Tin Hearts 衛兵冒険記(プレイステーション5)のレビュー・評価・感想情報
ブリキの兵隊たちを積み木でゴールに誘導するパズルは、太鼓など部屋に置いてある小物を使ったルート作りや、ルート確定後に兵隊視点で眺める機能により、“ピタゴラ装置”を自分で作っているかのよう。ステージを進めるごとに紐解かれていく家族の物語がゲーム進行の背中を押す一方で、説明が必要最小限かつ、動かせる物を探す&ステージ移動などのパズル以外も含め、UI部分でひと手間感があり。
週刊ファミ通1818号より
パズル自体はそれほど目新しさを感じるものではないものの、主観視点で室内を動いて見回しながら、積み木や汽車のおもちゃをうまく配置して、ブリキの兵隊がゴールに到達するように導く工程は楽しい。メルヘンチックでちょっと不思議な雰囲気と、心穏やかになる音楽もステキ。時間の早送り、巻き戻し、一時停止ができて、ゆっくり考えながら遊べます。ヒント機能もありがたい。
週刊ファミ通1818号より
アンティークな調度品が並ぶ部屋には、ふたつのタイプのノスタルジアが。机の上を人知れず歩き回るおもちゃの兵隊を見て童心に帰り、ちらつく過去の幻に感傷的になります。時間の要素を織り込んだ、大掛かりなからくり装置を完成させるパズルは、取り組み甲斐アリ。リアルタイムに仕掛けを組み替える場面もあって、スリリングです。カメラやインタラクトの操作がもう少しスムーズにできたらなぁ。
週刊ファミ通1818号より
時間を止めたり逆行させつつ、室内をうろつき回りつつのゲームプレイは、テンポがよいとは言えません。物体の指定や移動の操作も手に吸いつくようにとはいきませんが、クリアーが見えたときのスッキリ感は、たびたび味わえます。とある職人の記憶のピースを埋めていくかのような物語は、たまに見逃しそうになるほど自然に描かれ、パズルに夢中になっている心の間隙を突かれたときに、グッときます。
週刊ファミ通1818号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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