『FFタクティクス』が発売された日。身分の違いや貴族の覇権争いを描く濃厚なストーリーに魅了される【今日は何の日?】

byカワチ

『FFタクティクス』が発売された日。身分の違いや貴族の覇権争いを描く濃厚なストーリーに魅了される【今日は何の日?】
※本記事は、2023年6月20日にアップした記事を再編集したものです。

松野泰己氏による大人向けのストーリーが魅力

 いまから27年前の1997年(平成9年)6月20日は、プレイステーション(PS)用ソフト『ファイナルファンタジータクティクス』がスクウェア(当時)から発売された日。
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 『ファイナルファンタジータクティクス』は『伝説のオウガバトル』や『タクティクスオウガ』で名を馳せた松野泰己氏が制作した『ファイナルファンタジー』のシミュレーションRPG。大国イヴァリースで起きた“獅子戦争”を終結に導いたとされる英雄ディリータと、歴史上で名が語られることのなかった若者ラムザというふたりの生き様を通して、歴史の“真実”が解き明かされていきます。

 ストーリーは勧善懲悪的な王道ファンタジーとは異なり、階級主義社会や貴族の覇権争いなど社会派でダークな内容になっています。
『タクティクスオウガ』が好きで本作をプレイした人はともかく、『ファイナルファンタジー』シリーズの新作だと思ってプレイした人は驚いたのではないでしょうか。
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 物語は全4章で、chapter1は本編の過去を描くストーリー。テロリスト集団である骸旅団を壊滅するための戦いが描かれます。骸旅団は身分の違いによって戦争後にろくに恩賞が支払われず、そのままテロリストになった元騎士団の者たち。この者たちの出会いでラムザは平民と貴族の違いに悩み始めることに。

 そんななか、親友のディリータの妹が誘拐されてしまいますが、ラムザの兄たちは平民だからという理由で彼女のことを見捨てます。ディリータは妹の亡骸を抱えたまま行方不明に。ラムザは騎士団から逃げ出します。

 このchapter1のタイトルは“持たざる者”。本作のテーマである“力を持つもの”と“力を持たざるもの”の対比がしっかりと描かれます。

 chapter2“利用するもの、されるもの”は時間軸が現在となり、chapter1から1年後のストーリー。貴族どうしの争いが描かれ、サブタイトルの通り裏切りのシーンも多いです。仲間の騎士アグリアスがラムザに「今さら疑うものか! 私はお前を信じる!!」という言葉を投げかける場面は本作屈指の名シーン。ここでアグリアスが好きになった人は多いのではないでしょうか。
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 chapter2の後半には裏で暗躍する人外の者たちが登場。続くchapter3“偽らざる者”は物語のスケールも大きくなっていきます。

 ラストのchapter4のタイトルは“愛にすべてを”。ここまで裏切りや陰謀の暗いストーリーを描いておきながら、最後にこんなにもまっすぐに希望のあるタイトルが表示されたときはやられました。松野泰己氏が好きなクイーンの曲
『Somebody to Love』から名付けられているそうですが、リアルタイムでゲームをプレイしていたときは鳥肌が立ちましたね。大好き。

 本作にはラムザやディリータのほかにも、革命を目指すウィーグラフや現実主義者のガフガリオン、平民を家畜扱いするアルガスなど強烈なキャラクターが揃っています。まだプレイしたことがないのであれば、いまからでも遊んでストーリーを追ってみてほしいですね。

 ゲーム部分は『ファイナルファンタジーV』のようにジョブとアビリティを組み合わせてキャラクターを成長させる方式。20種類以上のジョブと、400種類以上のアビリティがありましたが、なかには詠唱なし・MP消費なしで魔法が使える算術士のような強力なものも。強すぎる組み合わせを探すのも、それはそれで楽しかったです。そういえば、後半に仲間になる雷神シドも強かったなぁ……。
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 特徴的だったのは強力なアビリティを使用するときにはチャージ時間が必要だったこと。ここはシミュレーションゲームならではでしたね。ちなみに、アビリティを使うと一定の確率で発動前にセリフを言うのですが、「岩砕き、骸崩す、地に潜む者たち 集いて赤き炎となれ! ファイア!」や「清らかなる生命の風よ 失いし力とならん! ケアル!」など、どれもかっこよかったので覚えた人も多いのでは? なかには「クポーー! くるくるぴゅ~… モーグリ!」のようなかわいい詠唱もありましたね。

 現在は追加要素を加えてPSPで発売された『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』が、iOSとAndroidでも配信されています。ぜひこの機会に遊んでみてくださいね!
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