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Wii U、任天堂のカンファレンスで明らかになったYou(あなた)に向けたハードのすべて【E3 2011】

ゲーム ビジネス
任天堂のプレスカンファレンスにて発表された新ハードWii U。カンファレンスで明らかになった、その姿に迫る。

●カジュアル層からコアなゲーマーまで楽しめる

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 2011年6月7日〜9日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて開催中の世界最大のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2011。2011年6月7日に行われた任天堂のプレスカンファレンスにて、ウワサの新ハードWii Uが公開された。WiiでWe(私たち)にゲームの魅力を幅広く広げることに成功した任天堂がつぎなるテーマに掲げたのがYou(あなた)。「あなたに向けたハードになる」との思いがそのまま新しいハードの名前Wii Uに現れており、それを象徴するのが、6.2インチのモニターを搭載したコントローラーだ。Wii Uのコントローラーは、タッチスクリーンに対応し、マイクやスピーカー、加速度計、ジャイロセンサー、振動機能、カメラなどを搭載と、コントローラーらしからぬ高性能を備えている。「Wii Uはみんなでいっしょになって楽しむためのゲームシステムであり、私たちが楽しみ、あなたのためにある」と任天堂オブアメリカのCEO、レジー・フィザメイ氏は言う。

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 任天堂が提案したWii Uのビジョンは極めて魅力に富んだもの。「いままでゲームはテレビを専有しないといけなかったが、6.2インチのモニターを搭載することで、テレビを諦めなくてよくなった」と任天堂の岩田聡社長が言うとおり、たとえば、テレビを見ながらコントローラーのモニターでゲームを楽しむということも可能。もちろん、テレビとコントローラーのモニターとの連携も実現しており、カンファレンスでは、コントローラーのモニターから飛ばした手裏剣をテレビに表示されているターゲットに当てたり、コントローラーのモニターで狙いをつけて、テレビのモニターの相手に当てるといったデモが披露された。会場から大きな歓声が湧いたのが、ゴルフのデモ。コントローラーを床に置いてボールを表示させ、Wiiリモコンを振ってテレビのモニターにボールを飛ばすと言った内容で、Wii Uのコントローラーの魅力を端的に表現していると言えるだろう。Wii Uのコントローラーのモニターに絵を描いて、それをテレビのモニターに表示させるといったデモもあった……と印象的な使用例を挙げると切りがないが、それだけWii Uには大きな可能性が広がっているということだ。

 「限りなく、幅広いタイプのゲームが作れます。両手を使ってたくさんの操作を要求される上級者向けもできれば、直感的に遊べるゲームもあります」と岩田氏。そのうえで、任天堂はWii Uにより、ゲームとテレビ、インターネットの強いつながりを築きたかったと続ける。そこには「同じ部屋にいる人のつながりがあり、娯楽の新しい構造があります」と岩田氏は主張する。

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▲Wii Uの使用例。可能性が大きくふくらむ。

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▲Wii Uのハイクオリティーの映像も紹介された。その映像美に任天堂のハードも新時代に突入したことをうかがわせる。

▲Wii Uのデモで『ゼルダの伝説』の映像が披露。デモンストレーションのために制作されたもの? いずれ、Wii U版『ゼルダの伝説』がお目見えするとは思うのだが……。

 それに続いて紹介された宮本茂氏によるビデオメッセージでは、「Wii Uのソフトには手元で遊べるタイプもあれば、テレビと手元の両方で遊べるものもある。デザイナーが自由に選べるので、いろいろな可能性を持っています。いろいろなアイデアがあって、どれから手をつけたらいいか迷うくらいです。ネタには困らないですね」と、Wii Uに大きな可能性を感じているよう。

 岩田氏も、Wii Uでは「いままでにない悩みを抱えています。それは新しいアイデアがつぎからつぎへと浮かんでくることです」と、贅沢な悩みを吐露。それを桜井政博氏に相談したところ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』の最新作を、Wii Uとニンテンドー3DSで開発することになったと発言。「まだ詳しい話はしないでおきます。いま言えるのは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』がWii Uとニンテンドー3DS向けに開発され、なんらかの形で連携することです」と、ファンにとっては限りなくうれしい宣言も飛び出した。

 なお、おもにコントローラーに焦点が当てられていたWii Uだが、HD対応でWiiとの下位互換を持ち、メディアは新ハード用12cm高密度光ディスクおよびWii用12cm光ディスクとのこと。Wiiリモコンなども使用可能だ。

 これだけ魅力的なハードであれば、サードパーティーもWii Uに大きな関心を寄せているようで、カンファレンスでは、エレクトロニック・アーツのEAスポーツ プレジデント、ピーター・ムーア氏やユービーアイのCEOイブ・ギユモ氏、バンダイナムコゲームスの原田勝弘氏など、そうそうたる関係者がビデオ出演をして、Wii Uに対するメッセージを寄せている。とくに興味深かったのが、IRRATIONAL GAMESのケン・レビン氏やディズニーインタラクティブメディアグループのバイスプレジデント、ウォーレン・スペクター氏といった、いわゆるコアゲーマーに人気の高いクリエイターがコメントを寄せていること。『BIOSHOCK』などでおなじみのレビン氏が、「ゲーマーとしての私にとって革命的なものです。ハードコアゲーマーの意見に耳を傾けたのだと思います」と発言すれば、『Deus Ex』など知られるスペクター氏も「いままでは実現不可能だったゲームも作れるということです。これはいまあるゲームプレイを改良したものではありません。新しい世界を切り開くものです」と手放しでの賞賛を寄せているのが印象的だ。映像では、『アサシンクリード』や『ゴーストリコン』、『鉄拳』、『バットマン:アーカムシティ』といったタイトルが紹介されていた。

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▲海外で人気の『LEGO』シリーズ『LEGO City Stories』がWii Uでリリース決定。

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▲カンファレンスでは対応タイトルも映像紹介された。左からTHQの『DarksidersII』、コードマスターズの『Dirt』、セガのAliens Colonial Marines』。

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▲左からユービーアイソフト『ゴーストリコン オンライン』、THQの『Metro Last Night』、バンダイナムコゲームスの『鉄拳』、そしてコーエーテクモゲームスの『Ninja Gaiden 3: Razor's Edge』。

 さらに、ゲストとして登壇したのがエレクトロニック・アーツのCEOであるジョン・リカテロ氏。「私が任天堂のカンファレンスに登壇するのは初めてです。これは両者の関係が大いに進展していることを示すものです」と前置きしたリカテロ氏は、「Wii UでEAのゲームが動いているところを一刻も早くみたいです」と語った。

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 最後に再び登壇したフィザメイ氏は、任天堂の4つのハード、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DS、Wii、そしてWii Uに共通しているのは“イノベーション(革新)”にあると明言。「Wii Uによりふたつめの窓が開くことで、ゲームがどうなるか考えてほしい。このプレゼンは始まりに過ぎません」とカンファレンスを締めくくった。Wii Uがゲームにどのような可能性を拓くのか――まさに未来は始まったばかりだ。

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