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『真・三國無双6』独占インタビューの完全版をお届け!

ゲーム プレイステーション3
週刊ファミ通2010年11月18日号(2010年11月4日発売号)で掲載された、プロデューサー鈴木亮浩氏の独占インタビュー完全版をお届け!

●『無双』魂の伝承者が新たな『無双』を語る

『真・三國無双6』は、三国時代の武将たちを操って、敵兵をなぎ倒していくアクションゲーム。週刊ファミ通11月18日号(11月4日発売号)では、プロデューサーである鈴木亮浩氏の独占コメントを掲載した。ここでは、誌面で割愛された部分を補完した、完全版のインタビューをお届けしよう。


コーエーテクモゲームス
『真・三國無双6』プロデューサー
鈴木亮浩氏

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『真・三國無双』から『2』、『3』とディレクターを歴任。その後『BLADESTORM(ブレイドストーム)-百年戦争-』や『真・三國無双5 Empires』、『トリニティ ジルオール ゼロ』などのプロデューサーを経て、本作のプロデューサーを担当。

●よりドラマティックな『三国志』に

――まず、『真・三國無双6』のコンセプトをお聞かせください。

鈴木亮浩氏(以下、鈴木) 今回のコンセプトは、"シネマティック一騎当千"です。イベントとゲームプレイの両方を、よりドラマティックに描いていこうという狙いがあります。

――アクション部分とムービー部分をシームレスにしたのは、そのためですか?

鈴木 そうですね。これまでのシリーズには、敵武将のデータ確認やアイテムの装備などができるブリーフィング画面がありました。ですが、イベントシーンとバトルシーンのあいだにブリーフィング画面を挟むことで、ゲームの流れが切れてしまっていました。そこで、ブリーフィング画面を廃止したのです。具体的には、勝利条件を満たしてステージをクリアーすると、すぐにイベントや、インターミッションという状況説明の画面に移行して、その後でまたゲーム画面に戻ります。装備変更などはいつでもできるので、ゲーム画面で自由にできますし、こちら側から流れを途切れさせるということは極力なくす方向で作っています。

――これまでのシリーズですと、ブリーフィング画面で、攻撃力アップのアイテムや、移動用の馬などを装備していましたが、あの画面がまったくないのですか?

鈴木 完全に廃止しました。ただ、違う形では残しています。ステージを開始するとき、じつは砦の中にプレイヤーの武将が立っている状態で始まるんですよ。この状態では、戦況がまだ動きません。砦の中には、味方の武将や武器屋などがいて、会話をすることができます。そこで武器を買ったり、あるいは装備を変更したりといったことも可能です。そうした行動の後、キーとなる人物に話しかけることによって、砦の門が開いて戦闘がスタートする仕組みになっています。

――『真・三國無双 MULTI RAID(マルチレイド)』 シリーズの拠点となる街にいるようなイメージですか?

鈴木 それに近いですね。

――武器屋というお話が出ましたが、武器を買うことができるのでしょうか?

鈴木 武器には、ステージで取得するものと、お金で買うものがあります。お金は、ステージをクリアーすることによって入手できます。

──今回の目玉要素である、2種類の武器を使い分けるという仕様変更にともなって、そういった形にされたということですね。そもそも、武器をふたつ持てるようにしたのは、『MULTI RAID(マルチレイド)』 シリーズの影響でしょうか?

鈴木 武器の切り換えとだけ聞くと、そう見えるかもしれませんが、影響を受けたわけではありません。いろいろと紆余曲折があって、いまの形に収まりました。そもそも今回、さまざまな武器が装備できるシステムにしたいという考えがまずあって、武器の切り換えをどうアクションに活かしていくかを検討しました。最初は、メニューから装備を切り換えるという単純な仕様だったのですが、アクションゲームですので、それだと流れが途切れます。それに、せっかくたくさん武器が装備できるのに、別の武器に切り換えるときに、いちいちメニューを開いてゲームが止まるのもアクションゲーム的によくないと思いまして。それで、武器をリアルタイムで装備変更できたらどうかという発想になったのです。同時に装備できる武器も、最初は2個ではなくて、たとえばデッキを組んで、5個ぐらいの中から切り換える、といった案も出ました。ですが、実際に試してみると、「人間は3個までの切り換えに対応するので精一杯なんだ」ということがわかりまして……。2個か3個かでは迷いましたが、最終的には2個に落ち着きました。

──5個だと、相当忙しいことになりそうですね(笑)。そういった考えの中で、今回の仕様であるヴァリアブル攻撃が生まれたのだと思いますが、ヴァリアブル攻撃について、詳しく教えていただけますか?

鈴木 はい。ヴァリアブル攻撃とは、装備している武器で特殊な攻撃をくり出した後、素早く武器を切り換える、という一連の行動のことを指します。攻撃と武器の切り換えという、ふたつの機能を持った攻撃です。ヴァリアブル攻撃から、コンボをつなげることもできます。

――たとえば、ヴァリアブル攻撃で敵を浮かせて、ふたつ目の武器で追撃を入れたりといったことですね。

鈴木 そうです。あとは、各種通常攻撃やチャージ攻撃から即座にくり出すこともできるので、より気持ちよくコンボができるのではないかと思います。

――ヴァリアブル攻撃をくり出すと、攻撃以外に特殊な効果が発動する場合もあると伺いしましたが。

鈴木 ヴァリアブル攻撃は、まず攻撃そのものが通常攻撃ともチャージ攻撃とも異なる、特殊なものになっています。たとえば、刀を使えば敵を宙に打ち上げますし、弓であれば、敵を凍らせる効果があります。さらに、ほかの武器から切り換えたときにも効果を発動する武器がありまして、たとえば連弩砲(剣と銃が一体化した武器)は、ヴァリアブル攻撃で武器を切り換えたときに一定時間火薬が装填されて、通常よりも攻撃範囲が広くなります。
――そういったシステムも、ふたつの武器を使うことのメリットを考える中で生まれたことでしょうか?
鈴木 そうですね。連弩砲のように単体では扱うのが難しい武器でも、ヴァリアブル攻撃をうまく活用することで、欠点を補いつつ、長所だけを活かした戦いかたができるようになっています。

――そうなると、武器ごとの相性を探るような楽しみがありそうですね。ちょっと話が変わりますが、いままでの『真・三國無双』シリーズですと、趙雲は槍、黄忠は弓といったように、武将ごとに得意武器が決められていました。それを大きく変えるのは冒険だったのでは?

鈴木 そうですね。チーム内でも様々な意見がありましたが、いままでのシリーズとは違ったおもしろさを出すための決断です。武将ごとの個性付けと武器のバランスは悩みましたが、EX攻撃や無双乱舞によって、しっかりと特徴は出ていると思います。

──なるほど。EX攻撃について教えていただけますか?

鈴木 EX攻撃は、武将ごとに設定された得意武器を装備している状態でのみくり出せる特殊な攻撃です。こちらも、ヴァリアブル攻撃と同様にコンボに組み込むことができます。ただ、EX攻撃があるからといって、必ず得意武器を装備しなければならないというわけではありません。たとえば、関羽を使っているとして、青龍偃月刀を装備すればEX攻撃をくり出せますが、関羽の欠点である攻撃の遅さをカバーするために、攻撃スピードに優れる両節棍を装備する、という選択もできるのです。

――武器どうしの組み合わせだけではなく、武将と武器の組み合わせを考える楽しみもあると。

鈴木 はい。そこは、そこは、プレイヤーの方の好みでいろいろと試していただきたいですね。

――孫尚香に青龍偃月刀、なんてアンバランスな組み合わせもできるわけですね。

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●アクションの手触りを、より多くの方になじみのある形で表現したい

──さて、今回からは無双乱舞もガラッと変わっています。無双ゲージが複数持てるようになり、さらに各武将が無双乱舞を2種類使えるようになっていますが、なぜこのような変化を?

鈴木 いままでのシリーズですと、敵から攻撃を受けたときのための緊急回避用に、無双ゲージを温存される方が多かったですよね。ですが、私たちはもっと無双乱舞をバンバン使ってほしかったんです。『4』のときのように、大勢の敵が出てきて、それをいっぺんに吹き飛ばすというあの手触りをさらに際立たせたかったんですね。今回はより積極的な戦い方をしていただきたくて、従来作にあった回避行動を廃止し、無双ゲージを複数持たせてどんどん使っていけるようにしようと。加えて、無双乱舞をバンバン使えるようにするのであれば、無双乱舞が1種類では物足りないと思い、2種類持てるようにしました。さらに、武将によっては無双乱舞の発動時にコミカルな動きをしたり、特徴的なセリフを喋るといったように、特徴付けもしています。

──2種類の無双乱舞の使い分けが重要になる?

鈴木 そうですね。"無双乱舞1"から"無双乱舞2"につなげるような武将もいれば、逆に、単体に大ダメージを与える技と広範囲を攻撃する技のように、それぞれ効果が違う無双乱舞を持っている武将もいます。無双乱舞を2種類持てるようにしたのは、そのように武将ごとの個性付けをハッキリさせるという狙いもあります。

――今回は無双乱舞を空中でも出せる武将がいますよね。それも、空中でも出せたらおもしろいという発想からですか?

鈴木 そうですね。あとは空中で連続攻撃を受けていると、いままでは回避する手段がありませんでした。そのときに、たとえば空中で無双乱舞を使えるキャラクターであれば、無双乱舞を使うことで、攻撃を抜けつつ反撃ができるわけです。

──敵にやられっぱなしとなることがなくなるわけですね。あと、無双乱舞使用時の武器についても気になります。今回は武器をほぼ自由に装備できるわけですが、無双乱舞を使う場合はどうなるのでしょう?

鈴木 じつは、無双乱舞を出すときは、武将ごとの得意な武器にこっそり持ち換えているんですよ。どこから出すんだよ、というツッコミはなしで(笑)。

――ということは、たとえば趙雲が刀と両節棍を装備していても、無双乱舞を使うときは槍になるのでしょうか?

鈴木 その通りです。

──わかりました。少し話が変わりますが、先程、アクションを昔の手触りに戻したかった、というお話がありました。今回、通常攻撃とチャージ攻撃の組み合わせという『4』のシステムに近いものを採用されたことも、それが理由でしょうか?

鈴木 『5』が出たころ、プレイステーション3をお持ちだった方は、コアユーザーが多かったように思います。ですが、プレイステーション3の発売から約4年が経ったことで、過去に『真・三國無双』シリーズで遊んでくださっていたお客様の多くが、プレイステーション3をお持ちになっていると思うんですよね。そんないまこそ、慣れ親しんだ操作でさらに爽快感が増した『真・三國無双』の新作を出したら喜ばれるのではないかと考え、システムを再構築した結果『4』に近いところに落ち着きました。

●新たな物語を紡ぐために

――アクションについてひと通りお伺いしたところで、つぎはキャラクターやストーリーのお話をさせていただければと思います。まず、晋が出てくるのに驚きました。なぜ晋を出そうと思ったのでしょうか?

鈴木 『三国志』を題材にしている以上、これまでと同じ登場人物で物語を作ろうとすると、ストーリーの大筋は同じになってしまいます。とくに、海外のお客様には、「また黄巾の乱かよ、黄巾の乱はもう鎮圧したじゃないか」とたびたび言われていました。新しい話を望んでいるお客様が多いだろうということを考えて、ではお話をどう捻り出そうかと思ったときに、自然と晋という選択肢が出てきました。

──ストーリーは武将ごとですか? それとも勢力ごとでしょうか?

鈴木 勢力ごとです。今回はストーリーをより深く楽しんでもらいたいと思い、これまでは1勢力あたり8ステージぐらいで終わっていたところを、3倍近くに増やしました。

──では、蜀のストーリーを、たとえばすべて趙雲で遊ぶということはできるのでしょうか?

鈴木 いえ、ストーリーを追う形なので、そのステージで、もっともドラマティックだと思う人物が主人公になっています。たとえば長坂の戦いであれば、阿斗(劉備の息子である劉禅の幼名)を救う趙雲といったように、『三国志』の名場面を再現するような遊びかたができます。このとき、もし趙雲が苦手だというお客様であれば、得意な武器を装備していただくのがいいと思いますよ。

――武器切り換えの利点がここにも現れているわけですね。

鈴木 そうですね。あと、ストーリーモードでは三国志の物語をよりドラマティックに描くために、そのシチュエーションに合った武将でプレイしていただく形ですが、ひとりの武将を使い続けられるような別のモードは用意しています。ですので、好きな武将はそちらで使い込んでいただければと。

──なるほど。では、武将の話に移らせていただきます。今回は大喬や星彩のように復活した武将がいますよね?

鈴木 これまでのシリーズを遊んでくださっているお客様プレイヤーの方にぜひ手にとっていただきたいと考えたときに、おなじみのキャラクターをできるだけ登場させたかったというシンプルな理由です。

──では、『真・三國無双 MULTI RAID(マルチレイド)2』からの参戦となった蔡文姫については?

鈴木 蔡文姫はもとから、『MULTI RAID(マルチレイド)2』を経て出そうというのは決めていたんです(笑)。

――既定路線だったのですね。

鈴木 じつは、『真・三國無双』の世界設定については、ω-Forceがすべてを監修することになっています。登場するキャラクターを監修するときに、蔡文姫は『MULTI RAID(マルチレイド)2』から『6』という流れを決めていたので、両方の作品で同じ設定にしました。

──ちなみに、呂布や董卓などはまだ発表されていません。彼らの参戦も期待していいのでしょうか?

鈴木 いまは、まだ断言はできませんが……(笑)。武将については、続報で明らかにしていきますので、ご期待ください。

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●ファンに向けて

――では最後に、ファンに向けてのメッセージをお願いします。

鈴木 本作は、アクションの手触りはいままでの『真・三國無双』シリーズの中で、いちばんよかったものに近付けています。今回は、"シネマティック一騎当千"のコンセプトのもと、これまで以上の臨場感と没入感を伴った『三国志』の物語が楽しめるように注力しています。すでに『無双』シリーズを遊んでいただいている方にも、これから新たに『無双』の世界に飛び込んでくる方にも楽しんでいただける作品だと思いますので、ぜひ多くの方にプレイしてほしいですね。

真・三國無双6
メーカー コーエーテクモゲームス
対応機種 プレイステーション3
発売日 2011年3月発売予定
価格 7560円[税込]
ジャンル アクション / 歴史
備考 プロデューサー:鈴木亮浩、開発:ω-Force
(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved. ※画面は開発中のものです。

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