[海外ゲームニュース]データを読む:アメリカのゲーマーの平均年齢は37歳!?

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ESA(エンターテインメント・ソフトウェア・アソシエーション)が、毎年行なっているゲームプレイヤーの実態調査の2011年版を公開しているので、その内容をご紹介しよう。

●わかりやすく興味深いデータを読もう

 ESA(エンターテインメント・ソフトウェア・アソシエーション)が、毎年行なっているゲームプレイヤーの実態調査の2011年版を公開しているので、その内容をご紹介しよう。非常に興味深い内容でありながらも、平易な英語文で書かれていて非常に読みやすいので、気になったら原文を見るのを強くオススメしたい。

 まずは“WHO IS PLAYING(誰がプレイしているのか)”。まずはあなたが考える“アメリカの平均的なゲーマー像”をイメージしてほしい。どんな年齢だろうか? 男性だろうか女性だろうか? それでは調査結果を見ていこう。アメリカの72%の家庭でゲームがプレイされている(ここではPCまたはビデオゲームを意味する。以降注記がない限り同様)というのは、まぁありがち。必ずしも最新のゲームハードとも限らないわけだし。驚くべきは、ゲーマーの平均年齢が何と37歳ということ。18歳未満は18%しかおらず、53%が18歳以上49歳、50代以上も29%を占める。

 性別では、男性が58%、女性が42%。特筆すべき点として、18歳以上の女性はゲーマー全体の37%を占め、これは17歳以下の男性(13%)よりも多い。つまり、アメリカのゲーマーを単純に平均化すると、ハードコアな熱心さやゲームプレイ時間などを考慮しない限り、10代男性はアメリカの平均的なゲーマー像としてあまり適切ではないことになる。

 どうもゲームに理解のある家庭が多そうだ。お次は保護者とゲームの関係を見てみよう。9割の保護者は子どもがプレイするゲームの内容を気にかけているものの、半数以上の保護者はゲームを通じて家族や友達と過ごす時間が増えるといった、何らかのポジティブな見方をしている。

 レーティングについては、86%がその存在を知っており、その98%が適切だと考えている。また、ゲーム機のパレンタルコントロール(年齢制限をかけるシステム)が有効だと考えている保護者は全体の75%。ゲームで遊ぶ時間を決めている保護者の割合(80%)は、インターネットや(74%)、テレビ(70%)、65%(映画)といったほかのエンターテインメントよりも多い。ゲームを必ずしも悪とはせずにコントロールするスタイルが想像できる。45%の保護者が少なくとも週に1度は子供とゲームをプレイするとしており、これは2007年度調査の36%より大きく伸びている。

 では、何をどうプレイしているのか、気になるデータを見ていこう。2010年のジャンル別のビデオゲーム販売本数割合は以下の通り。

アクション 21.7%
アドベンチャー 7.5%
アーケード 0.2%
子供向けエンターテインメント 0.7%
ファミリー向けエンターテインメント 9.1%
ファイティング 3%
フライト 0.4%
レーシング 5.8%
ロールプレイング 7.7%
シューター 15.9%
スポーツゲーム 16.3%
ストラテジー 3.8%
カジュアル 5.2%
そのほか 2.7%

 というわけで、1位アクション、2位スポーツ、3位シューターという、ちょっと意外な結果に。“アメリカ=シューター天国”というイメージがあるが、1位は普通にアクションだった。レーティング別では、E(6歳以上対象)は44%、E10+(10歳以上対象)は12.3%、TEEN(13歳以上)は19.5%、M(17歳以上対象)は24%となっている。

 一方PCゲームでは、以下のような割合になっている。やはりストラテジーが強い。マウスでのプレイに適しているPC向きのジャンルでタイトル数がある上、昨年は『スタークラフトII』や『シヴィライゼーションV』といったビッグタイトルもあり、本数を伸ばしたのだろう。『World of Warcraft』があるロールプレイングも強い。

スポーツゲーム 0.9%
フライト 1.5%
子供向けエンターテインメント 0.9%
そのほか 1.4%
アーケード 0.1%
ロールプレイング 20.3%
レーシング 0.6%
ファミリー向けエンターテインメント 0.1%
カジュアル 19.5%
アドベンチャー 8.7%
アクション 2.7%
ストラテジー 33.6%
シューター 9.7%

 とはいえ、よくプレイするオンラインゲームの内訳ではパズルやボードゲームの類が47%を占めてトップであり、ゲーマーの55%は携帯電話や携帯ゲーム機でゲームを遊ぶことがあるという。必ずしも自宅でPCや据え置きゲーム機でハードコアゲームをプレイし続けるというわけでもないのだ。

 2010年のビデオゲームとPCゲームのトップ20は以下の通り。マルチプラットフォームでリリースされているものについては合算となっている。

ビデオゲーム売上本数トップ20
1 CALL OF DUTY: BLACK OPS 360, PS3, Wii, NDS Mature
2 MADDEN NFL 11 360, PS3, Wii, PS2, PSP Everyone
3 HALO: REACH 360 Mature
4 NEW SUPER MARIO BROS. WII Wii Everyone
5 RED DEAD REDEMPTION 360, PS3 Mature
6 WII FIT PLUS Wii Everyone
7 JUST DANCE 2 Wii Everyone 10+
8 CALL OF DUTY: MODERN WARFARE 2 360, PS3 Mature
9 ASSASSIN'S CREED: BROTHERHOOD 360, PS3 Mature
10 NBA 2K11 360, PS3, Wii, PS2, PSP Everyone
11 BATTLEFIELD: BAD COMPANY 2 360, PS3 Mature
12 SUPER MARIO GALAXY 2 Wii Everyone
13 POKEMON SOULSILVER VERSION NDS Everyone
14 MARIO KART W/WHEEL Wii Everyone
15 JUST DANCE Wii Everyone 10+
16 NEW SUPER MARIO BROS DS NDS Everyone
17 DONKEY KONG COUNTRY RETURNS Wii Everyone
18 WII SPORTS RESORT Wii Everyone
19 FALLOUT: NEW VEGAS 360, PS3 Mature
20 FINAL FANTASY XIII 360, PS3 Teen
※データはNPDグループによる。タイトル、ハードウェア、レーティング表記はすべて元データのもの。

 Matureレーティングのタイトルが先ほど24%とのデータを示したが、トップ10では半数の5本がMatureタイトル。これを多いと考えるか少ないとするかは人によって変わるかも。Activisionの『コール オブ デューティ』シリーズや、Ubisoftの『Just Dance』シリーズなど、最新作と旧作がランクインしているのもおもしろい。

PCゲーム売上本数トップ20
1 Starcraft II: Wings of Liberty Teen
2 World Of Warcraft: Cataclysm Expansion Pack Teen
3 The Sims 3 Teen
4 World Of Warcraft: Wrath of the Lich King Expansion Pack Teen
5 Civilization V Everyone 10+
6 World Of Warcraft: Cataclysm Expansion Pack Collector's Ed Teen
7 The Sims 3: Ambitions Expansion Pack Teen
8 World Of Warcraft: Battle Chest Teen
9 Call Of Duty: Black Ops Mature
10 The Sims 3: High-End Loft Stuff Teen
11 Battlefield: Bad Company 2 Mature
12 The Sims 3: Late Night Expansion Pack Teen
13 World Of Warcraft Teen
14 The Sims 2 Double Deluxe Teen
15 The Sims 3: World Adventures Expansion Pack Teen
16 Starcraft II: Wings of Liberty Collector's Ed Teen
17 Mass Effect 2 Mature
18 World Of Warcraft: Burning Crusade Expansion Pack Teen
19 Fallout New Vegas Mature
20 Starcraft: Battle Chest Mature

 こちらは、Blizzardのタイトルがトップ20中、実に9本がランクイン。エレクトロニック・アーツの『ザ・シムズ』シリーズも6本がランクインしている。また、ほとんどにTeenレーティングがついているものの、ゲーム内容的にはディープなものが多いのも注目しておきたい。

 ゲーム業界の売上は約251億ドルで、ハードウェアが62.9億ドル、ソフトなどのコンテンツが159億ドル、周辺機器が29.4億ドル。コンテンツの市場規模は残念ながらちょっと縮小しており、ドルベースでは1億ドルほど(前年160億ドル)、本数ベースでは前年2億7890万本に対して2億5720万本への減少となっている。ちなみに159億ドルの内訳は、ビデオゲーム94億ドル、PCゲーム7億ドル、デジタル配信やDLC(ダウンロードコンテンツ)などのフォーマットが58億ドルとのこと。パッケージの販売本数が若干減ってドルベースでも減少した分(前年9.9億ドルに対して9.4億ドル)を、デジタル配信やDLCの販売金額の伸び(前年5.4億ドルドルに対して5.8億ドル)がうまく吸収しているという印象だ。パッケージとデジタル配信の直接比較だと、2009年がパッケージ80%でデジタル20%のところ、2010年はパッケージ76%に対してデジタル24%というデータが示されている。

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