『Rain98』1998年、ダウナー少女と結託して“世紀末・人類滅亡”をいまこそ実現しよう。雨が心地よい破滅の音色を奏でるアドベンチャーゲーム【BitSummit the 13th】
 ゲームのヒロインの表情に目を奪われるということを、久々に体験した気がします。そのヒロインとは、サイコサスペンス&ロマンスアドベンチャーゲーム『Rain98』に登場する“雨原玲奈(声:土屋李央さん)”のこと。

 本作は2025年7月18日(金)、19日(土)、20日(日)に京都・みやこめっせにて開催中の“BitSummit the 13th”に出展(SV-10、Ukiyo Studioesブース)。なお、これが日本国内において初めてのプレイアブル出展です。
広告
※本作には自殺を連想させるシーンが登場します。[IMAGE][IMAGE]
マウスコンピューターでゲーミングPCを購入
ドスパラでゲーミングPCを購入
 試遊を始めると、主人公が目覚めたのは謎の少女の部屋。少女は首を吊ろうとしていましたが、突然現れた主人公に水を差されたと感じたのか、思い留まった模様です。
[IMAGE]
 主人公は2025年を生きていたはずですが、少女の部屋にあるテレビは厚みのあるブラウン管テレビ。流れるニュースは1998年の“就職氷河期”を報じています。どうやら、なんらかの理由でタイムスリップしてしまった模様……?

 そんな顛末についてやりとりしている間にも、少女はタバコを吸い始めたり、こちらを射るような鋭い視線で見つめたりと、その描写はさまざまに変化。基本的な流れはオーソドックスなノベルゲームのようでありますが、汎用的な“立ち絵”のようなものは存在しないようで、シーンごとに彼女がもっとも美しく見えるであろう瞬間が映し出されます。
[IMAGE][IMAGE][IMAGE]
 タイムスリップを信じたのか、信じていないのか? よくわからない口調で“未来の世界はどうなっているのか?”と主人公に尋ねる少女。主人公は、“相変わらず人間は戦争をくり返していて、格差は増しており、環境破壊も続いている”と答えます。

 そして少女はこう提案するのです。「じゃあ、そんな未来、滅ぼしましょう。私といっしょに」と……。部屋の外は憂鬱な雨が降り続いており、退廃的なムードをLo-Fiサウンドが彩ります。
[IMAGE]
 行くアテがない主人公を、なんだかんだで家に泊めてくれた(※ただし寝起きはバスルーム)この少女。名前を玲奈と名乗ります。

 泊めてもらう替わりに、汚部屋の掃除を指示される主人公。
[IMAGE][IMAGE]
 これを達成すると、玲奈は自分の手帳にシールを1枚貼ります。

 そして手帳にシールが100枚貼られたとき、玲奈は自身が“世界を滅ぼすエネルギー”を手に入れると言うのです。
[IMAGE][IMAGE]
 ある意味でタイムスリップ以上に荒唐無稽なことを言い出す玲奈。けれど、ここまで彼女の視線に射られながら会話を重ねてきたのなら、“その提案に賭けてみたい”と思う人は、決して少なくないはず。

 「こんな世界、滅んでしまったほうがいいのではないか?」

 クソみたいなことが起こり続け、人類がいかに進歩しない動物なのかということを日々痛感させられるいまの時代、毎日のようにそう感じている人は、たくさんいるのではないかと思います。

 破滅的な願望を肯定してくれるフィクションに、束の間、身を委ねることで、もうちょっとだけこの世界を生きてみようと感じられることだって、あるんじゃないかと思うのです。
[IMAGE][IMAGE][IMAGE]
 スペル違いでありつつも、タイトルから連想する人は多かったであろう『serial experiments lain』や、いまは亡きアニメーション作家・今敏氏の代表作のひとつ『パーフェクトブルー』などからも影響を受けたという『Rain98』。

 本作は、人々が「それでも、日常は続いていく」と痛感させられる以前の世紀末を舞台にすることでしか与えることのできない“癒やし”を、プレイヤーに与えようとしているのかもしれません。
[IMAGE]
 ちなみに、今回試遊できたパートではノベルゲーム的な箇所が大半を占めていましたが、これ以降はあのころ一世を風靡したものに似た“携帯型ペット育成ゲーム”を使ったミニゲームなど、よりバラエティ豊かなゲームプレイが楽しめるとのこと。

 2025年内のリリースを目標に制作を進めているという本作が刺さりそうな方は、ウィッシュリストへの追加を忘れずに、その日を待ちましょう。
[IMAGE]
BitSummit the 13thで試遊後、ウィッシュリスト登録画面を提示すると、“玲奈のチェキ風カード”が1枚もらえます。
マウスコンピューターでゲーミングPCを購入
ドスパラでゲーミングPCを購入