Switch2でアップデートしたフレームレートやHDR、DLSS、レイトレーシングなどの用語をなるべくわかりやすく解説してみます
 任天堂最新ゲーム機Nintendo Switch 2(Switch2)が2025年6月5日(木)発売予定です。

 新ゲーム機の機能として紹介される4KやHDR、DLSS、レイトレーシングって結局何がスゴいのかはわりと曖昧な理解だったりしませんか? 本稿ではゲームにまつわる用語をなるべくわかりやすく紹介してみようと思います。
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Switch2用語解説

高解像度|大きいほどキレイで立体感UP

 ゲームの画面は解像度と呼ばれるスペックの数値が高いほど精細に描画され、要するに美しくなります。それぞれ、大きさに合わせて4K、HD、フルHDといった形で分けられます。
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Switch2の本体ディスプレイ解像度はHD(720p)からフルHD(1080p)にアップデートしました。マリオに寄った比較イメージ。
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引くとこんな感じ。
 4Kは3840×2160ピクセルの解像度となっており、720p・HD(1280×720ピクセル)より8倍、1080p・フルHD(1920×1080ピクセル)より4倍も美しいのが特徴です。

 高解像度になると平面なテレビ画面であっても、キャラクターの立体感が感じられます。スマートフォンくらいの小さいディスプレイでは高解像度のメリットはあまり活かせません。画面サイズが大きくなればなるほど、4Kという高解像度のメリットが出てきます。4Kの大画面テレビでゲームをするならば、ゲームキャラクターの表情や着ている衣類の質感、背景、ニュアンスがより美麗になります。
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Switch2では専用ドックからテレビにつなげることで4K表示が可能となりました。

HDR|明るさの表現が進化、暗いシーンもしっかり描写

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 DR(ダイナミックレンジ)とは表現できる明るさ幅のことです。従来のゲームの映像はSDR(スタンダードダイナミックレンジ)と呼ばれるものでした。明るさの表現力が低く、光が照らしている場所と影になっている場所、両方をしっかりと表現するのが難しかったのです。

 HDR(ハイダイナミックレンジ)とは、明るい場所はもっと明るく、暗い場所はもっと暗く表示できるようになる技術です。これにより表示できる明るさの範囲が広がり、夕焼けや夜景のようなシーンもしっかり描写できます。暗い場所の影の濃さも細かく調整できるため、暗闇に隠れた敵キャラクターの存在感がアップ。ホラーゲームがもっと怖く感じるようになりますよ。

フレームレート|映像のコマ数のこと、数値が大きければなめらかに

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Nintendo Switch 2 紹介映像でのフレームレートのイメージ。
 「ゲームのキャラクターがヌルヌル動く」といった言いかたがありますよね。これは映像のコマ数が多く、細かなアニメーション表示が行われていることを指します。動きの激しいアクションゲームやシューティングゲームの場合はコマ数が多ければ多いほどきれいな映像となります。
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 このコマ数のことをフレームレート(単位はfps)と呼びます。Switch2では最大1秒間に120コマ=120fpsの表示が可能になりました(1920x1080/2560x1440ピクセル選択時)。似た言葉にリフレッシュレート(単位はHz)というものがありますが、これはテレビ/ディスプレイ側の表示できるコマ数を表すものです。ゲーム機が120fpsに対応していても、テレビ側が120Hzに満たなければせっかくのきれいな映像を見ることができません。それぞれの能力が活かし合えるような環境を整備する必要があります。

microSD Express|爆速転送の新規格

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 スマートフォンやデジカメなどで長く使われてきたmicroSDカード。便利なメモリカードの一種です。ゲームプレイ時のロードが遅かったり、データ移動に時間がかかるのは転送速度が遅いことが原因の可能性があります。

 Switch2ではmicroSD Expressという規格が採用されています。見た目はmicroSDカードとほぼ同じ形状をしていますが、裏面をみると金メッキされた電極が増えています。これにより、最大985MB/sという速度で読み書きできるようになりました。2005年に登場した初めてのmicroSDカードの転送速度は最大12.5MB/sだったので、約80倍以上です。ずいぶんと速くなったものですね。

サラウンド|音楽、効果音が立体的に聞こえてくる技術

 イヤホンやヘッドホンでゲームをしていると、頭の中で音が鳴っているように聴こえてきます。スピーカーを使っているときは、前から音が聴こえてくる感じですね。

 しかしサラウンド技術を使えば、自分の前後左右上下から音が聴こえてくるようになります。音楽であれば大きなコンサートホールで聴いている感覚になりますし、FPSなどのゲームであれば周囲の足音や銃撃の音から、敵の位置を把握しやすくなります。また、映画館で観る映画のように、音による臨場感が高くなるので、ゲームの世界にもっと没入できるようになりますよ。なお、スピーカーやイヤホンの説明などに出てくるイマーシブオーディオ、空間オーディオ、3Dオーディオなどもサラウンドの一種です。
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Switch2ではサラウンド環境がなくてもステレオヘッドホンで立体的サラウンドが楽しめるとのこと(対応ゲームのみ)。

半導体|ゲームを動かすために役割分担

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 ゲーム機がゲームのプログラムを動かすにはさまざまな半導体が稼働します。それぞれ得手不得手があるんですよね。高画質なグラフィックを描写する際に、重要なポジションとなっているのがGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)です。

 ひとつの作業を並列でスピーディーにこなしてくれるので、多くのキャラクターが画面内に出てくるゲームの場合、パワフルなGPUが必要になります。またGPUはAIの処理も得意です。なおSwitch2にはCPUやGPUなどがひとつにまとまった、カスタムNVIDIAプロセッサというSoC(システム・オン・チップ)が使われています。

 メモリとストレージは似ていますが、用途が違います。メモリはデータ類の一時的な置き場で、ゲームのプログラムやCGキャラクターのデータを動かす際に使われる作業机と言えるもの。ストレージはすべてのCGデータ、音楽データ、プログラムを保管するための本棚といえる存在です。

参考記事:
ゲーミングPCはなにがおすすめ? 初心者向けにスペックや選び方を丁寧に解説withマウスコンピューター

DLSS|美しい映像の描写をAIがサポート

 Swirch2のSoC/GPUには、TensorコアというAI専用の計算機が入っています。このTensorコアはビデオチャット時の背景除去、フェイストラッキングなどでも使われますが、ゲーマーとしてもっとも知っておきたいのがゲーム画面を鮮明に描いてくれる超解像技術のためにも働いてくれます。

 その技術の名前はDLSS(ディープラーニング スーパー サンプリング)。もともとはGPU/AIメーカーのNVIDIAが開発した技術ですが、Switch2だけではなくゲーミングPCでも使われています。高画質設定にしてもフレームレートが下がらないため、細部までクリアに見えつつもヌルヌルと動く、美しいゲーム画面が楽しめます。
関連記事:
「Nintendo Switch 2」が NVIDIA の AI を活用した DLSS と 4K ゲーミングでレベルアップ(NVIDIA)

レイトレーシング|光の描写でよりリアルなゲーム体験に

 水たまりに空が映る感じや、窓から差し込む光がふわっと広がる感じなど、映画級に美しい映像を見せてくれるゲームが増えました。これを実現してくれたのが、レイトレーシングという技術です。光の動きや反射を計算してCGに反映するもので、現実のような美しい描写が可能です。以前まではムービーシーンなど、一部でしか見ることができませんでしたが、近年はゲーム機のCPU/GPUの性能が高まったことで、通常のシーンであってもレイトレーシングの効果を活かした映像を見て楽しむことができます。

Switch2 本体性能詳細

  • サイズ:縦116mm×横272mm×厚さ13.9mm(Joy-Con取り付け時※)
※アナログスティック先端からZL/ZR突起部分までの最大の厚さは30.7mm
  • 重さ:約401g(Joy-Con 2 取り付け時:約534g)
  • 画面:1920x1080ピクセル / 静電容量方式タッチスクリーン / 7.9インチ 広色域液晶ディスプレイ / HDR対応 / 最大120Hzの可変リフレッシュレート
  • CPU/GPU:NVIDIA社製 カスタムプロセッサー
  • 本体保存メモリー:256GB(UFS) ※データを保存できる容量はシステム領域を除いた容量。
  • 通信機能:無線LAN(WI-FI 6)/BLUETOOTH(TVモード時のみ、有線LAN接続も可能)
  • 映像出力:最大 3840×2160 ピクセル 60fps /1920×1080、2560×1440 ピクセル選択時は120fpsに対応。HDR10対応 ※TVモード時にHDMIケーブル経由で出力
※テーブルモード・携帯モードでは最大1920×1080。
  • 音声出力:リニアPCM 5.1ch対応。TVモード時にHDMIケーブル経由で出力。ヘッドホン出力時・内蔵スピーカー出力時にサラウンド効果を付与して出力可能(内蔵スピーカー出力時のサラウンド効果は本体更新が必要)
  • スピーカー:ステレオ ※独立エンクロージャー構造により自然でクリアな音質に。
  • マイク:デジタルマイク(モノラル) ※ノイズキャンセル、エコーキャンセル、オートゲインコントロール機能搭載。
  • ボタン:電源ボタン/音量ボタン
  • USB端子:USB Type-C端子 2ポート
※下部のポートは本体の充電や、Nintendo Switch 2 ドックとの接続に使用。上部は周辺機器との接続や充電に使用。
  • ヘッドホンマイク端子:3.5mmの4極ステレオミニプラグ(CTIA規格)
  • ゲームカードスロット:Nintendo Switch 2 ゲームカード、Nintendo Switchゲームカードのどちらも差し込むことができます。
  • microSD カードスロット:microSD Expressメモリーカードのみ対応(最大2TB)
  • ※microSD Expressメモリーカードの使用にはインターネットに接続して本体更新が必要。
  • ※SD Expressに対応していないmicroSDメモリーカードはNintendo Switchからの画面写真/動画のコピーに利用可。
  • センサー:加速度センサー/ジャイロセンサー/明るさセンサー
  • 動作環境:温度:5~35℃/湿度:20~80%
  • 内蔵バッテリー:リチウムイオンバッテリー/電池容量 5220mAh
  • バッテリー持続時間:約2~6.5時間
※内蔵バッテリーの取り外しは不可能。交換が必要な場合は任天堂サービスセンター(オンライン修理受付)で有償交換。 ※バッテリー持続時間は目安の数字。使用ソフト、使用状況によって持続時間は変化。
  • 充電時間:約3時間 ※本体スリープで充電した場合。
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※一部画像は任天堂YouTubeチャンネル、製品サイトより引用。