『ゼンレスゾーンゼロ』プロデューサーインタビュー。アクション上達までの過程は『ストリートファイター』、物語や美術は『朧村正』からインスピレーションを受けた【ゼンゼロ】

by堤教授

『ゼンレスゾーンゼロ』プロデューサーインタビュー。アクション上達までの過程は『ストリートファイター』、物語や美術は『朧村正』からインスピレーションを受けた【ゼンゼロ】
 『原神』や『崩壊:スターレイル』を手掛けるHoYoverseの完全新作アクション・RPG『ゼンレスゾーンゼロ』のリリース(2024年7月4日)まであと僅か。

 リリースに先駆けて、2024年6月17日~18日にシンガポールにてメディア向けの体験会が開催。最新版をプレイして判明した要素や疑問点などを、プロデューサーの李振宇(リ・ジェンユー)氏に直撃した。
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李振宇リ・ジェンユー

『ゼンレスゾーンゼロ』プロデューサー

――初めてプロデューサーを務められるとのことですが、リリースを控えたいまの心境はいかがですか?

開発の途中でさまざまなことがあったので、感慨深く思っています。開発初期は、おもしろいゲームが作れるかどうか、プレイヤーにとってこのゲームはおもしろい作品になっているか、という考えが頭から離れず、プレッシャーを感じていました。

 いまは料理人が料理を提供する直前のような、別のプレッシャーを感じています。みなさんを十分に満足させられるものであるかという心配も。ここは開発者にとっては永遠に追求していかなくてはならない部分でもあります。

 なので、謹んで緊張感をもってリリースを迎えさせていただきます。

――2020年に開発がスタートされたとのことですが、どういった経緯で企画が立ち上がったのですか?

会社として明確な計画が存在していないときに、かなりの自由を与えられました。そのときに、私が作りたいジャンルであったアクションゲームの企画を立ち上げました。魅力のあるアクションゲームを作ることは、私の夢でもありましたからね。

 すでにHoYoverseには、アクション性の高い『崩壊3rd』があったので、大きな挑戦でもありました。
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――今回の試遊では、かなり多くのエリアへ足を伸ばせるようになっていました。リリース後もエリア拡張には期待できますか?

物語を進めていくにつれて行けるエリアは増えていき、任務やクエストなどで訪れることになります。もちろん、ゲームをより楽しいものにするため、アップデートとともにエリアは増やしていく予定です。
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――ちなみに、キャラクター個人の部屋のような要素の追加は考えていますか?

開発チームとして実現したいアイデアのひとつとしては存在します。キャラクター個人ではないですが、各陣営のキャラクターが集まるようなエリアはすでに存在します。βテストでも行くことのできた、白祇重工の工事現場などがそれですね。
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――ゲームセンターで遊べるミニゲームに、新要素が追加されていたことに驚きました。

本作はつねに進歩することを心がけています。ミニゲームが更新されたのもその一環です。ほかにも、美術的なものやそのほかの細かい要素もなるべく、クオリティアップを図っていきます。

――βテストを実施するたびにニコのデザインが変わっていました。どういった理由があったのですか?

ニコは私もとくに好きなキャラクターで、テストを重ねてデザインも進化をしてきました。いろいろな好みもあると思いますが、正式サービスでは最終的にどのような姿がふさわしいかを吟味してお届けします。
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――以前メディア向けに配布されたノベルティの中に、Nintendo Switch用のアクセサリーがありました。次世代機を含むほかのプラットフォームでの提供は考えていますか?

いま最優先にすべきは、現在提供予定のプラットフォームに対するクオリティアップだと考えています。ただ、開発が進むにつれて可能性は出てくると思いますし、私自身が任天堂のファンなので実現できるとうれしいです。もちろん、優れた体験にできるならという前提はありますが。
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――幅広い層に楽しんでもらうアクションゲームを作るうえで、強く意識したことはどこですか?

プレイヤーごとに異なる需要がありますが、アクションゲームはとくにハードルが高いと思われがちです。その理由は、習熟するために時間がかかるからだと感じています。そのため本作は、なるべくゲームの早い段階から楽しいと思ってもらえるようなゲームデザインを心がけました。
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――具体的にどのような取り組みをされたのですか?

アクションゲームでは攻撃と回避が必要になりますが、防衛手段である回避は攻撃よりも操作が難しいです。そのため、まずは比較的簡単な攻撃から操作を覚えるような作りにしました。その後、パリィのような爽快感もある防衛手段などにも徐々に慣れていき、楽しさがずっと続いていくように。

 最初は「簡単すぎるからおもしろくない」と感じられる方もいるかもしれません。ただそれは、本作が
“遊びかたをしっかりと把握できるようになるまで複雑なものを提供してはならない”という理念のもとに作られているからです。アクションゲームの経験が豊富でない方にも、しっかりと上達する過程を味わっていただけると思います。
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――これまでのインタビューや今回のプレゼンテーションでも、李さんのアクションゲームに対する思い入れを強く感じました。アクションゲームが好きになったきっかけのタイトルは何ですか?

たくさんあって、ひとつに絞るのは難しいですね。『ダークソウル』のような、いわゆるソウル系の作品や『デビル メイ クライ』、『モンスターハンター』シリーズのほか、『ストリートファイター』シリーズのような格闘ゲームも大好きです。格闘ゲームが好きだからこそ、腕前が上達するまでの過程のことを熟知できているという自負もあります。

 また、ヴァニラウェアの『オーディンスフィア』や『朧村正』なども好きなタイトルです。ほかにも『ゼンレスゾーンゼロ』を作っていく過程では、アクションゲーム以外からインスピレーションを受けることも多くありました。

――なるほど。たくさんのゲームを遊んだ経験が制作に活かされているわけですね。

とくにインスピレーションを受けたのは、2000時間以上プレイしている『ストリートファイター』シリーズですね。

――2000時間以上ですか!?

はい(笑)。フレーム単位で計算された打撃感が、遊んでいてとても気持ちいいんです。たっぷりと遊びこむことで、アクションゲームと練習時間の長さについての理解が深まりました。ハードコアなアクションほど、習熟に時間が長くなると思っています。

――ちなみに『ストリートファイター』シリーズでは、どのキャラクターを使っていたのですか?

キャラクターはひと通り動かせますが、あえてメインキャラクターを挙げるとしたら『ストリートファイターV』は豪鬼、『ストリートファイター6』はマリーザです。2000時間以上遊んだのは『ストリートファイターV』で、その経験もあって『ストリートファイター6』では、比較的早い段階でマスターランクまで到達できました。

――ヴァニラウェアの作品にはどういったところに魅力を感じてらっしゃいますか?

アクションはもちろんですが、美術や物語の構成の緻密さですね。しっかりとした物語を描きつつも、細かい部分までこだわりが感じられる作りになっていて、本作で細かな部分にまで力を入れるきっかけのひとつにもなっていると思います。
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