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ゾンビに感情移入必至! 『ぞんびだいすき』インプレッション

ゲーム DS インプレッション
チュンソフトが送るアクションゲーム『ぞんびだいすき』のインプレッションをお届け!

●ゾンビ発生のきっかけは悪人!

 ホラーが苦手な筆者が、まさかゾンビに愛着を抱くとは。ゲームでこれまで何体ものゾンビを倒してきた筆者が、まさかゾンビのプロフィールを見てクスリと笑うとは。あ、ここは“ハシシ”と笑っていただいてもかまいません。いきなりマニアックな『街』ネタですみません。どうも、チュンソフトファンの皆さん、チンチコーレ。チュンソフトファンじゃない方、こんにちは。今回筆者が遊ばせていただいたのは、サウンドノベルや『風来のシレン』でおなじみ、チュンソフトの新作アクションゲーム『ぞんびだいすき』。タイトルからして一風変わったこのゲームのインプレッションをお届けしようと思う。

 本作の主人公は、ゾンビそのもの。と言っても、ホラーゲームに出るような怖い見た目ではなく、ドット絵で描かれたかわいいゾンビたちである。彼らは、とある牧場の住人だったのだが、ある日悪人(人間)が牧場を襲撃したのをきっかけに謎のガスが発生し、牧場の住人がゾンビになってしまう。しかし、ゾンビになったからといって人間に復讐をしようとするのではない。彼らゾンビが願うのは、“襲われた牧場を元の姿に戻したい”という健気な願いだけなのだ。そんな願いを胸に秘めたゾンビは近隣の町に出かけ、牧場から奪われたクルマのパーツや、丸太といったアイテムを回収しようとする。しかし、人間にとってみれば、ゾンビが集団(冒頭から20人いる)で街に出てくることは大事件のひとつ。というわけで、ゾンビが出かけるたびに騒ぎは大きくなり、牧場復興に必要なものを集めたいゾンビたちと、ゾンビに対抗する人間のバトルが始まるというわけだ。

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●ワラワラ動かすゾンビの楽しさ

 本作は、タッチペンを使ってゾンビの集団に進む方向などの指示を与えていくのがおもな内容。アクション要素は強いのだが、戦略性やプレイ感覚はまさにリアルタイムストラテジー(つねに時が流れる中で集団に指示を与える戦略ゲーム)そのものだ。プレイヤーはゾンビに指示を与えて、各ステージのクリアー条件を達成していくのが目的。おもなクリアー条件は、ボスを倒す、宝箱を全部開けるといったもので、中には犬と飼い主を引き合わせるといった心温まる条件もある。……もちろん飼い主は人間なので、うっかりすると集団のゾンビで襲ってしまうのだが。

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 クリアー条件の前に立ちはだかるのが、街にいる人間たち。人間はゾンビが近づくと悲鳴をあげるのだが、これがなかなか強い。ゾンビ1体と人間1体では、相手が女性であっても苦戦するほどだ。そこでゾンビは集団で人間を囲って襲うのだが、人間の中にはテレビ局のカメラマンがいて、彼に一定時間撮られ続けると、超強力なSWAT(武装した警官)を呼ばれてしまう。SWATはゾンビたちをあっという間に殲滅するほど強いため、カメラマンがいたら真っ先に襲うのがオススメだ(カメラマンはほかの人間と違って一定時間で復活するというイヤな特性も持つ)。

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 しかし、ステージが進むと、どうしても人間が強くてクリアーできない場所が出てくる。そういう場合は、ステージの宝箱から出てくる“種”を集めて牧場で植えれば、ゾンビを育成するためのアイテムが実るのだ。これをくり返せばゾンビが成長してレベルアップするので、より楽にゲームが進められるようになる。そのほか、襲って倒した人間は一定の確率でゾンビになって仲間になってくれるため、仲間のゾンビを増やして進むのもいいだろう。

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●遊べばゾンビに感情移入必至

 本作の最大の楽しさは、最大70人まで増えるゾンビをタッチペンで導くところ。足並みの揃わないゾンビたちをうまく誘導し、人間の襲撃や宝箱回収がうまくいったときは、なんとなくゾンビがかわいく見えてくるほどだ。それもそのはず、本作のゾンビにはひとりひとり詳細なプロフィールが設定されており、生存していたころの人となりや、現在の口癖などが閲覧できるようになっている。そんな設定を見てしまえば、どんなゾンビだろうと感情移入は必至。たっぷりと感情移入をしたうえでステージに出撃し、ゾンビを道路に誘導したらクルマが突っ込んできて轢かれてしまった……なんてことがあったら、思わずゾンビの名前を絶叫してしまっても仕方ない。たとえ、それが筆者の実話だとしてもそれはしかたないのである。

 このゾンビを集団で動かすのが気持ちいいのだが、本作はなかなか手強い難度になっており、人間に全滅させられてしまうことも多い。そこで前述のとおり、ゾンビをくり返し育成していくのだが、これまた牧場でワラワラと動くゾンビたちがレベルアップしていくと、観ている側もうれしくなってくる。ゾンビが好きな人はもちろん、そうでない人も、本作を遊べばゾンビの印象が変わることは間違いないはず。ぜひ遊んでみてほしい。

 ちなみに、本作はドットを多用したグラフィックが特徴なのだが、ファミコン時代のゲームを意識した音楽も非常にいい。いわゆるチップチューンとも違ういかにもな古めのゲーム音楽が流れるので、ゲームともどもチェックしていただければ幸いだ。

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text by 世界三大三代川

■著者紹介 世界三大三代川

サウンドノベルは好きだが、ゾンビはそうでもないフリーライター。愛くるしいキャラを操作するリアルタイムストラテジーを遊ぶと、やられたキャラについ謝りたくなる。

ぞんびだいすき
メーカー チュンソフト
対応機種 ニンテンドー DS
発売日 2011年1月20日発売
価格 5040円[税込]
ジャンル アクション / ぞんび
備考 DSワイヤレスプレイ対応、DSダウンロードプレイ対応
(C)2011 CHUNSOFT ※画面は開発中のものです。

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