています。
appciが参画したことで生まれたIMAGICA GEEQの新たな強み
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――石塚さんが考える、appci社の持つ“強み”、得意とする開発分野はどのようなところなのか教えてください。
具体的な開発のシーンで言うと、クライアントからオーダーをいただく際には、じつは細部までは企画が固められていないことも多いんですね。
そんなときにクライアントの意図や要望を汲みながら、まだ形になっていないオーダーをどうやって煮詰めて形にしていくのか。実現するためには当然ながら企画力や技術力などが必要になりますし、刻々と変化する状況にも柔軟に対応できる能力も求められます。当たり前かもしれませんが、開発メンバーがこういった対応力を持っているのもappciの強みですね。
――appciの社員にはどんな方がいるのですか?
移植したり続編を開発したりするにしても、昔のソースやデータを活用したりしなければならないケースがあります。そういった際にはベテランの知識や経験値が絶大な威力を発揮します。
逆に、当たり前ですが、最新の流行やムーブメントは若い方のほうが知識は豊富です。そういう方々が同じプロジェクトで仕事をすることで幅広い年齢層に楽しんでいただけるものが開発できるのではないかと思います。
いろいろな年代の方々がいるからこそ多様なオーダーに対応できる、という強みが生まれていますし、そうなったのはたまたまかもしれませんが、今後のゲーム開発会社のひとつの姿だと思います。
――ゲーム開発現場の働きやすさはだいぶ改善されたとはいえ、マスターアップ前などは忙しくなると思います。素朴な疑問なのですが、ベテランの皆さんは体力的に大丈夫なのでしょうか……。
――若手からベテランまで優秀な人材が多いのもまさに理由のひとつだと思いますが、ヒット作を開発できる秘訣を教えてください。
たとえば2023年に発売されたNintendo Switch向けタイトル『なつもん!』は、ノスタルジックな雰囲気のゲームなのであまりイメージできないかもしれませんが、Unreal Engineを使って生産性を高めています。
昨今、開発会社からパブリッシャーへ企画を持ち込むことが少なくなっているのですが、appciでは売れそうなIPを見つけたときは、企画を持ち込むんですね。それで実際にプロジェクトが動いたこともあります。
――現場の熱量が高いんですね。ベテランの方といっしょに働ける現場は、若手社員にとってもいい刺激になりそうです。
またIMAGICA GROUP全体で見ると、appciが参画したことによっていろいろなことができると考えています。
いまはアニメ化やマンガ化など、メディアミックスを前提にプロジェクトが動くことも多くなってきていて、各業界につながりがないとどうやって進めていいかわからないと思います。IMAGICA GEEQならゲーム化と合わせて、映像化、アニメ化、リアルイベント化など、IMAGICA GROUPの各サービスと組み合わせることでさまざまなご相談に乗ることができるので、今後は強みを活かしてアピールしていきたいですね。
――たしかに、まとめて相談できる開発会社はなかなかないですよね。
ゲームを開発できて映像も作れるIMAGICA GROUPなら、そういったクライアントの相談にも乗れますし、希望も叶えられると思います。ひとつのグループでまとめて仕事を受けられるのもIMAGICA GEEQと我々グループの大きな強みです。
――2024年にブランドを“IMAGICA GEEQ”に統一し、制作拠点も半蔵門と飯田橋オフィスに集約されました。この狙いと効果などを教えてください。
また、使っていたブランド名のひとつが海外ではすでにブランドとして認知されていたこともあり、海外展開を目指すにあたっても「ひとつにまとめたほうがいい」と判断しました。
6つのブランド価値を高めていくよりも、ひとつのブランド価値を高めていくほうが、圧倒的に取り組みやすいですし、IMAGICA GEEQはワンチームであるという意識を従業員のみんなに持ってもらいたかったことも、ブランドを統一した大きな要因です。
――オフィスを集約したのも同じような理由でしょうか。
――今後の展開としては、東京ゲームショウ(以下、TGS)2024への出展が決まったと伺っています。出展ブースでは、どのようなことをゲーム業界に伝えていきたいでしょうか?
TGSには、日本そして世界から多くの業界関係者が来場されますので、我々のことを知っていただくいい機会だと思いますし、新規の取り引きにつながるような活動ができればと考えています。このインタビューを見て弊社に興味を持たれた方は、ぜひTGSの会場で我々のブースに足を運んでいただけるとうれしいです。
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