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『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』バトルディレクターインタビュー【その1】

ゲーム PSP
スクウェア・エニックスから発売中のPSP用ソフト『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』。同作のバトルディレクターを務めた鯨岡氏のロングインタビューをお届け。

●選択肢を広げ、ユーザーの個性を出せるように

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 『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)シリーズのキャラクターたちを操作し、1対1のバトルが楽しめる『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』(以下、『DDFF』)。本作の魅力は、『FF』シリーズのキャラクターが織り成すドラマや、アクションゲームでありながら、RPGのように3Dのフィールドを駆け巡ることができるストーリーモード、そして、アレンジとオリジナルのどちらも恰好よく仕上がっているサウンドなど、あげればキリがない。しかし核となっているのは、新たに追加された“アシストシステム”が、よりスリリングな駆け引きを生むバトルだ。そこで、ファミ通.comでは、『DDFF』のバトルディレクターを務める鯨岡武生氏を直撃。まずはアシストシステムを導入した経緯や、キャラクター性能の調整の方向性などを伺った。

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鯨岡武生

前作でバトルプランナーを務め、『DDFF』ではバトルディレクターに。『FFXIII』や『キングダム ハーツII』にもバトルプランナーとして参加。

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――『DDFF』のバトル全体のコンセプト、とくにアシストシステムの追加についてお聞かせください。

鯨岡武生(以下、鯨岡) まず、高橋(※『DDFF』のディレクターを務める高橋光則氏)と野村(※『DDFF』のクリエイティブプロデューサーと、キャラクターデザインを務める野村哲也氏)が『DDFF』を制作する前に話をしたのですが、そこでバトルにもっと深みを持たせたいということと、前作のようにEXモード一辺倒のバトルにならないようにしたい、という話になったんです。そのときに出たアイデアが、アシストシステムを追加して、EXモードと対になる選択肢を持たせるということでした。また、これは高橋が言っていたんですが、「『DDFF』で自分だけの『FF』オールスターパーティーが作れるようにしたい」と。アシストはキャラ同士の協力が見られますし、今回はさらにパーティーバトルができるようになったので、いわゆる“俺の考える『FF』最強パーティー”というのは実現できたかなと思います。あとは、それを軸にしつつ、ブレイクに関する新システムの追加や、アクセサリーのバランス調整を行っていきましたね。

――アクセサリは、EXゲージかアシストゲージ、どちらかだけに特化するような性能になっていますね。

鯨岡 EXとアシストは均等にしてもいいんですが、どちらかを重視すれば、どちらかが減るという選択肢にはなります。今回は、ユーザーさんにいろいろな選択肢を提示して、使用キャラだけでなく、カスタマイズの方向性もバラバラになればいいなと考えています。

――キャラクターの性能によって、EX寄りにしたほうがいいキャラ、アシスト寄りにしたほうがいいキャラというのはあるのでしょうか?

鯨岡 好きなようにカスタマイズしてもらえればいいと思うんですが、EX、アシストそれぞれにある程度の向き不向きはあります。EXやアシスト以外に特化するほうが向いているキャラもいると思いますよ。たとえばダメージ特化、激突特化、防御特化とか。防御特化は、ウォーリア オブ ライトや、エクスデスなどに向いていますね。

――なるほど。ゲージにこだわらないカスタマイズ方法ですね。ジャストガードなどのアビリティも増えて、カスタマイズの選択肢自体も増えていますしね。

鯨岡 はい。今回はアビリティが増えている中で、装備するのに必要なCPは調整しつつ、CPの上限についてはあえて増やしていません。攻撃アビリティはすべて着けられる数値にしたうえで、そこからクリティカル率アップや、ジャストガードなどを着けようとすると、若干足りなく感じるようにしています。好きなものを全部着けようとすると難しいと思うので、そこはユーザーさんに工夫していただきたいですね。

――新アビリティでは、グラウンドダッシュの存在が大きいように感じます。

鯨岡 あれは前作の開発が終わったときにスタッフ間で「地上でダッシュできるようにしたいね」と話をして、真っ先に加えたものです。フリオニールなど、地上技が強いキャラクターは、これでだいぶ使用感が変わったと思います。

――追撃がかなり速くなって、テンポがよくなったのも爽快感につながっています。

鯨岡 じつは、前回のねっとりとした読み合いは、僕らの想定していたものではなかったんです。今回、実現できたのが、本来の意図に則ったテンポなんですよ。ちなみに、ボタンの入力受け付けは20フレーム程度なので、見てから回避というのは、ほぼ無理です。開発では、ときどき「見えた!」と言うスタッフもいるんですけど(笑)。人の入力できる範囲内なので絶対に無理とは言いませんが、基本は相手の行動を見てからでは遅いはずです。

――そこはほぼ、相手との心理戦になるわけですね。

鯨岡 それから、今回はEXゲージが溜まりづらくなっていて、追撃するかどうかでEXフォースの吸収量がかなり違うんです。追撃した側は、相手のアクセサリの性能などに関わらず、ステージに散らばったEXフォースをすべて吸収するので、追撃の意義もかなり高まったのではないかと思います。 ちなみに、全吸収という機能を足したのは、激突はアシストに有効、追撃はEXに有効という、本作のバトルに合わせた住み分けをしたかった、という意図があります。

――では、既存キャラクターの技に関する調整は、どのような方向性で行ったのでしょうか? キャラの数が多いだけにバランス調整に苦労されたのでは?

鯨岡 「この技があれば、この技はいらない」という、性能がかぶったものがありましたので、それをなくしたかったというのがあります。たとえばふたつの技があったとき、どちらかを選ぶために悩んでほしいし、プレイヤーごとにその選択が変わってほしかったので、追加効果などはかなり見直しましたね。「このキャラだとあのキャラには勝てない」というのはイヤだったので、全キャラクターをなるべく前作より強くすることで、調整を行っています。バランスを取るためにならした部分もありますが、「全員を強いキャラにする」というのが開発中のコンセプトでした。

――とはいえ、『DDFF』から加わった新キャラクターのほうが、独自システムがあるなど、優遇されているような気がしないでもないですね。

鯨岡 開発スタッフとしては前作のノウハウがあるので、新キャラクターのほうがこなれた状態で作っていますし、前作までの22人のキャラクターとの差別化もしなくてはいけないので、どうしても新システムが入ってしまう傾向はあります。でも、新キャラが既存キャラの上位互換というものにならないように、そこはしっかりとコンセプトを分けています。新システムが入ったとしても、そのシステムの影響で前作のキャラより強くなっているというわけではなく、あくまでこれまでのキャラと違う手触りになるだけなので、単純に強い弱いという差別にはなっていないと思いますよ。

――確かに、必ずしも対戦で新キャラクターのほうが強いということはないですね。ちなみに、開発チームがよく使っている新キャラクターは誰ですか?

鯨岡 開発では本当にバラけているんです。たとえばカインをみんなに使ってもらったときも、「強い」って言う人と、「弱い」って言う人がいたんですが、そうやって意見がバラけるのは、開発としてはうれしいことです。

――では、開発チームがオススメするアシストキャラクターは?

鯨岡 僕自身も「こいつだな」っていうのは決め切っていません。ただ、おそらく皆さんが初期に感じるのは、セシルの激突連携が強いというところでしょう。そこから進むと、追撃連携だとダメージが安定するということに気付いて、クジャやセフィロスなどを使う人が多くなるんじゃないかなと。でも、結局は好きなキャラを選んでもらえればいいと思うんです。いろいろなアシストが見られるのが、僕らとしていちばん望んでいるプレイスタイルです。

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――なるほど。ちなみに、PlayStation Storeでダウンロードできる先行配信版(※価格は300円[税込])のデータがあると、エアリスがアシストキャラとして使えるようになりますが?

鯨岡 エアリスはアシスト専用の独特のキャラクターに仕上がっています。ホーリーを撃つまで時間がかかるので、セフィロスに獄門を使ってくれと言わんばかりなんですが(笑)。ぜひエアリスのホーリーと、セフィロスの獄門でリプレイ動画を作ってほしいですね。ちなみに、ホーリーの効果範囲は全画面ではなく、相手がいるところに発動する仕様です。

――では、エアリスのホーリーが発動したら、基本的には彼女を攻撃して止めるしかない?

鯨岡 そうです。でもエアリスには通常ガードが付いているので、ブレイブ攻撃も魔法も弾かれます。ですから、HP攻撃、もしくは中判定のブレイブ攻撃(※相手のガードを崩せる技)じゃないと止められません。

――なるほど。先行配信版のデータ引き継ぎは、ゲーム開始後にもできるんですよね。

鯨岡 できます。ただ一部アクセサリの引き継ぎだけはゲーム開始時に行うので、途中ではできません。

――気になる人は、いまから先行配信版を購入するのもアリですね。本作で『ディシディア』に興味を持った人は、そちらをさきに遊ぶのもいいかもしれません。

鯨岡 システムが増えたりはしていますが、チュートリアルを充実させているので、初心者の方にもぜひ触ってみてほしいですね。たとえば、カスタマイズも幅が広がって、迷うこともあると思うんです。そこは今後、オリジナルクエストを公式で配信していく中で、そこで見られるカスタマイズがお手本になっているようにしようとも考えています。ほかにも、ユーザーさん同士のフレンドカードの交換でも、参考になるカスタマイズが見つかるんじゃないでしょうか。今回はモグwebを使えば、家に居ながらにして“すれ違い通信”もできますし。ちなみに、今回は、自分で作ったフレンドカードを、自分で受け取れるようになりました(※プレイヤーカスタマイズで自分のフレンドカードをエクスポートし、通信モードでそれをインポートする)。プレイステーション・ポータブル1台でゴースト配信ができるので、便利に使えると思いますよ。

――細部まで機能が充実していて、遊び込める作りですね。では、ソフトが発売されて間もないときに恐縮ですが、気になる次回作についてはどう考えていますか?

鯨岡 まだ作りたいキャラや、やりたいことはあるんですけど、本当に何も決まっていません(笑)。今回は、前作までの環境を使いつつ、いろいろ詰め込むことができたと思っています。もしつぎに何かあるとしたら、大きく変わるタイミングなのかなと思います。一度、すべてをまっさらにするところから始まるかもしれません。

※【その2】以降は、キャラクターごとの特徴を鯨岡氏が解説!

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ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー
メーカー スクウェア・エニックス
対応機種 PSP(プレイステーション・ポータブル)
発売日 2011年03月03日
価格 6,090円[税込]
ジャンル アクション / ファンタジー
備考 ディレクター:高橋光則、クリエイティブプロデューサー/キャラクターデザイン:野村哲也、ムービープロデューサー:野末武志、メインコンポーザー:石元丈晴、プロデューサー:間一朗
PlayStation Storeダウンロード版は4980円[税込]
(C) 2008,2011 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA

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