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【CEDEC 2010】『ポケモン』、『ドラクエ』から学ぶ人を楽しませるプロデュースとは?
ゲーム●ユーザーのことを考えたモノ作り
CEDEC(CESAデベロッパーズカンファレンス)2010が、2010年8月31日〜9月2日の3日間にわたって、神奈川県のパシフィコ横浜・国際会議センターにて開催中だ。社団法人コンピュータエンタテインメント協会(CESA)主催によるCEDECは、ゲーム開発者の技術交流などを目的に開催されている講演会で、今年で12年目。ゲームの知が集結するCEDEC 2010の模様をリポートする。
2010年9月1日に行われたセッション“人を楽しませるプロデュース”では、ポケモンの代表取締役社長・CEOの石原恒和氏、スクウェア・エニックスのプロデューサー市村龍太郎氏、開発ディレクターの吉田直樹氏が登壇。人を楽しませる商品を作るために必要な心構えなどが語られた。
まず、石原氏は「みんなが楽しんでくれるものを作るには、まず自分が心から楽しめなくてはならない。そして、できるだけ多くの人に遊んでもらうためには、全年齢対象のゲームであることが重要」と語る。暴力表現、性的描写、宗教やモラルに関わる表現がなくても、ゲームを十分楽しませることはできるとし、その領域へ踏み込むことで全ユーザーの何分の1かを失うのはもったいないことだと感じているという。
『ポケットモンスター』(以下、『ポケモン』)シリーズは、1996年にゲームボーイ版『ポケットモンスター 赤・緑』が登場し、テレビアニメや映画カードゲーム、さまざまなライセンス商品、ポケモンセンター、海外への展開など幅広い商品・メディアで広がっているが、「ゲームからスタートし、ゲームからすべてのものが広がっているという原則は変わっていない」(石原)そうだ。ゲーム以外の入り口から入って来るユーザーを意識して、ゲームの作りかたをある程度広げている部分はあるが、博士からもらった3匹のポケモンから1匹を選んで旅に出るという基本構造は変わらないし、ポケモンのディテールはゲームの中にあるので、「それをどのようにしていろいろなメディアで展開していくか」(石原)というように考えているそうだ。
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市村氏がゲーム作りで心掛けていることは「ありそうでないことをやる。あまりにも独創的しすぎて、ユーザーが着いてこられないものを伝えていくのは難しい。作品の持っている世界の中で“こういうことがあったらおもしろい”とユーザーが思う範囲で見せつつ、じつは中身で斬新なことをやっているという部分に重点を置いている」とのこと。『ドラゴンクエスト』(以下、『ドラクエ』)シリーズでは、「ユーザーからのスタートだったので、当時遊んでいたときの感動を忘れないように、そしてよりパワーアップして伝えたい」(市村)という思いが原点だという。
ここで、石原氏から「株式会社ポケモンは、任天堂プラットフォームでゲームを開発し、その中で最大の商品を目指しているが、マルチプラットフォームで展開しているスクウェア・エニックスは、プラットフォームによってゲームの作りかたは変わらないのですか?」という質問が。これに対して、『ドラクエ』シリーズは「昔からテクノロジーに頼りすぎないというのが大きかった」(吉田)、「そのときいちばん普及しているハードに提供しているが、基本のコンセプトはユーザーがおもしろいと感じてくれるもの」(市村)であると答えた。
今度は逆に市村氏から、『ポケモン』シリーズがずっとランキングの中に出てくることについての質問が。『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』は、クエストの配信やショッピングなどを組み込み、長く売れるタイトルとして挑戦、開発されたタイトル。これまでの『ドラクエ』シリーズに比べると長期に渡って売れ続けたが、『ポケモン』シリーズの売れかたは別だという。これに「株式会社ドラクエがないから」と答えた石原氏は、「株式会社ポケモンは、人気が継続するために何ができるかということを毎日考え、実践し続けているのと、アニメ、映画、カードゲームやゲーム本体、過去のゲームと連携させたイベントや仕掛けを新たに作り続けているから」と分析した。
今後ユーザーが多様化していくなかで、「『ポケモン』は変わらない安心感があるけど、新しい驚きや刺激がほしいと思っているユーザーもいる。僕は破壊し変えていくことに対してはためらいませんが、それは暴力表現、性的描写、宗教やモラルに関わる表現を入れることではありません。たくさんの人を喜ばせるためには、全年齢対象にしたモノ作りをしたいという思いがあります」(石原)、「人を興奮させるというより、ハッピーにさせることがキーです」(市村)と締めくくった。
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