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ララ・クロフトの冒険のはじまり――『トゥームレイダー』最新デモ&インタビュー【E3 2011】

ゲーム Xbox 360 プレイステーション3 海外ニュース インタビュー
アクションアドベンチャーシリーズ最新作『トゥームレイダー』のE3最新デモの模様とインタビューをお届けする。

●“ララ・クロフト エピソード0”

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 日本でも2012年にスクウェア・エニックスからプレイステーション3とXbox 360での発売が決まっている、アクションアドベンチャーシリーズ最新作『トゥームレイダー』のE3最新デモの模様とインタビューをお届けする。

 ララ・クロフトと聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか? アンジェリーナ・ジョリー? 2丁拳銃? 粗いポリゴンで微笑む萌えない女? 虎を平気で射殺するウルトラタフなクイーン・オブ・洋ゲーだろうか? 初代『トゥームレイダー』でララ・クロフトが世間に登場したのは1996年。それから15年が経過してふたたびシンプルなタイトルに戻った本作のララ・クロフトは、そのどれでもない。

 本作は、いわば“ララ・クロフト エピソード0”。21歳のか弱き女性に過ぎないララ・クロフトが、我々が知っている一流の冒険家ララ・クロフトへと成長する物語なのだ。

●プレイヤーとともに成長するララ

 デモは、洞窟の天井から何者かにとらわれたララが逆さまに吊り下げられているところからスタート。ゲームエンジンは『トゥームレイダー:レジェンド』や『トゥームレイダー:アニバーサリー』で使われていたクリスタルダイナミクスの内製エンジンを強化したもの。今回は物理表現も積極的に取り組んでいる。このシーンでは、ララの体を揺らせて近くのオブジェクトを焚き火にぶつけ、ついた火でロープを焼き切るという荒業で脱出する。

 しかし転落したララの腹部に、落ちていた杭が刺さってしまう! 苦しみながら杭を引き抜くララ。本当に痛々しいシーンだ。開発チームは、プレイヤーがいかにララの痛みや感情を共有できるかを重視しているとのこと。序盤のシーンでは、カメラもララに非常に近付いていて、彼女が感じる閉塞感や不安などが伝わってくる。

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 今回デモで披露されたパートは一種のチュートリアルになっていて、まずはたいまつを使って障害物を焼き、つぎは水も組み合わさったパズルを解き……といったように、順序だってパズルの基本を学べるようになっている。プレイヤーは自分の成長とともに、ララが苦しみ、もがき、決意をして、ひとつずつ強くなっていく過程を体感していくのだ。

 パズルパートは難しくなりすぎるとプレイヤーが投げてしまう危険性があるが、そんな時は新機能“サバイバル・インスティンクト”を使ってみよう。これはララの直感により、干渉できるオブジェクトや手掛かりになるものを色付けして表示してくれるというもの。「あそこにアレを持って行きたいわけだから……もしかしてアレを動かせばいいのか? そうするとそのためには多分アレに火をつけて……」といった具合に、正解へのヒントを得ることができる。

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 いくつかの謎を解き、出口へと近付いていくララ。しかし彼女を引き止めようと追ってくる連中もいる。彼らがララをここに連れてきたのか? そして彼らは何者だ? 謎を残したまま振り切り、崩壊し始めた洞窟を必死に這いながら脱出。カットシーンのごとき迫力ある場面の連続だが、ここは通常のコントロールと、QTE(クイックタイマーイベント)を組み合わせて、すべてプレイヤーの操作で進行する。

 辛うじて脱出し、相棒のコンラッド・ロスの元に急ぐと、コンラッドは狼に襲われていた。今度は狼が持ち去ったコンラッドの荷物を回収することになる。取り乱していたララが、次第に落ち着きを取り戻すにつれて覚悟を決めた表情になっていくシーンは非常に印象的。こうしてララの持つ能力が引き出され、性格がちょっとずつ形成されていくのだ。

 カットシーン演出にあたっては、通常のモーションキャプチャーや、ボイスの同時収録、実写で撮影したものを参考にするなど、よりリアルさにこだわっているとのこと。失神したコンラッドをララが雨やどりできる場所まで引きずっていくシーンは、ララ役の女優が何度もリテイクして息が上がりかけたテイクを採用しているらしい。

 外の世界は、厳密なオープンワールドではないが、従来のシリーズのようなリニアな(直線的に進んでいく)世界でもなく、いくつかあるベースキャンプを中心に、それぞれのエリアが広がっている。ララの能力が成長するに連れて、前は行けなかった場所も進めるようになるという寸法。

 このステージでは、サバイバル・インスティンクトを使って狼の足跡を視覚化し、辿っていく形で高所にある洞窟へ進んだ。洞窟では、襲ってきた狼をメッタ刺しにして殺すシーンも。とてもパワフルだが、ララが「Sorry(ごめんなさい)」と言うのは見逃せない。まだララの成長物語は始まったばかりなのだ……。

 メニュー画面には、能力的な成長を示す“サバイバルスキル”の項目と、ベースキャンプ間を移動する“ファストトラベル”、収集したアイテムを表示する“サルベージ”の項目がある。スキルが上がったり、必要なアイテムをサルベージしたことで、以前いたエリアにファストトラベルで戻り、未到達だった地点に進めるということもあるだろう。

●クリエイティブディレクターに直撃インタビュー

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 物語の原点に立ち返り、大胆なリブート(再始動)に挑む『トゥームレイダー』。クリエイティブディレクターのノア・ヒューズ氏に話を聞いた。

――ララ・クロフトがすごく若いのに驚きました。

ヒューズ そうですね。私たちはララの原点に戻って、彼女の物語の始まりをお伝えしようと思ったんです。若く未熟なララを見て、共感できるようなキャラクターにしています。リアルで信じられる、人間的なキャラクターにするのが重要でした。キャラクターデザインだけでなく、アニメーション、声優の声、すべてを配慮しており、成長していくララを見ていただければと思います。

――逆に、リブートしなければなかった理由、『トゥームレイダー: アンダーワールド』シリーズの近作に不満だったことなどはありますか?

ヒューズ プロジェクト自体は『アンダーワールド』の完成以前から計画を立てていました。シリーズのファンと、まだプレイしたことがない人みんなに遊んでいただける、フレッシュな物語をお届けしたかったのです。誰もが見たことがないララを見せるには、話を原点に戻して若いララを作るのが一番だと思いました。

――最初の洞窟で、カメラがキャラクターに非常に近いのが印象的でした。あれは新たなララのキャラクターを印象づけるためのものですか?

ヒューズ あれはまずは閉塞感を感じてもらうためのものです。ララと一緒に狭い場所にいるという感覚を味わってもらおうと。でもゲームの序盤ですので、キャラクターを近くで見るという点でもいいと思います。

――アクションアドベンチャーだと、ハードコアなプレイヤーはもっと難しいパズルを求めて、カジュアルなプレイヤーはそのために投げてしまうということもあると思うのですが、そのために工夫していることはありますか? たとえば、大事そうなオブジェクトや場所にはちょっとだけ色をつけて視線を誘導している気がしましたが……。

ヒューズ いつでもバランスをどう取るかを考えています。プレイヤーには何をすべきかわかっていてほしいですし、混乱させたくない。でも本作の世界観の中でリアルなビジュアルで誘導しなければいけないので、とにかくバランスですね。

――サバイバル・インスティンクトもヒントのひとつですね。

ヒューズ そうですね。そこにどんな要素があるかを早く理解できるシステムですけれども、パズルの回答そのままを提示するのではなくて、ちょっとしたヒントを与えるのにとどめています。

――サバイバルスキルにはどういったものがありますか?

ヒューズ 具体的なところはまだお話できないのですが、若いララが強い女性に成長していくのを、一緒に体験してもらいたいと思います。

――ハブシステム(ベースキャンプを中心に展開していく)を採用したのはなぜですか?

ヒューズ マップを自分で探検できるというのが大事です。ハブシステムを採用したことで、強くなったララでまた戻ってくることができる。そうして以前は行けなかったエリアをどんどん発見できるようになります。ララの成長を実感でき、プレイヤー自身が自分の意志で探検できるという、ふたつのことを実現できました。

――おなじ場所に来ると退屈してしまうこともあると思いますが、それは成長したスキルで新たな場所に行けるということでカバーしているのでしょうか。

ヒューズ そうですね。それだけでなく、ハブもちょっとずつ変化していくんです。そういった意味でもまったく同じことではなくて、新しい発見をしてもらえると思います。

――ララ・クロフトと言うとジャンプしながら2丁拳銃を撃っているイメージもありますが、本作の戦闘はどうでしょう? 狼を刺し殺しているシーンはありましたが。アートワークでは弓のようなものも持っていましたね。

ヒューズ 戦闘は非常に重要な部分です。いまはまだそれほど話せないのですが、『トゥームレイダー』を新たに考えるにあたって、戦闘システムも同様に考え直しています。

――では質問の形を変えましょう。従来のシリーズの戦闘システムで、変えたいと思った部分はありますか?

ヒューズ ひとつ言えることがあるとしたら、前作まではロックオンをベースにした戦闘システムだったことですね。本作ではもっと自由なものになっていますよ。

――では最後に、日本のゲーマーとララファンにメッセージを。

ヒューズ 私たちが目指しているのは、誰もが見たことがない新しい『トゥームレイダー』を作ることです。もちろんシリーズの大切な要素も取り込んだものにしていますので、お楽しみにお待ちください。

TOMB RAIDER (C) 2011 SQUARE ENIX LTD. Published by Square Enix Co., Ltd. CRYSTAL DYNAMICS, the CRYSTAL DYNAMICS logo, EIDOS, the EIDOS logo, LARA CROFT and TOMB RAIDER are registered trademarks or trademarks of Square Enix Ltd. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Holdings Co, Ltd.

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