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日本未発表タイトルについても聞いちゃいました! 2K GamesのCOOに聞く、世界と日本での戦略(前編)

ゲーム インタビュー プレイステーション3 Xbox 360
今年になって、日本でパブリッシャーとしての活動を本格化させた2K Games。そのCOO(最高執行責任者)であるデビッド・イスメイラー氏が来日したということで敢行したインタビューをお届けする。

 今年になって、日本でパブリッシャーとしての活動を本格化させた2K Games。海外では『バイオショック』シリーズなど人気のタイトルを擁する、大手パブリッシャーのひとつだ。そのCOO(最高執行責任者)であるデビッド・イスメイラー氏が来日したということでインタビューを敢行し、海外から見た日本の印象や、2K Gamesの戦略、海外で発表されているタイトルについても聞いた。

●2K Gamesのブランドを日本で確立したい

01

――まずは自己紹介と、日本の印象をお願いします。
デビッド・イスメイラー(以下、デビッド) デビッド・イスメイラーです。2K GamesのCOO(最高執行責任者)で、Take 2 Interactiveには10年ほどおりますが、2K Gamesの共同設立者のひとりです。日本は10年ほど前に来たことがありますが、今回来てもやはりいいですね。

――アジア市場、日本市場について変化は感じていますか?
デビッド 弊社がアジアと日本市場での活動を強化している理由として、海外のパブリッシャーが活躍できるチャンスが大きくなってきていることが挙げられます。アジア全体として見れば市場は拡大しておりますし、日本のマーケットで弊社の革新的な製品を受け入れてもらう土壌もあると思います。今回私が来日しているのも、これから日本での活動に力を入れていくためです。

――これまでの2K Gamesの日本市場での露出はどう捉えていますか?
デビッド ここ数年間、日本国内のパブリッシャーにライセンスする形でソフトを提供してきました。その意味ではよくやっていると思いますが、満足はしていません。これからより2K Gamesのブランドを日本で確立したいと思っています。

02

――『NBA 2K11』でマイケル・ジョーダンが出てきたのにはびっくりしました。あれはどういった経緯で決まったのですか?
デビッド 我々はバスケットボールゲームの市場をもっと拡大したいと思っているのですが、去年イメージキャラクターとして選んだコービー・ブライアントよりも上というと、バスケットボールの象徴的存在、マイケル・ジョーダンしかいない。以前タイトルを購入した人も、マイケル・ジョーダンなら興味を持っていただけますからね。

――ちなみに日本で直近に発売されるタイトルで、お気に入りはどれですか?
デビッド ひとつだけなら、シューティングが好きなので『ボーダーランズ』(『Game of the Year Edition』がXbox 360とプレイステーション3で12月9日発売予定)ですね。

03

●強力なストーリー性など差別化で世界に勝つ

――2K Gamesは『バイオショック』、『ボーダーランズ』など、コアゲーマーが熱中するようなタイトルが多い印象ですが、2K Gamesのタイトルの強みとはなんだと思いますか。
デビッド 私個人の印象としては、物語がゲームを引っ張っていくものが多いですね。スタジオ内外でクリエイティブを行っていますが、コアゲーマーが満足するゲームをお届けするための能力は長けていると思います。

――世界での話になりますが、同じくスポーツタイトルが強いエレクトロニック・アーツや、コアゲーマーに人気のあるアクティビジョンに勝つための戦略はありますか。
デビッド 直接競合するようなタイトルであっても、弊社では必ず差別化を行うようにしています。ストーリーを強化したり、開発のクオリティー全般も含めて、他社のタイトルと同じにはならないように心がけています。

――ニンテンドー3DSについてはどうですか?
デビッド 我々は任天堂とはいい関係を築いており、我々のカジュアルゲーム部門である2K Playから任天堂のハード向けのタイトルもリリースしています。ニンテンドー3DSについては、もう少し成熟したゲーマー向けのものも対応できるという印象を受けており、どのシリーズが適しているか検討中です。

●ローカライズの価値を認識し、革新的なタイトルをリリースする

――日本では字幕・吹き替えも含めて非常に高いレベルのローカライズが求められますが、その点についてはどうお考えですか?
デビッド 日本で成功するためには、タイトルの質の高さとハイレベルなローカライズが必要とされる点は理解しています。そのための先行投資は惜しまないつもりです。これからは日本のオフィスからさらなるフィードバックがもらえるので、参考にしたいですね。

――日本と海外でコアゲーマーの性質の違いなどはありますか?
デビッド 正直に言うと、違いはあまり感じていません。カジュアルゲームの市場も大きくなっていますが、コアゲーマーは、質の高いゲームを年に複数本購入し、時間をかけてプレイする層と考えています。それがアクションシューティングであれ、スポーツゲームであれ、ファンタジーのゲームであれ、ジャンルによって多少差異はありますが、その基本に違いは見られません。

04

――海外で発表されているアクションシューティング『BioShock Infinite』は、オリジナル『バイオショック』のクリエイターであるケン・レビンが再び手掛けていますね。これは『Bioshock 2』より前から決まっていたというのは本当ですか?
デビッド その通りです。彼が単に続編を作るのではなく、なにか革新的で違うものを創りたいと言っていたので、『2』ではなく、こちらに取りかかることになりました。理想を実現するためには時間がかかりますからね。

――おなじく『Duke Nukem Forever』はコアなファンがすごく多いシリーズですね。
デビッド パブリッシング権を取得したのは'90年代の後半ですが、当時FPS(一人称視点シューティング)の象徴的なタイトルのひとつでした。それから13年もかかってしまいましたが、大きなチャンスがあると思います。

――13年待ちましたよ。
デビッド 我々もです(笑)

――これらのタイトルを、いずれ日本でプレイすることはできるのでしょうか?
デビッド もちろん! すべてのタイトルを日本でプレイできるようにするつもりです。いまのところは日本に投入したいと考えているタイトルはすべて投入できていますし、レーティングの問題はありますが、それを解決する努力もしようと考えています。

――では最後に日本のファンにメッセージを。
デビッド 2K Gamesは日本の市場価値をよく理解し、今後さらにブランドを広めたいと思っていますので、ぜひ遊んでみてください!

05

 さて、いかがだったろうか。次回は後編として、クリエイティブ面を統括するクリストフ・ハートマン氏へのメールインタビューをお届けする。こちらは海外で発表されている新作についてディープに聞いてきたので、洋ゲーファンは必見です!

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