『ステューピッド・ネバー・ダイズ』レビュー。死んでるのに胸がドキドキする雑魚ゾンビの恋を応援。爆速成長と攻撃主体のバトルが爽快すぎた

『ステューピッド・ネバー・ダイズ』レビュー。死んでるのに胸がドキドキする雑魚ゾンビの恋を応援。爆速成長と攻撃主体のバトルが爽快すぎた
 2026年10月22日発売の『ステューピッド・ネバー・ダイズ』(Stupid Never Dies)はプレイステーション5(PS5)、PC(Steam)用の“爆速成長”アクションRPG。
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 『デビル メイ クライ』シリーズや『戦国BASARA』シリーズなど、数々のヒット作を手掛けてきた小林裕幸氏がプロデューサーを務める本作は、注目すべき新規IPだ。

 このたび発売に先駆けて本作を体験する機会を得たので、この記事ではプレイをもとに“ファンキーゾンビアクション”の全容を解き明かしていこう。

ゾンビの下剋上物語は脳が溶けるほどの恋が発端に。ファンキーなノリやキャラクター造形も秀逸

 筆者が『ステューピッド・ネバー・ダイズ』という作品に関わりを持ったのは、2026年の春。プロデューサーの小林裕幸氏へうかがったお話をまとめたり、インタビューに同席したりしたのだが、その際に本作には基本的に回避やガードが存在せず、敵の攻撃に対して前のめりに反撃していくことを知った。

 ゲームライターとして数々の作品をプレイさせていただいているが、ここまで攻撃偏重型のアクションを前面に押し出しているものは稀だ。しかも、ゾンビを題材としているのにホラー要素はまったくなく、底辺モンスターである主人公デイビィの下剋上を描くという。

 もしかして、かなり斬新な部類のゲームなんじゃないか。そんな期待を胸に、9月にリリースされた体験版に触れ、続いて先行プレイをするうち、『ステューピッド・ネバー・ダイズ』は想像のさらに上をいく魅力的な作品であると気付かされた。
『ステューピッド・ネバー・ダイズ』レビュー。死んでるのに胸がドキドキする雑魚ゾンビの恋を応援。爆速成長と攻撃主体のバトルが爽快な新作アクションRPG
 まず驚いたのは、戦いを放棄した最弱ゾンビの主人公がKOM(キング・オブ・モンスター)討伐に挑むきっかけが、恋心であるという点。

 本作の舞台は、KOM率いるモンスター軍により、人類が滅亡した世界。デイビィは戦いから逃れてショッピングモールをうろついていたが、そこで凍死している女の子を見つけて恋に落ちてしまう。

 彼女のために人間は食べないと誓うものの、空腹に耐えかねた彼はフランク博士の卵を口にしてスタイルイート(敵を食べて姿と能力を奪う力)に目覚める。博士からその力でKOMを倒すように言われるが、もちろんデイビィにその気はない。なにせヘタレゾンビだ。
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 彼が冷凍庫に通って女の子をじっと眺めているのを知った博士は、彼女を蘇らせるためだとたきつける。そこで一大決心をしたデイビィは、KOMが支配するダンジョンへ乗り込むことに。恋が原動力とは、デイビィはなんて純粋で単純で、かわいらしいゾンビなんだろう。

 やがて、ダンジョンでサルベージしたデータから、女の子の名前がジュリアであることや、彼女が大学生で充実した日々を送っていたことが判明していく。「何としても彼女を蘇らせて、デイビィとのデートを実現させたい」。プレイヤーがそんな気持ちに駆り立てられるほど、開発陣が力を注いだこのヒロインは魅力を放つ存在だ。
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彼女の名前がジュリアだと明らかになるシーンは、ただただエモい。
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生前はホラー映画やゾンビものが大好きだったジュリア。データが手に入るたびに、秘密を覗いているようでワクワクしてしまう。
 ゲームを進めるごとに増えていく、デイビィの日記もまたいい。ジュリアへの想い、世界観の補足、新たな出会いなどが書き綴られ、いつの間にか感情移入してしまう。博士は人類復興のためにKOMを倒せというが、目的はただひとつ。恋のために突っ走るのがデイビィだ。
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 本作独自のノリである“ファンキーゾンビアクション”も非常にいい味を出しており、わかりやすいところでは敵に落書きが施されたり、必殺技にあたるデイビィバーストの演出がやたらと凝っていたりする。

 何気ない会話シーンやBGMにもこだわりを感じ、敵に倒されてしまってもユーモラスな表現で和ませてくれるなど、丁寧なゲーム作りには好感が持てる。
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 キャラクター造形については、デイビィやジュリアはもちろん、敵キャラクターにいたるまでとことん作り込まれている印象だ。なかでも、KOMに反抗する孤高のモンスター・デュラハンや、いかにも吸血鬼といった見た目にOTギアを装備したドラグルがかっこよく、筆者は気に入っている。
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 底辺ゾンビの恋の成就という動機の意外性と感情移入のしやすさ、細部まで手が込んだ演出やBGM、キャラクター造形の妙。これらが相乗効果を生み、本作独自の魅力を生み出していると言えるだろう。

探索に必要不可欠な爆速成長システムが熱い。雑魚オブ雑魚ゾンビが強くなっていく仕掛けとは

 さて、ここからは肝となるシステム部分について触れていく。本作を語るうえでファンキーゾンビアクションと同じくらい重要なのが“爆速成長”システムだ。

 本作のダンジョン探索には制限時間が設けられている。そう聞くと毎回似たような深度までしか探索できなさそうだが、ここで爆速成長が大きく影響を及ぼしてくる。このシステムがあるおかげでダンジョンから帰還するたびに成長速度が累積していき、以降の探索が飛躍的に楽になっていくのだ。

 制限時間は特定の深度のランディングエリア(中間地点)への到達や敵のコアを食べることなどで増やせる。ランディングエリアではつぎのレイヤー(ステージ)の選択もでき、踏破報酬には時間を延長する“タイマーセル”があることも。
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意外かもしれないが、本作にはゲームオーバーの概念がない。ダンジョンで力尽きても成長速度は累積されていくため、つぎのダイブへのモチベーションがアップ!
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レイヤーをスキップすることで、さらなる深度に挑むことも戦略の基本。ランディングエリアでは時間が停止するため、現在のレベルやボスの有無、報酬、残り時間をしっかり考慮してから、先へ進むべし。
 ちなみに、デイビィの能力の底上げは拠点でも行える。アイスクリームショップでは“ボス臓物”を使用し、ダンジョン内でのタイマーの延長や防御力アップといった基礎能力を強化可能だ。

 ほかにも、タトゥーショップではOT(オーバーテクノロジー)ギアの開発と肉体改造ができ、バーガーショップではダンジョン内で取得できるゾンビスキルの解放やレアリティアップを行える。拠点での準備をきちんと整えることで、初めて爆速成長の強みをフルに活かすことができるというわけだ。
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ダンジョン探索かタスクの達成で手に入れたプレゼントをジュリアに贈ると、なぜかデイビィバーストの威力、持続時間、チャージスピードなども強化できる。恋の力は偉大なり。
 1回のプレイが30分程度になるように意図して制作された本作は、まとまった時間で根気よく深部を目指すのもいいが、毎日ちょっとだけプレイするのにも向いている。どちらにせよ、爆速成長システムの恩恵で“前回よりも強くなった”という手ごたえを感じられるのがいいところだ。

 じわじわと深度を下げ、以前は勝てなかったボスを撃破するなどして、存分に達成感を味わってほしい。

食べることを中心に据えたアクション。ゾンビだからやられても前のめりに攻撃していける

 “ゾンビは食べる”というコンセプトから肉付けされていった本作のアクションは、わかりやすくも奥深い。食べることで奪える敵の姿は10種類(ゾンビスタイルはデフォルト)で、狼男スタイルでは素早く動けるようになり、ハーピースタイルでは宙を舞える。

 形態によって通常攻撃、特殊攻撃が変化するだけでなく、各スタイルには5種類のスキルも用意されている。筆者は初め形態を切り換えつつの戦闘に戸惑ったものの、プレイを重ねるうちに自分好みのスタイルやスキルを見つけ、活用できるようになっていった。
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大鎌を振るったり、骸骨のおともを召喚したりできるリッチや、巨大な棍棒で敵を粉砕するダイナミックなサイクロプスなど、多彩な形態を入れ換えつつ行うバトルが目まぐるしくて楽しい。
 また、攻撃偏重型の本作では、ステューピッドパリィで敵の攻撃や大技のヒートアタックを受け止めながら突進し、反撃に転じることができる。いわゆる通常のパリィとは異なり、アクションが成功しやすいのがメリットではあるものの、リカバリーダメージが蓄積するため、使いすぎると危険な状態に。

 ただし、リカバリーダメージは攻撃によって溜まる“バイトゲージ”を使って放つ噛み付き技の“バイト”で全回復できる。ステューピッドパリィからカウンターをお見舞いし、リカバリーダメージをバイトで回復するというサイクルを覚えて、効率よく戦っていきたい。
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 食べるアクションからは少々逸れるが、本作には上記の攻撃方法のほかに前述のOTギアが用意されている。左腕に装着するギアにより攻撃方法が変化するのが特徴で、筆者は範囲攻撃できるサーキュラーソーや遠距離タイプのミサイルポッドを好んで使っていた。

 OTギアはランディングエリアにあるボディハック出張所でプリセットの変更ができる。ボス戦用の装備にしたり、アイテム集め用のギアに切り替えたりと、状況に合わせて使い分けていくといいだろう。
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アイテムを入手するためにはコンボ攻撃も有効。『デビル メイ クライ』のように連続で攻撃を当てることで画面に“A”、“B”、“C”などのランクが表示され、その評価に応じてアイテムのドロップ率が変動していく。

ボスの強さはハンパじゃない。何度やられてもゾンビらしく立ち上がれ!

 本作ではレイヤーの要所要所に個性豊かなボスが待ち構えており、プレイヤーを楽しませてくれる。どのボスも侮れない強さを持つため、最低でも適正なレベルと有効なスタイル、OTギアを揃えて挑みたい。
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 とくに、KOMに忠誠を誓う四公爵は、圧倒的なパワーでデイビィに襲い掛かってくる。本作はもともとコアなアクションファンに向けて作られていたこともあり、この4体はどれも非常に手ごわい相手だが、スルトはパワー型、ドラグルは吸血するなど、見た目がヒントになっていたりする。

 くり返し戦って攻略法を見つけ出し、撃破していただきたいところだが、どうしても勝てない場合はオプションにある“Go Nuts”をオンにし、難度を下げるのも手だ。なお、Go Nutsはいつでも変更可能。ぜひファンキーゾンビアクションを最後までプレイして、デイビィとジュリアの物語と世界の行く末を見届けてほしい。
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      担当者プロフィール

      • なんでもゆうこ

        なんでもゆうこ

        これまで数千本ゲームをプレイしてきたライター、編集、ストリーマー。戦技“雷の羊”のみでの『エルデンリング』クリアー、『TES』シリーズ合計5000時間超えなどの記録を持つ。執筆および編集実績は『まいにちいっしょ トロクロおきらくBOOK』、『Apex Legends 初心者ガイド』のほか、雑誌、専門誌、攻略本など多数。JRPGや死にゲー、ハイファンタジー、ハクスラ、洋ゲー各種に詳しく、新作情報には常に目を光らせている。ライティング、クロスレビュー、編集、漫画原案、付録制作など幅広くこなし、複数のメディア出演を経験。ゲーム会社勤務による独自の目線も。口癖は「お仕事ください」。

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