【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第72回

皇帝カイザーとの謁見

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 前回もお伝えしたように、ゲームではこういったシーンは存在しません。

 マルトがアッシュ率いる魔血騎隊にさらわれてそのままベルマン帝国のどこかに幽閉されているところまではいっしょですが、その先のシーンはカットされていました。

 これはゲームの物語的なインパクトを与えるための構成で意図的にシーンを削除していたのですが、マンガ版ではちゃんと表現することにしました。

 ちなみにこの場所はベルマン帝国の首都ではなく、辺境にある施設です。

 わざわざマルトと対面するためにカイザーがやって来たということになります。

 そしてカイルたちが乗ったタラニスも(パイロックを退けた後に)この場所に向かっている、という状態です。

 やっぱりボスと主人公の対面は漫画的には外せない要素なのでしっかりと描くことにしました。
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 そして、マンガならではの見開き状態でバーンと偉そうに座っている皇帝カイザー。

 悪そうですねぇ。

ボクとかけっこ勝負をしよう

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 じつにマルトらしい提案です。

 しかし、ジルのときとはわけが違います。

 だって相手はおとなです、しかも戦争を仕掛けるような悪いおとななんです。

 子どもの無邪気な提案を受け入れてくれるはずがありません。

 悪とはそういうもの。

 子どもとしての純粋さが通用しない悪と対峙したときにいったいどんな目にあってしまうのか。

 どういう反応をされてしまうのか。

 ゲームでは描けなかったことをマンガとして表現させていただきました。

その両目を潰して抉り抜け

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 “抉る(えぐる)”という文字は変換してもこれしか出てこないんですけど、弊社のマンガ室の写植担当者がめっちゃ難しい文字を原稿では使用してくれています。

 こっちの文字のほうが怖いですね。

 しかも「爪と歯を全部折って、全身の毛を引き千切り、手足から五部刻みにして箱に詰めろ」なんて恐ろしいことまで言っています。

 見てくださいよ。マルトの顔を、泣いてますよ。

 なんて酷いことを口にするんでしょう。

 これが悪です。

 本来の悪の姿なんです。

 このカイザーが指示するイメージに重なっている効果は足立先生と弊社のマンガ室の担当者の間で入念に話し合いながら作っていきました。

 上からかかっている白線や黒い実線や血のようなエフェクトなどの効果のことです(黒バック含む)。

 やるならとことん怖く表現しよう、ということでこだわった部分です(マンガでないとできない表現なので)。

 さて、マルトの運命やいかに?

 ということで、次回以降をまたお楽しみに!

編集部コメント

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 巨悪として描かれる帝国の容赦のなさがたまらないですね。マルトがどうなってしまうのでしょうか。そして忘れてはいけないのが、前回のマンガの最後にでてきたジンとフラム。戦車で帝国に向かう子どもたちのことも気になります。

 次回、『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』第73話は、2025年9月9日(火)に掲載予定です。
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