『ペルソナライブ 2024』感想。距離を無視して届く“宮野真守キャラっぽさ”。そして女の子が「美鶴せんぱ~い!」と叫ぶ気持ちもわかる

byミス・ユースケ

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『ペルソナライブ 2024』感想。距離を無視して届く“宮野真守キャラっぽさ”。そして女の子が「美鶴せんぱ~い!」と叫ぶ気持ちもわかる
 『ペルソナ』はかっこいい。ビジュアルがかっこいい。音楽もかっこいい。だからライブをやったら超かっこよくなる。

 そんなに簡単な話ではないはずなのだが、シンプルな足し算が成立してしまうから『ペルソナ』はふしぎとしか言えない。
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 アトラスの『ペルソナ』シリーズと言えばスタイリッシュな表現で知られる人気RPGだ。このイメージの原点は『ペルソナ3』にある。

 初期3タイトルの『女神異聞録ペルソナ』、『ペルソナ2 罪』、『ペルソナ2 罰』は、源流である『女神転生』シリーズの雰囲気を色濃く残していた。そんな中、『ペルソナ3』は急激な方向転換を果たす。

 ビビッドでおしゃれなビジュアル、BGMの多くがボーカル曲。かっこよさのベクトルがぎゅんと変わったことに驚き、数年後には『ペルソナ5』でくらくらしてしまった。両方のかっこよさを全身で浴びたい。そんな夢のような場はないだろうか。
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 あった。2024年6月7日~6月8日に”PERSONA LIVE TOUR2024 -more ahead-”が横浜で開催。『ペルソナ3 リロード』と『ペルソナ5』シリーズの楽曲がつぎからつぎへとくり出されるライブである。

 ゲームBGMのライブは昔からあったが、最近はとくに増えているように思う。舞台的な見せ方に興味があるのでたまに見学させてもらっていて、ハッと思ったことを書く。

 この記事は一応6月8日昼公演のライブレポートなのだけど、音楽には詳しくないので、おもに感想をお届けします。よろしくお願いします。
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いちばん仮面っぽい眼鏡をかけていきました。

距離を無視して飛び込んでくる”声:宮野真守のキャラ”感

 観た瞬間、聴いた瞬間に引き込まれた。いや厳密にはそれよりも前、1曲目が始まる直前に、僕ら(来場者もきっと同じ気持ちだろう)は心をつかまれた。

 会場となった神奈川県・横浜のKT Zepp Yokohamaのステージ上にはふしぎなセットが組み上げられている。『ペルソナ』シリーズと言えばおしゃれなUI。それが眼前に広がっているみたいだ。

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 カウントダウンの後、『ペルソナ5』シンガーのLynさんが登場。ロックナンバー“Revolution in your Heart”で一気に観客のテンションを引き上げた。スタートからアクセルべた踏みである。
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 彼女の前には透過スクリーンがあり、映像が流れていないときは檻に囚われているようにも見える。『ペルソナ』は“抑圧からの解放”もテーマのひとつであると思っていて、自分を閉じ込める檻を魂の叫びでこじ開けるような、そんなメッセージを感じる。

 シリーズ特有のスタイリッシュさは現実にも適用されるのか。それを知った瞬間、僕の心は怪盗団に盗まれてしまったのかもしれない。
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 もう取材は諦めよう。音楽とビジュアルに身をゆだねよう。そう思っていた矢先に変化が現れた。ステージに登場した『ペルソナ5』主人公と坂本竜司、高巻杏の3人に視線を奪われる(アン殿が好きなので)。

 彼らはPERSONA DANCERS。それぞれを駿太さん、川井雅弘さん、藤井愛美さんが演じており、言ってしまえばコスプレ衣装を着たダンサーなのだけど、ただ格好を寄せているだけではない。些細な仕草からして“それっぽい”のである。
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 主人公はクールに、竜司はやんちゃに、アン殿はしなやかに舞う。僕らの脳内にあるイメージはいつの間に3Dプリンターで出力されたのだろう。そして5曲目の“Take Over”、6曲目のLast Surprise”。バトル関連の2曲のあたりで新島真(演:平野沙羅さん)も登場するのだが、彼女の“真っぽさ”がすごいのだ。

 たとえば腕を大きく振る振り付けの場合。肘から入って腕をムチのようにしならせるアン殿に対して、真はピシッと伸ばす。おそらくあえて直線的な動きにしているのだろう。ずっと力が入っているようにも見え、思わず「あ、真だ」とつぶやいてしまった。たったひとつの動きで生真面目さを表現する役者の技術に震える。
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 動きと言えば竜司もすごくよかった。どの場面でもたいていうざい。僕の席は関係者用に用意された2階席だったので細部までは見えないのに、なぜか表情がうるさいことがわかるのだ。すげえ竜司っぽい。

 距離という概念を無視して飛び込んでくる”声:宮野真守のキャラ”感。これを表現するために高い演技力を身に着けてくれてありがとうと感謝の言葉を贈りたい。
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 そんな彼への印象は、ライブの終盤戦でがらりと変わった。17曲目はペルソナの覚醒を印象付ける“I believe”だ。PERSONA DANCERSは怪盗服に着替え、バトルのような演出が増えていく。

 スッと背筋を伸ばす主人公(ジョーカー)とは異なり、竜司(スカル)は腰を落とし気味に構える。そこからバネのように跳ねるので、アクションが大きくて舞台に映える。お調子者だけどやるときはやる彼を体現しているようで、後半は自然とスカルを目で追ってしまった。

 満足しているのだけど、いまとなってはアン殿(パンサー)の姿を目に焼き付けておけばよかったと後悔している。
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 ちょっと残念なのは真の怪盗服バージョンがなかったこと。覇者先輩のクールな姿を観たかったぜ。
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圧倒的な美鶴先輩っぽさ

 ところで、僕は『ペルソナ3』系のタイトルは未プレイ。BGMはほとんど聴いたことがないので、どんな原稿を書けるか不安はあった。だが、開演から数分足らずで気にするのをやめた。いい曲にはマイナス感情を洗い流す力がある。

 『ペルソナ5』の曲を全身で浴びて興奮した僕らにクールダウンを促すように、爽やかな音が耳に届いた。『ペルソナ3 リロード』の主題歌”Full Moon Full Life”だ。高橋あず美さんの透き通った歌声とLotus Juiceさんの力強いラップが交互に沁み込んでくる。

 ポップで、おしゃれで、ときにクールで、ときに力強く。『ペルソナ3 リロード』はこういう感じなのか。1曲の中にふたつの顔。『ペルソナ5』とは別の方法で二面性を描いているのだな。買う。
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 ‟When the Moon’s Reaching Out Stars -Reload”は全体の4曲目。放課後のシーンなどで流れるこの曲は(調べながら書いています)とても軽快だ。街中のベンチでボーっと雑踏を見つめながら聴きたい。身体も揺れる。

 ここで主人公(演:松本ひなたさん)と伊織順平(演:YU JURRYさん)、岳羽ゆかり(演:宮崎あゆみさん)が登場。じゃれ合うようなダンスがとてもかわいい。きっと彼らの日常はきらきらと輝いているのだろう。だからこそ戦いの厳しさが際立つ。
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 つかの間の静寂の後、「Baby,baby,baby,baby,baby,……」というフレーズにフロアが沸いた。腹の底に響くような‟Mass Destruction -Reload-”のイントロ。僕はここで植竹奈津美さん演じる桐条美鶴に釘付けになった。

 ピンと伸びた背筋、品のある所作、バレエのようなダンス。『ペルソナ3』未プレイではあるが、何となくメインキャラは知っている。この人が美鶴先輩か。かっこいい。長い手足を大きく振り、ピタッと止まる。この動きが優雅で見とれてしまう。
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 僕にはダンスをいろいろ見ていた時期があって、その頃の知識を引っ張り出すと、女性は‟ピタッと止まる動き”が苦手な印象がある。これは技術の話ではなくシンプルに筋力の違いだと思う。きれいに止まるには瞬間的にグッと力を入れる必要があり、筋力の少ない人は勢いを殺しきれずに身体が流れてしまうのだ(これはこれでしなやかな動きにつながるのだけど)。

 フェンシング部所属の美鶴先輩は瞬発的な動作が得意なはず。また、桐条グループのご令嬢ということで、幼少時からスポーツや武道のような習い事に親しんできたのだろう。だから体幹がしっかりしていて、作法も身に付いているのではないか。
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 そんな彼女はダンスで表現されても美しい。感極まった女性ファンが「美鶴せんぱ~い!」と叫ぶ気持ちもわかる。僕も『ペルソナ3』を遊んでいたら叫んでいたと思う。
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 むしろ叫べなかったことが悔しい。

最後までハッピーなサウンドに包まれる

 音楽に詳しくない僕の中に『ペルソナ』の楽曲はすっと溶けていった。

 そもそも音楽は事前知識がなくても楽しめるものだ。DJ VaVaさんのプレイで踊りたくなり(2階席は立てなかったので我慢しました)、バーを背景にLynさんが歌い上げる‟No More What Ifs”に耳を傾け、PERSONA DANCERSのダンスに圧倒される。純喫茶ルブランの映像とともに“Beneath the Mask -Tactica”を聴いたときは、怪盗団の一員として戦った記憶が甦るようで、なぜだか涙がにじんだ。
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 先述したように『ペルソナ3 リロード』未プレイなので、感想は『ペルソナ5』中心になってしまった。それでも“キミの記憶 -Reload-”が特別な曲であることくらいわかる。

 スクリーンに映し出される桜舞う光景。これからの一歩を踏み出す若者の背中を押すような歌声が、会場中に響き渡った。
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 アンコール1曲目は『ペルソナ5 タクティカ』の“遥か 君へ”。ここで『ペルソナ3 リロード』DLC第3弾『エピソードアイギス』が発表され、このために作られた“Mass Destruction -P3fes Reload-”のお披露目となる。
 まだまだライブは終わらない。‟Colors Flying High”、“Life Will Change”と『ペルソナ5』を象徴するような名曲が続く。とくに“Life Will Change”が流れたときの空気はすごく、その流れを受けてラストを飾るのは『ペルソナ3 リロード』の‟Deep Breath Deep Breath -Reincarnation Reload-”。ハッピーなサウンドはいつまでも僕らを包み込むのだった。
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バレエに似ているのかも

 ゲーム音楽のライブが楽しいらしいと聞いた。なるほど。たしかに楽しい。興奮した。

 観覧後の印象は「バレエに似ているのかも」だった。このライブはゲームの世界を音楽で表現するコンテンツとも言えると思う。セリフも説明もなく、身体の動きと演出で見せる。だから、バレエ。
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 音楽ライブは視覚的な演出と会場の空気も合わせて楽しむものだ。この『ペルソナ』ライブと一般的なライブの違いにおいて、いちばん大きいのはPERSONA DANCERSの存在だろう。

 僕は彼らから“そのキャラらしさ”を強く感じ取った。音楽がゲーム体験と結び付き、記憶の中の人物像を彼らに投影したのだと思う。見ているのが‟ダンス”というのもいい。所作のひとつひとつがそのキャラの特徴をトレースしているようで、ダンスでもあり演技でもある。セリフのある舞台演劇だとイメージが固定化されるが、ダンスだから“何となくそれっぽく見える”のではないか。

 それっぽさ。言葉で表すとすごくシンプルだけど大切な言葉だ。作り手と観客の“それっぽさ”という感覚が一致していると、そこは極上の空間に変わる。
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 “PERSONA LIVE TOUR2024 -more ahead-”6月8日夜公演の配信チケットは2024年6月17日21時まで販売中(視聴期限は2024年6月17日23時59分)。この記事の公開から数時間後だ。

 ぎりぎりになってしまったけど、一度観てもらいたいと思い、急いでこの記事を書きました。

セットリスト

01.Revolution in your Heart
02.Got Your Tail
03.Full Moon Full Life
04.When The Moon's Reaching Out Stars -Reload-
05.Take Over
06.Last Surprise
07.P5 Series instrumental medley ver.2
Keeper of Lust
Feudal Lord
08.Mass Destruction -Reload-
09.It’s Going Down Now
10.DJ solo ver.2 Remixed by VaVa
Phantom
Tokyo Emergency
緊迫
時価ネットたなか -Reload-
キミの記憶 -Reload Instrumental-
11.PLT2024 Special Dance Act
Will Power
Master of Shadow -Reload-
Tokyo Daylight
深層心理 -Reload-
12.No More What Ifs
13.巌戸台分寮 -Reload-
14.Beneath the Mask -Tactica-
15.Color Your Night
16.Rivers In the Desert
17.I believe
18.The Meaning of Armbands
19.全ての人の魂の戦い(P3R ver.)
20.Burn My Dread -Last Battle Reload-
21.キミの記憶 -Reload-

-Encore-
22.遥か 君へ
23.Mass Destruction -P3fes Reload-
24.Colors Flying High
25.Life Will Change
26.Deep Breath Deep Breath -Reincarnation Reload-
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