2024年7月19日~21日、日本最大級のインディーゲームの祭典“BitSummit Drift/ビットサミットドリフト”が、京都みやこめっせにて開催された。
同イベントにて、台湾の開発会社SIGONOが手掛ける『OPUS: Prism Peak』(オプス:プリズム・ピーク)のディレクター、Scott氏にインタビューをする機会があった。
『OPUS: Prism Peak』は、幻想的な世界に迷い込んだカメラマンの主⼈公が、カメラのフィルターを通して隠された数々の謎を解き明かし、元の世界への帰路を⾒つけ出す、マルチエンディングのアドベンチャーゲームだ。SIGONOの『OPUS』シリーズの4作目にあたる。
7月17日に行われた集英社ゲームズの配信番組“SHUEISHA GAMES ON!”で新トレーラーや新キービジュアルなどが公開された『OPUS: Prism Peak』。謎のベールに包まれている本作の魅力の一端に迫る。
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Scott氏(右)。集英社ゲームズ 開発プロデュース部 プロデューサーの小林正和氏と(左)。
新キービジュアルでは、新キャラクターの犬に注目!
――7月17日のオンライン配信番組“SHUEISHA GAMES ON!”で、新トレーラーや新キービジュアル、新スクリーンショット、キャラクターの設定画などが解禁となりましたが、手応えはいかがですか?
Scott
主人公と少女のキャラクターをかなり好意的に受け止めていただけたようです。また、全体的に鮮やかな色彩で、その点に対する反応もよかったです。
あと、新キービジュアルにはちょっとした趣向が凝らされています。『OPUS: Prism Peak』では、毎回新しいキービジュアルを公開するごとに、新しいキャラクターを追加しようと考えているのですが、今回、新キャラクターとして、犬を追加しています。
――ああ、ここに!
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Scott
新キービジュアルに興味を惹かれて、もっともっと『OPUS: Prism Peak』のことを知っていただきたくなってもらえたらうれしいです。
――新しいキービジュアルが公開される度に、新しいキャラクターが盛り込まれるのですか?
Scott
できるだけ……と思っています。ちなみに、キービジュアルは、メインキャッチを決めてから、そのキャッチの配置だったりを考えています。
――今回で言うと、“でもこんなときに会えて、本当に良かった”ですね?
Scott
さらに言えば、今回は新しいキャラクターだけではなくて、これまでに公開していなかった空間を描いて(それは、電車の車内の様子なのですが)、主人公たちが旅をしているところも表現したかったというのもあります。
――それだけ多くのものがこの新キービジュアルには込められているということですね。ちなみにこの犬はどのような存在なのですか?
Scott
詳細情報はお出ししていないです。今後ゲームの中で、少しずつ犬に関する謎を開示していきたいという思いがあって、今回は存在だけ明らかにしています。
――どんな犬なのか、気になりますね……。
Scott
内緒です!
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――このタイミングで公開されるということは、けっこう重要な存在なのですか?
Scott
どうでしょうね(笑)。いずれにせよ『OPUS: Prism Peak』のメインのシナリオは、主人公と少女の関わり合いがいちばん大事なところになります。たとえば、「なぜふたりが電車に乗って旅をしているのか?」というのがけっこう重要なポイントですね。
――今回、キャラクターの設定画も公開されましたが、キャラクター造型でこだわっているポイントをお教えください。
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Scott
本作は台湾で開発されているものですが、日本を始めとする世界中のゲームファンに愛してもらいたいという思いがあります。たとえば使っているバッグだったり、着ている服だったりも、台湾現地のローカルカルチャーというよりは、もっと一般的、普遍的なキャラクターにしたかったんですね。世界中の人が、「こういう人、たしかに身近にいるな」と親近感を抱いてもらえるような。
――世界中の人に親近感を抱いてもらえるキャラクターを、ということですね。けっこうハードルは高そうですね。どのように対応しているのですか?
Scott
『OPUS: Prism Peak』の開発チームにはさまざまな背景のスタッフがいまして、それぞれ自分たちの文化に対する考えかたもあります。彼らの意見を聞いて、ゲームに反映しています。世界中の誰にとっても、親近感が湧くようなキャラクターになったのではないかと思っています。
――開発スタッフの方は台湾の方なのですか? それともさまざまな国や地域の方が参加しているのですか?
Scott
私たちの会社は非常に多様的で、世界中から集まったスタッフにより構成されています。ただ、私自身アメリカで生活していた経験がありますし、チームの中にはドイツにいたりオーストラリアで長年生活していた者もいます。そういったそれぞれの地域で生活した自身の体験が、本作には活かされていると思います。
――なるほど。ちなみに、『OPUS: Prism Peak』がとくに評判がよかった国とかはありますか?
Scott 『OPUS: Prism Peak』は、日本での反響が、前作よりも大きくて、集英社ゲームズにパブリッシングをお願いしている効果があるのかなと思いつつも、グラフィックがわりとアニメーションチックだったりもするので、そのへんも日本の皆さんが親近感を抱いてくださったのかなと思っています。
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――本作では、カメラのフィルターを通して隠された数々の謎を解き明かすというシステムを採用していますが、このシステムでこだわったポイントは?
Scott
『OPUS』シリーズに関しては、全体を通して、先にストーリーありきで、ストーリーで何を伝えたいかということをまず考えて、「こういうゲームプレイが合うのではないか?」という開発の仕方で作られています。本作では先に主人公はカメラマンという設定がありまして、カメラマンが主人公で何を表現するのか、何を伝えたいのか、ということを考えて、カメラをゲームシステムに取り込むことにしました。
『OPUS: Prism Peak』では、“見る”ことがすごく大事です。“見破る”、“見定める”とか、世界の真実を見て、本当のことがわかるということをすごく大事にしています。カメラを通して、異世界をユーザーに見てほしいという思いがあり、それをゲームプレイに取り入れました。
――ストーリーが先にありきで、それに見合ったゲームシステムを作り上げるというのはおもしろい趣向ですね。いいストーリーに見合うゲームシステムを考えないといけないとなると、けっこうたいへんそうですね。
Scott
たしかにすごく難しいことではあります。当社には、ゲーム開発に関していろいろな考えかたのクリエイターがいまして、“おもしろいゲームを作る”というときの“おもしろさ”を、ゲームプレイで表現したいと考えるクリエイターが多いです。彼らは、おもしろいゲームでユーザーを没入させることをすごく大事にしています。
毎回ゲームを開発するときに、「こういうストーリーだったら、ユーザーとしてはどんなゲームプレイがいちばん没入できるのだろうか?」ということで、何度も試行錯誤して、「こういうゲームプレイのほうが、主人公になりきれるのではないか?」ということを考えています。『OPUS: Prism Peak』もその試行錯誤を経て、システムを作り上げました。
――本作では、ストーリーと没入できるゲームプレイの融合の道筋は見えているのですね?
Scott
“カメラを通して世界を見る”というのが本作のコンセプトですが、では、具体的にカメラを使ってどのようなゲームプレイになるのかは、まだユーザーさんには公開していません。いずれ公開させていただきますので、ぜひ期待していてください。いいゲームデザインになっています!
――方向性は見えているのですね?
Scott
おおまかなゲームデザインの方向性は見えていますが、そこに関してはすごくこだわっていますので、最後まで調整していきたいと思っています。
あと、『OPUS』シリーズには、ユーザーに探索をしてもらうというゲームプレイが盛り込まれています。本作でも、カメラを撮って……というシステムに加えて、探索も入ります。「この世界はどのようなところなのか?」「どのような謎があるのか?」といったことを楽しんでいただきたいです。
――シリーズ共通の要素は大切にしつつ、新しい要素も盛り込んでいるということですね。
Scott
はい。
――ちなみに、本作は、ストーリー上の要請から職業がカメラマンになったのですね?
Scott
そうですね。本作は基本的に主人公の経験を話すというストーリーになっていまして、職業はカメラマンということに対しては、すごく関わっています。ほかの職業だったら成立しない話ですね。
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――ストーリーのことをこれ以上聞くのは断念するとして、本作のテーマを教えてください。
Scott
はい。まず『OPUS』シリーズ共通のテーマとしては、3つあります、“愛”、“魂”、“自己完成”です。この3つのテーマを伝えたいというのは、私たちの変わらない想いです。
本作のテーマもありますが、いまそれを口にするとネタバレになってしまうので……。いずれお話します!
――タイトルになっている“Prism”も気になるところです。台北ゲームショウでのファミ通.comのインタビューでもお答えいただいておりましたが……。
Scott
今回、『OPUS: Prism Peak』に“プリズム”という言葉を入れたのは、それがカメラで必ず必要な部品であるからです。また、プリズムには、ひとつの光が入って反射して、いろいろな光が出せるという特性があります。開発としては、『OPUS: Prism Peak』ではひとつのストーリーを伝えているのですが、ユーザーさんにはいろいろな見えかた、受け取りかたがあるだろう……ということで、いろいろな視点でいろいろなストーリーが味わえるということを考えて、“Prism”を入れています。
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――タイトルと言えば“Peak”も気になりますね。
Scott
“Peak”は山頂ですよね。ふたりは山頂を目指す旅に出ていまして、女の子は記憶をなくしています。ただし、ひとつだけ覚えているのが、“ある大人を助けて、山頂まで連れて行くことが自分の使命である”ということだけです。そういった展開を踏まえての“Peak”でもあります。
――7月17日に新PVが公開されましたが、声優さんが演じていましたね。どの声優さんが?
Scott
まだ発表してないです。ネットではいろいろと考察されていますが……。今回はお名前は出さずにあえて声だけにしています。いすれ発表させていただきますので、お楽しみに。
――本作の発売はいつに?
Scott
まだ決めてないです。がんばります!
――対応プラットフォームはSteamのみ?
Scott
いま発表しているプラットフォームはSteamですが、ほかのプラットフォームも検討中です。
――わかりました。最後に、日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。
Scott
SIGONOとして『OPUS』シリーズを通して皆さんに体験していただきたいのが、“どこか心が打たれるストーリー”です。こういったストーリーが好きな方は、ぜひ『OPUS: Prism Peak』を手にとっていただきたいです。
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