

初期3タイトルの『女神異聞録ペルソナ』、『ペルソナ2 罪』、『ペルソナ2 罰』は、源流である『女神転生』シリーズの雰囲気を色濃く残していた。そんな中、『ペルソナ3』は急激な方向転換を果たす。
ビビッドでおしゃれなビジュアル、BGMの多くがボーカル曲。かっこよさのベクトルがぎゅんと変わったことに驚き、数年後には『ペルソナ5』でくらくらしてしまった。両方のかっこよさを全身で浴びたい。そんな夢のような場はないだろうか。




ゲームBGMのライブは昔からあったが、最近はとくに増えているように思う。舞台的な見せ方に興味があるのでたまに見学させてもらっていて、ハッと思ったことを書く。
この記事は一応6月8日昼公演のライブレポートなのだけど、音楽には詳しくないので、おもに感想をお届けします。よろしくお願いします。

距離を無視して飛び込んでくる”声:宮野真守のキャラ”感
会場となった神奈川県・横浜のKT Zepp Yokohamaのステージ上にはふしぎなセットが組み上げられている。『ペルソナ』シリーズと言えばおしゃれなUI。それが眼前に広がっているみたいだ。
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カウントダウンの後、『ペルソナ5』シンガーのLynさんが登場。ロックナンバー“Revolution in your Heart”で一気に観客のテンションを引き上げた。スタートからアクセルべた踏みである。

シリーズ特有のスタイリッシュさは現実にも適用されるのか。それを知った瞬間、僕の心は怪盗団に盗まれてしまったのかもしれない。


彼らはPERSONA DANCERS。それぞれを駿太さん、川井雅弘さん、藤井愛美さんが演じており、言ってしまえばコスプレ衣装を着たダンサーなのだけど、ただ格好を寄せているだけではない。些細な仕草からして“それっぽい”のである。


たとえば腕を大きく振る振り付けの場合。肘から入って腕をムチのようにしならせるアン殿に対して、真はピシッと伸ばす。おそらくあえて直線的な動きにしているのだろう。ずっと力が入っているようにも見え、思わず「あ、真だ」とつぶやいてしまった。たったひとつの動きで生真面目さを表現する役者の技術に震える。




距離という概念を無視して飛び込んでくる”声:宮野真守のキャラ”感。これを表現するために高い演技力を身に着けてくれてありがとうと感謝の言葉を贈りたい。




スッと背筋を伸ばす主人公(ジョーカー)とは異なり、竜司(スカル)は腰を落とし気味に構える。そこからバネのように跳ねるので、アクションが大きくて舞台に映える。お調子者だけどやるときはやる彼を体現しているようで、後半は自然とスカルを目で追ってしまった。
満足しているのだけど、いまとなってはアン殿(パンサー)の姿を目に焼き付けておけばよかったと後悔している。







圧倒的な美鶴先輩っぽさ
『ペルソナ5』の曲を全身で浴びて興奮した僕らにクールダウンを促すように、爽やかな音が耳に届いた。『ペルソナ3 リロード』の主題歌”Full Moon Full Life”だ。高橋あず美さんの透き通った歌声とLotus Juiceさんの力強いラップが交互に沁み込んでくる。
ポップで、おしゃれで、ときにクールで、ときに力強く。『ペルソナ3 リロード』はこういう感じなのか。1曲の中にふたつの顔。『ペルソナ5』とは別の方法で二面性を描いているのだな。買う。


ここで主人公(演:松本ひなたさん)と伊織順平(演:YU JURRYさん)、岳羽ゆかり(演:宮崎あゆみさん)が登場。じゃれ合うようなダンスがとてもかわいい。きっと彼らの日常はきらきらと輝いているのだろう。だからこそ戦いの厳しさが際立つ。



ピンと伸びた背筋、品のある所作、バレエのようなダンス。『ペルソナ3』未プレイではあるが、何となくメインキャラは知っている。この人が美鶴先輩か。かっこいい。長い手足を大きく振り、ピタッと止まる。この動きが優雅で見とれてしまう。




フェンシング部所属の美鶴先輩は瞬発的な動作が得意なはず。また、桐条グループのご令嬢ということで、幼少時からスポーツや武道のような習い事に親しんできたのだろう。だから体幹がしっかりしていて、作法も身に付いているのではないか。



最後までハッピーなサウンドに包まれる
そもそも音楽は事前知識がなくても楽しめるものだ。DJ VaVaさんのプレイで踊りたくなり(2階席は立てなかったので我慢しました)、バーを背景にLynさんが歌い上げる‟No More What Ifs”に耳を傾け、PERSONA DANCERSのダンスに圧倒される。純喫茶ルブランの映像とともに“Beneath the Mask -Tactica”を聴いたときは、怪盗団の一員として戦った記憶が甦るようで、なぜだか涙がにじんだ。




スクリーンに映し出される桜舞う光景。これからの一歩を踏み出す若者の背中を押すような歌声が、会場中に響き渡った。









バレエに似ているのかも
観覧後の印象は「バレエに似ているのかも」だった。このライブはゲームの世界を音楽で表現するコンテンツとも言えると思う。セリフも説明もなく、身体の動きと演出で見せる。だから、バレエ。

僕は彼らから“そのキャラらしさ”を強く感じ取った。音楽がゲーム体験と結び付き、記憶の中の人物像を彼らに投影したのだと思う。見ているのが‟ダンス”というのもいい。所作のひとつひとつがそのキャラの特徴をトレースしているようで、ダンスでもあり演技でもある。セリフのある舞台演劇だとイメージが固定化されるが、ダンスだから“何となくそれっぽく見える”のではないか。
それっぽさ。言葉で表すとすごくシンプルだけど大切な言葉だ。作り手と観客の“それっぽさ”という感覚が一致していると、そこは極上の空間に変わる。


ぎりぎりになってしまったけど、一度観てもらいたいと思い、急いでこの記事を書きました。
セットリスト
02.Got Your Tail
03.Full Moon Full Life
04.When The Moon's Reaching Out Stars -Reload-
05.Take Over
06.Last Surprise
07.P5 Series instrumental medley ver.2
Keeper of Lust
Feudal Lord
08.Mass Destruction -Reload-
09.It’s Going Down Now
10.DJ solo ver.2 Remixed by VaVa
Phantom
Tokyo Emergency
緊迫
時価ネットたなか -Reload-
キミの記憶 -Reload Instrumental-
11.PLT2024 Special Dance Act
Will Power
Master of Shadow -Reload-
Tokyo Daylight
深層心理 -Reload-
12.No More What Ifs
13.巌戸台分寮 -Reload-
14.Beneath the Mask -Tactica-
15.Color Your Night
16.Rivers In the Desert
17.I believe
18.The Meaning of Armbands
19.全ての人の魂の戦い(P3R ver.)
20.Burn My Dread -Last Battle Reload-
21.キミの記憶 -Reload-
-Encore-
22.遥か 君へ
23.Mass Destruction -P3fes Reload-
24.Colors Flying High
25.Life Will Change
26.Deep Breath Deep Breath -Reincarnation Reload-











