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『Halo(ヘイロー): Reach』をワンランク上のゲームに押し上げた効率化とエフェクトとは?【GDC 2011】

ゲーム Xbox 360
開発会社バンジーにとってシリーズの集大成”として位置付けられていたマイクロソフトのXbox 360用ソフト『Halo(ヘイロー): Reach』。同作の凄みの一端をうかがい知ることができるふたつの講義が、GDC 2011の開催最終日にあたる2011年3月4日に行われた。

●効率化とエフェクトに迫る

 2011年2月28日〜3月4日、アメリカ、サンフランシスコのモスコーニセンターにて、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2011が開催。世界中のゲームクリエイターによる、世界最大規模の技術交流カンファレンスの模様を、ファミ通.comでは総力リポートでお届けする。

 開発会社バンジーにとって“『Halo(ヘイロー)』シリーズの集大成”として位置付けられていたマイクロソフトのXbox 360用ソフト『Halo(ヘイロー): Reach』。同作の凄みの一端をうかがい知ることができるふたつの講義が、GDC 2011の開催最終日にあたる2011年3月4日に行われた

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▲バンジーのシャイ・ワン氏。

 まずは、バンジーのシニアエンジニア、シャイ・ワン氏による“Automated Level of Detail Generation for HALO REACH”で、ここで取り上げられた“レベル・オブ・ディテール(LoD)”とは、遠方に表示されるオブジェクトのポリゴン数を削ったり、テクスチャを簡略化すること。『Halo(ヘイロー): Reach』では、距離に応じてその詳細さを自動生成できるようにした。プレイヤーの遠方にあって見えないものを詳細に描写しても意味がないという発想だ。“LoD”は『Halo(ヘイロー)』三部作や『Halo 3(ヘイロー3):ODST』には搭載されていなかったが、『Halo 3(ヘイロー3)』や『Halo 3(ヘイロー3):ODST』から『Halo(ヘイロー): Reach』を開発するにあたって、さらにクオリティーを挙げるために、どこかで効率化を図らないといけない……という試行錯誤の中で生まれたものだ。この“LoD”は、動きのある敵のみならず、岩などの動かないものにも適用される。これにより、作業の効率化が大幅に図られたとのことだ。

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▲“Imposter”本来には偽りの見せかけをする人”といった意味あいがあるようだ。ほかの部分に労力を割くためには、こういった効率化が不可欠だった。

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▲プレイヤーは遠方では簡略化された敵と戦う。

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▲背景なども遠方にいくに従い簡略化が図られていくことに。

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▲“LoD”の導入により大きな効率化が図られたという。

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▲クリス・トチョウ氏。

 一方のバンジーのグラフィック担当クリス・トチョウ氏による“HALO: REACH Effects Tech”はエフェクトがテーマ。『Halo(ヘイロー): Reach』におけるエフェクトの目標は“雰囲気に富んでいる”、“高密度で直感的”、“美しい”、“使いやすい”、“速い”の5つにあったとするキチョウ氏は試行錯誤のうえにいくつかのグラフィックテクニックにたどり着く。また、シールドのエフェクトは『Halo 3(ヘイロー3)』から、“キャラクターを隠さない”、“中の状況がわかる”などの方針を立てたという。

 そのほか、低解像度の透明レンダリングによってかすんだような感じになる。これを高解像度の透明レンダリングと効果的に混ぜることで、効果的なエフェクトが生まれる……など、さまざまなアイデアを駆使した。そうしたひとつひとつの地道な積み重ねの上に、『Halo(ヘイロー): Reach』の密度のある世界観は構築されたのだ。

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▲『Halo(ヘイロー): Reach』のエフェクトの指針となったのは、“雰囲気に富んだ”、“高密度/直感的”、“うまい”、“使いやすい”、“速い”の5つ。

▲テクノロジーの方向性も立てられた。

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▲シールド制作にあたっての方針も立てられた。

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▲“カスタムエッジフェード”を調整することで、いろいろなエフェクトを与えることができる。

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▲世界観を構築するためのさまざまなエフェクトが考え出された。

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▲「作り手は何をしたいのか?」。それを突き詰めた努力の先に成果がある。もちろん、技術の裏打ちは必要ではあるが……。

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