
任天堂の最新ハードであるNintendo Switch 2 世界累計販売台数が発売から約2ヵ月で早くも600万台を突破し、今後もどんどん普及台数は伸びていくだろう。
そんなNintendo Switch 2で少し気になることがある。それが、多くのパッケージソフトに採用されている“キーカード”の存在。これは、ROMカートリッジの中にはゲームデータは入っておらず、ダウンロードできるキーが収録されているというもの。
なぜSwitch 2のROMではこのような形式を採用したのだろうか? その狙いを任天堂に訊いてみた。
そんなNintendo Switch 2で少し気になることがある。それが、多くのパッケージソフトに採用されている“キーカード”の存在。これは、ROMカートリッジの中にはゲームデータは入っておらず、ダウンロードできるキーが収録されているというもの。
なぜSwitch 2のROMではこのような形式を採用したのだろうか? その狙いを任天堂に訊いてみた。
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任天堂・担当
ゲームキーカードは、お客様にゲームを届ける新しい方法のひとつです。初めてプレイする際にインターネットに接続してソフトを遊ぶためのデータをダウンロードする必要がありますが、2回目以降はキーカードを本体に差し込んでいただければ、インターネット接続がない環境でもプレイいただけます。
――とのこと。さらに、ふと気になった。そういえば、“ゲーム”ってどのように保存されているんだろう? パッケージソフトのほか、ダウンロードゲーム、配信・運営型のゲームなども存在する現在の“ゲーム”を、どこか保存しているような組織や機関はあるんだろうか?
そして調べてみたところ……えっ、国立国会図書館でテレビゲームも保存しているんだって!?
国会図書館といえば、日本で発売される書籍や雑誌がほぼすべて収蔵されていると言っても過言ではない国立施設。なんでも、通常の書籍や雑誌が納められる“納本制度”に、2000年10月よりCDやゲームソフトなどのパッケージ系電子出版物が追加されたため、それ以降に発行されたパッケージのゲームソフトも納本が行われているそう。
さらに、2022年6月からは所蔵するゲームの一部が調査・研究目的に限り、館内で利用できるようになっているとのこと。そうだったのか!
――とのこと。さらに、ふと気になった。そういえば、“ゲーム”ってどのように保存されているんだろう? パッケージソフトのほか、ダウンロードゲーム、配信・運営型のゲームなども存在する現在の“ゲーム”を、どこか保存しているような組織や機関はあるんだろうか?
そして調べてみたところ……えっ、国立国会図書館でテレビゲームも保存しているんだって!?
国会図書館といえば、日本で発売される書籍や雑誌がほぼすべて収蔵されていると言っても過言ではない国立施設。なんでも、通常の書籍や雑誌が納められる“納本制度”に、2000年10月よりCDやゲームソフトなどのパッケージ系電子出版物が追加されたため、それ以降に発行されたパッケージのゲームソフトも納本が行われているそう。
さらに、2022年6月からは所蔵するゲームの一部が調査・研究目的に限り、館内で利用できるようになっているとのこと。そうだったのか!
目次
目次
ゲームってどこかにまとめて保存されているの? 国会図書館の目的と役割とは
国立国会図書館は、どういった目的でテレビゲームの保存を始めたのか? また納本されたゲームソフトは、2025年現在、どのような形で運用されているのか? 気になったので……
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48598/a4f34d100ac5db3fa300ee2c58db0c0e4.jpg?x=767)
国会図書館に来てみたぞ! 同館の担当部署に話をうかがい、そこで得た回答を紹介していこう。
国立国会図書館がゲームソフトを収集することになった経緯とは?
――国会図書館ってゲームも集めているんですか? 本だけではなくて。
国会図書館広報
じつはそうなんですよ。
書籍や雑誌と同様にCD-ROMなどのパッケージ系電子出版物も“納本制度”の対象になっていまして、国立国会図書館法に基づき納入が義務付けられています。パッケージで販売されるソフトは各メーカーにお願いをして納本してもらっているんです。
――なるほど。では解決しました。「Q.ゲームの保存どうなっているの?」→「A.国会図書館で集めています」。オッケー! 全部解決しました!
書籍や雑誌と同様にCD-ROMなどのパッケージ系電子出版物も“納本制度”の対象になっていまして、国立国会図書館法に基づき納入が義務付けられています。パッケージで販売されるソフトは各メーカーにお願いをして納本してもらっているんです。
――なるほど。では解決しました。「Q.ゲームの保存どうなっているの?」→「A.国会図書館で集めています」。オッケー! 全部解決しました!
国会図書館広報
いやじつは、全部持っているわけではないんですよ。
――未解決だった! つまりどういうことなのですか?
――未解決だった! つまりどういうことなのですか?
国会図書館広報
そもそも納本制度の対象となり、ゲームソフトの収集が始まったのが2000年10月からなんです。それ以前のものは納本対象ではなかったんですね。ですからそれ以前のタイトルは寄贈された一部のゲームソフトを除いて所蔵していません。
――おもに2000年以降なのですね。数としては現在、どのくらい保存しているので?
――おもに2000年以降なのですね。数としては現在、どのくらい保存しているので?
国会図書館広報
現在の収集・保存点数は約9600点になります。また、調査・研究目的に限り、試行的に館内での利用提供を行っています。ただし、利用提供できる条件を満たす資料は3600点程度です。
――ほうほう、現時点で10000点くらいあるものの、利用提供可能なものは3600点。利用提供の条件というのは?
――ほうほう、現時点で10000点くらいあるものの、利用提供可能なものは3600点。利用提供の条件というのは?
国会図書館広報
ちょっと込み入った話になるのでまとめてみますね……
利用提供の対象となるソフトの条件は?
収集した“2000年10月以降にリリースされたタイトル”のうち、国立国会図書館で利用提供しているソフトには、3つの条件が設けられている。
【条件1】ソフト側にセーブデータを保存しないこと
国立国会図書館では、すべての保存資料に対して“できるだけ出版当初の内容で保存する”必要がある。
書籍の場合は、落丁や汚破損のほか書込みなどがない発売された当初の内容のものを受け入れて永く保存することになっているのだという。この条件をゲームに当てはめた場合、“利用によるセーブデータがあると、内容が変わってしまう”という認識になる(ゲームプレイヤーからすると違和感があるが……)。そのため、利用提供に関しては、ROMカートリッジではなく、ソフト自体にセーブ機能のないディスクROMのソフトのみが対象に選ばれている。
それゆえ、Nintendo Switchやプレイステーション VitaのソフトなどのROMカートリッジソフトは利用提供の対象外となる。
書籍の場合は、落丁や汚破損のほか書込みなどがない発売された当初の内容のものを受け入れて永く保存することになっているのだという。この条件をゲームに当てはめた場合、“利用によるセーブデータがあると、内容が変わってしまう”という認識になる(ゲームプレイヤーからすると違和感があるが……)。そのため、利用提供に関しては、ROMカートリッジではなく、ソフト自体にセーブ機能のないディスクROMのソフトのみが対象に選ばれている。
それゆえ、Nintendo Switchやプレイステーション VitaのソフトなどのROMカートリッジソフトは利用提供の対象外となる。
【条件2】オンライン専用ゲームでないこと
インターネットにつなぐとセキュリティ面での危険性があるという理由で、オンライン専用のゲームは除外されることに。
【条件3】特別な機器を必要とするゲームでないこと
USBカメラやVRゴーグルなど、特別な機器を必要とするゲームも利用提供の対象外となる。
国会図書館広報
……というわけなんですよ。
――利用提供に関しての条件が、かなり限定されているんですね。
――利用提供に関しての条件が、かなり限定されているんですね。
国会図書館広報
条件に合うソフトがいちばん揃っていて、かつ当館で所有しているゲーム機がプレイステーションだった……ということで、同系統のゲーム機(PS1~PS4、PSP)のソフトが、2022年から試行利用提供の対象になったんです。
――ちなみに、プレイステーション5が発売されてからもうすぐ5年が経つのですが、PS5が対象となる予定というのは?
――ちなみに、プレイステーション5が発売されてからもうすぐ5年が経つのですが、PS5が対象となる予定というのは?
国会図書館広報
今後はラインアップに加わる可能性もありますが、現時点では対象拡大の予定はありません。
TIPS:納本の対価
国内で出版される書籍や雑誌は、国会図書館に納本される(週刊ファミ通も)。
ゲームソフトを資料として収集する際、その方法としては書籍・雑誌などと同じく、メーカーから発売時に送付してもらう形をとっている。ちなみに、納本される民間の出版物に対しては、通常小売価格の5割+送料が納入出版物代償金として支払われる。
ただし、無償で納本されるケースも多くあり、国・地方公共団体などの機関に関しては対価は支払っていない。なお、納本制度に準じた別の枠組みで収集する電子書籍等のオンライン資料に対しては、納入出版物代償金に相当する対価の支払いはない。
ゲームソフトを資料として収集する際、その方法としては書籍・雑誌などと同じく、メーカーから発売時に送付してもらう形をとっている。ちなみに、納本される民間の出版物に対しては、通常小売価格の5割+送料が納入出版物代償金として支払われる。
ただし、無償で納本されるケースも多くあり、国・地方公共団体などの機関に関しては対価は支払っていない。なお、納本制度に準じた別の枠組みで収集する電子書籍等のオンライン資料に対しては、納入出版物代償金に相当する対価の支払いはない。
受け取るゲームソフトの選定~保存の仕方
「ソフトの納本だけでなくハードも寄贈します」と言われることもある
――ソフトが納本されていることはわかりましたが、それをプレイするためのゲームハードはどのように?
国会図書館広報
ゲーム機は納本対象ではありませんが、ソフトの検品のために備品として購入するほか、現在は流通しておらず入手が困難なものなどを“寄贈”といった形で受け入れる場合もあります。ただ、受け入れるにしても基準はあるので、その条件に達しないゲーム機は受け取りをお断りすることもあります。
――基準とはどのようなものなのでしょうか?
――基準とはどのようなものなのでしょうか?
国会図書館広報
カビが生えていたり、あまりにも汚れが酷いゲーム機の場合は、ほかの収集物にも影響が出るのでお断りしています。
保存方法
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48598/aa3bf3ab66fd85a74320a9b444b915daf.jpg?x=767)
ゲームソフトについては、各メーカーから発売時に店頭に並ぶソフトと同じ状態(パッケージがビニールに包まれた未開封の状態)で納本されるが、中身を確認するためビニールは外される。そうしてパッケージを開け、ゲームソフトや説明書といった内容物をチェック・記録したうえでまとめて保存される。
国立国会図書館の書庫(倉庫)には大きいパッケージの特装版がズラリ!?
ゲームそのものに加え、フィギュアなどのグッズがセットになった特装版が発売されるタイトルの場合、そちらが納本されるケースもある。これは各メーカーに対して、「複数のバージョンがある場合、冊子、CDやDVDなどの図書館資料となり得る付属資料があるものを最良版として納本してください」と伝えており、豪華特装版などの場合はそのような付属資料以外にもフィギュアを含むことがあるためだという。
国会図書館の書棚だから、なんとなくサイズ感も同じ本棚のようなところにゲームも整然と並んでいるのだと思いきや、色とりどり、サイズ感もバラバラな限定版や特装版がたくさん収められているかと思うと、すこしおもしろい。ゲームでは初回限定版がけっこうな高額で箱も大きいものがあったりするけど、ああいうのも収蔵されているのかなあ……(※具体的なタイトルはわからないが、実際に大きな箱のまま保存されている作品もあるとのこと)。
国会図書館の書棚だから、なんとなくサイズ感も同じ本棚のようなところにゲームも整然と並んでいるのだと思いきや、色とりどり、サイズ感もバラバラな限定版や特装版がたくさん収められているかと思うと、すこしおもしろい。ゲームでは初回限定版がけっこうな高額で箱も大きいものがあったりするけど、ああいうのも収蔵されているのかなあ……(※具体的なタイトルはわからないが、実際に大きな箱のまま保存されている作品もあるとのこと)。
利用提供の条件はかなりきびしい!?
ゲームソフトの利用提供について。利用を申し込むにはどうすればいい?
――それでは、所蔵されているゲームをいくつか触らせていただくことはできますか?
国会図書館広報
利用提供の仕方については、調査・研究目的に限らせていただいているので、それはできません。
――国立国会図書館でゲームを利用する際の手順を紹介するという名目では、その対象にはならない?
――国立国会図書館でゲームを利用する際の手順を紹介するという名目では、その対象にはならない?
国会図書館広報
学術雑誌、学会での発表など、公共性が極めて高い調査研究目的の場合のみが対象になります。
――個人であっても“ゲームの歴史を研究して同人誌を作りたい”という人や、ゲームメディアで“特集記事を作成したい”という名目でも、ダメでしょうか?
――個人であっても“ゲームの歴史を研究して同人誌を作りたい”という人や、ゲームメディアで“特集記事を作成したい”という名目でも、ダメでしょうか?
国会図書館広報
現状ではきびしいですね。書籍や雑誌であれば、ここまでの条件は求めないのですが、ゲームに限らずパッケージ系電子出版物の場合は、許可の基準はどうしてもきびしくなるんです。
――それはなぜ?
――それはなぜ?
国会図書館広報
ゲームソフトを含むパッケージ系電子出版物は紙媒体と比べて関係団体がたくさんあるため、納本対象になった2000年までに何度も議論を重ねて、“限定的な利用に限る”ということになったんです。利用を申し込む際には申請書の提出も必要になります。
――そういった経緯があるのですね。
――そういった経緯があるのですね。
利用提供可能となった場合、どのような環境でソフトを利用できるのか?
一見すると、提示される条件はかなりきびしいように感じられるが、そこからは図書館側の“どうしても慎重にならざるをえない理由”も見て取れる。こちらを深掘りしたところ、国会図書館からは以下の意見を聞かせてもらえた。
国会図書館広報
利用可能なスペースが限られているため、大勢の方がお越しになられた場合に対応しきれないということもありますが、やはり“資料の劣化防止と再生環境の維持”というのが、条件をきびしくしているいちばん大きい理由になります。
――日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存して後世に伝えることこそが、国立国会図書館のいちばんの目的ですから、利用提供サービスを行うことで、資料や再生環境への負荷が過多となってもしも利用できない状況になってしまったら、それは本末転倒ということですもんね。
――日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存して後世に伝えることこそが、国立国会図書館のいちばんの目的ですから、利用提供サービスを行うことで、資料や再生環境への負荷が過多となってもしも利用できない状況になってしまったら、それは本末転倒ということですもんね。
国会図書館広報
ゲームソフトそのものに加え、それを再生するゲーム機も、壊れてしまうと新しく入手するのが難しくて。おっしゃる通り、当館の目的はあくまでも“ゲームを発売当時の状態で保存して、使える状態のまま未来に残すこと”ですので、ゲームソフトについては再生環境のゲーム機の維持可能性も含めて考えていく必要があり、利用提供に関してはどうしてもきびしくならざるをえないというのが、正直な意見になります。
――ちなみにもし、申請が通って、利用提供可能となった場合、どのような環境でソフトを利用できるのでしょう?
――ちなみにもし、申請が通って、利用提供可能となった場合、どのような環境でソフトを利用できるのでしょう?
国会図書館広報
国立国会図書館ではゲームソフトに限らず、個人に対して資料の館外への貸し出しはしていません。国立国会図書館東京本館内にある音楽・映像資料室内でのみ利用可能となっています。
――資料室は個室ではなく、いわゆる“街の図書館にある映像コンテンツの視聴コーナー”のような形なんですね。
国会図書館広報
その一角にモニターをご用意しますので、そちらでゲームを利用していただくことになります。このような環境のため、体を動かす必要のある周辺機器(『太鼓の達人』の太鼓型のコントローラなど)は使用不可となります。
TIPS:ファミ通は利用させてもらえるのか?
こちらに関しては、「●●をやってみた」のようなエンターテインメントな切り口の記事作成だと利用提供はできないとのこと。ではいったいどうすれば利用できるのか。学術的な趣旨で、研究者も参加し、学会に提出するための研究記事をファミ通も協力する形で作成し、その研究内容の一部をファミ通でも紹介するといった形でなら? と食い下がったところ、申請内容を都度確認・検討した上での判断になるという。現時点では、誌面およびニュースサイトで特集を組むのはなかなかにハードルが高そうだ。
今後主流になるであろうDL専用ゲームの扱いは?
ダウンロード専売のゲームや電子書籍は収集・保存の対象にはならないのか?
――昨今ではダウンロード専売のゲームも多数リリースされ、物理メディアが存在しないタイトルが増えてきています。書籍であっても、電子書籍だけで展開している単行本や、電子媒体の雑誌などが増えていますが、これらについてはどのように考えているのでしょう。
国会図書館広報
ゲームの場合は、物理的に存在するパッケージ版のみが収集・保存の対象になります。
――ダウンロード専売のものに関しては、国立国会図書館での収蔵には漏れてしまっている実情があるわけですね。
――ダウンロード専売のものに関しては、国立国会図書館での収蔵には漏れてしまっている実情があるわけですね。
国会図書館広報
ちなみに、電子書籍や電子雑誌等のオンライン資料に関しては、国立国会図書館法で新たなルールを制定し、すでに収集・保存を始めています。
――書籍に関しては電子版も保存が始まっているのですね。ゲームのその流れに乗れるといいのですが。
――書籍に関しては電子版も保存が始まっているのですね。ゲームのその流れに乗れるといいのですが。
Nintendo Switch 2パッケージ版ソフト“キーカード”について
――Nintendo Switch 2のソフトは、パッケージとして発売している物理メディアはありますが、ゲームデータのダウンロードを必要とする“キーカード”という形式で多く販売されています。この場合は、収集・保存の対象には……。
国会図書館広報
ならないのです。“そのソフト自体にコンテンツが入っている物理メディア”が対象になるため、キーカードだけだとコンテンツとしては認められない形となり、国立国会図書館としては“収集・保存の対象外”という判断になります。
国立国会図書館は、テレビゲームの保存に関してどのような役割を担うのか?
――今回、取材にご協力いただきまして、国立国会図書館の現状や、今後の課題などを知ることができました。最後に、国会図書館がゲームの保存に関して担う今後の展望について率直なご意見を聞かせてください。
国会図書館広報
国立国会図書館は“日本で唯一の納本図書館である”というところです。そこで網羅的に、かつ適切な環境の書庫でさまざまな資料を保存しています。そのうえでゲームソフトは、紙とは保存方法が大きく異なります。今後は網羅的な収集に一層努めることは第一として、多くの方から寄せられている調査・研究目的のための利用提供にも対応できるよう、利用環境を整えていくことが課題だと考えています。
しかしそのためには、いろいろとハードルもあるので、そういったところでどのような対応が必要になってくるのか? 外部の関係機関とも連携しつつ、今後の展開を検討していきたいと考えています。
しかしそのためには、いろいろとハードルもあるので、そういったところでどのような対応が必要になってくるのか? 外部の関係機関とも連携しつつ、今後の展開を検討していきたいと考えています。
まとめ:記者の目
というわけで、国立国会図書館でのテレビゲームの収集・保存について、実態を知るべく取材を行った。直に訊いてわかったのは、現在収集・保存されているのは、歴代のテレビゲームの中から見ると、全体のごく一部であるということ。おおまかに言って日本の出版物はだいたい全部ある国立国会図書館にしては、もっとがんばってくれてもいいのではないのかと感じたというのが率直なところだ。
とはいえ国立国会図書館でゲームソフトの収集・保存が始まったのが2000年10月。所蔵するゲームの一部が調査・研究目的に限り、利用できるようになったのが2022年6月。2000年以前の作品に関してはそもそも収蔵されていないし、ダウンロード専売ソフトやオンラインゲーム作品に対応できる術がないというのも、もどかしさを感じずにはいられない。
さらに、その利用提供に関しても、学術研究利用に厳密に限られており、一般利用者は事実上利用不可能というほどの厳格さだ。ただ、このあたりは、パッケージ系電子出版物の納本制度を定めた2000年までに関係団体との議論の上で定められたとのことだ。
しかしそれでも、実際のモノを保存する施設として、その広範さや設備において国立国会図書館の右に出る者はないと言っても過言ではない。「2000年なんてつい最近じゃん!」と思ってしまうおじさん(筆者のことです)はともかく、時間が経つにつれて“国会図書館に保存されている”という価値は高まっていくだろう。何しろ日本で流通している雑誌や書籍のほぼすべてが納められているのだ(週刊ファミ通のバックナンバーもたぶん全部あるよ!)。ゲーム分野においてもその役割がさらに広く深まることを期待したい。(堅田)
とはいえ国立国会図書館でゲームソフトの収集・保存が始まったのが2000年10月。所蔵するゲームの一部が調査・研究目的に限り、利用できるようになったのが2022年6月。2000年以前の作品に関してはそもそも収蔵されていないし、ダウンロード専売ソフトやオンラインゲーム作品に対応できる術がないというのも、もどかしさを感じずにはいられない。
さらに、その利用提供に関しても、学術研究利用に厳密に限られており、一般利用者は事実上利用不可能というほどの厳格さだ。ただ、このあたりは、パッケージ系電子出版物の納本制度を定めた2000年までに関係団体との議論の上で定められたとのことだ。
しかしそれでも、実際のモノを保存する施設として、その広範さや設備において国立国会図書館の右に出る者はないと言っても過言ではない。「2000年なんてつい最近じゃん!」と思ってしまうおじさん(筆者のことです)はともかく、時間が経つにつれて“国会図書館に保存されている”という価値は高まっていくだろう。何しろ日本で流通している雑誌や書籍のほぼすべてが納められているのだ(週刊ファミ通のバックナンバーもたぶん全部あるよ!)。ゲーム分野においてもその役割がさらに広く深まることを期待したい。(堅田)
なお、ファミ通.comでは、“ゲームの保存”について、マンガ家で国会議員の赤松健氏にも取材した。そちらの関連記事もご覧いただければと思う。