コーエーテクモゲームスより発売中の『仁王3』。そのダウンロードコンテンツ(DLC)第1弾となる『慶安地獄変』が2026年8月19日に配信される。 本記事では事前にいただいた情報をもとに、開発者インタビューをお届け。DLC第1弾の内容や、DLC第2弾についても少しだけ聞くことができた。

江戸だからこその新要素も登場
――発売から半年ほど経過しましたが、ファンからの反応はどう受け止めていますか?
柴田
『仁王3』はシリーズ初となるオープンフィールドや、ふたつのスタイルで戦うこと、時代を行き来する物語ですとか、多くの挑戦がありました。受け入れてもらえるだろうと自信はありましたが、それでも変化が多い点で大丈夫だろうかと不安があったのも事実です。ですが、多くの方々に楽しんでもらっているようで、本当にうれしく思います。
――シリーズでは最速で累計売上本数100万本突破とのことで、素直に驚きました。
柴田
私たちも驚きました。予約なども伸びていて、突破することはある程度予想できたので感謝の装備品などを用意していたのですが、予想外の早さだったのでうれしくも慌ただしかったですね。
――それでは『慶安地獄変』についてお聞かせください。その名の通り、歴史上で実際にあった“慶安の変”がテーマなのでしょうか。
藤田
そうなります。物語の基本は史実をベースとしていますが、江戸がまた地獄に包まれる、といった要素が絡む部分はやはり『仁王』らしい味付けです。本編ではすべて破壊したはずの獄霊石が、なぜ復活しているのか? といった部分も見どころになっています。


――柳生十兵衛も新たに登場します。どのような役どころなのでしょうか?
藤田
柳生十兵衛は、本編に登場した柳生宗矩の息子です。宮本武蔵と同じくらい、広く知られている剣豪かと思います。宗矩は主人公・竹千代の師範でもありますから、十兵衛と竹千代は兄弟弟子の関係です。今回は、そのあたりも描いているので、ぜひご注目ください。

――また、こちらも新キャラクターとなるロドリゴは、調べてみると本当に史実での徳川に関連する逸話があり、驚きました。
藤田
そうなんです。本作用に脚色はしていますが、実際に日本に訪れていた実在の人物をもとにしています。『仁王』の主人公であるウィリアムや、徳川家康と会ったことがあるという記録も残っている人物なんですよね。


――そのあたりが、本当にうまいなと思いました。史実をもとにしているのに、シリーズ作品としてのつながりも感じられますし。
藤田
ありがとうございます。初代『仁王』は海外から来たウィリアムの目線で見た日本を舞台にしていることもあり、世界から見る日本という視点は忘れずに、無理のない範囲でなるべく外国人を登場させることを意識していました。今回のDLCも、そういったポイントが含まれています。


――江戸・慶安を追加エピソードにすることは、本編開発時から決めていたのでしょうか。
藤田
『仁王3』は将軍をテーマにしており、生まれたときから将軍になることが運命づけられた人物を主人公にしよう、と決まった時点でおおまかな内容は決めていましたね。本編は、主人公が将軍になるまでの物語、本編後は、将軍になってから何を成すのかを描くべきだろうと。
やはり歴史上の人物を扱うわけですから、その人が何を成したかを考えながらキャラクターに取り入れます。成したことに触れてこそ、将軍をテーマにした物語をしっかり描けるわけです。
――江戸時代は、江戸城の内部がステージ化していましたよね。今回改めて大規模ステージとなり、どのような違いや変化、特徴があるのでしょうか?
髙橋
江戸城だけでなく、その周辺の地域、具体的には平川門から出た先の江戸城の北の地域に行けるようになっています。ですので、神田や上野など、なじみのある地名がたくさん登場します。水道橋では、地名の由来となった橋が出てきますし、江戸の水道網をオープンフィールド化もしています。
いずれの場所も、やはり地獄の影響を受けていますので、そこは『仁王』らしい江戸になっています。実際に調べながら制作したのですが、予想外にもTeam NINJAの拠点である市ヶ谷の近場に、今回の登場人物と関連のある場所が見つかるなど、発見も多かったです。


――え! 市ヶ谷も登場するんですね! あの、『Rise of the Ronin』で、市ヶ谷っぽいところに忍者屋敷があって、『NINJA GAIDEN』シリーズを彷彿とさせる要素がありましたよね。『仁王』はもともと、『NINJA GAIDEN』ともつながりがありますが……。
髙橋
鋭いですね(笑)。何かしらゆかりのあるモノが手に入るかもしれないので、探してみてください。
――楽しみにしています! 荒廃した江戸だとは思いますが、観光気分も味わえますね。
髙橋
いわゆるサブクエストの“奇譚”では、江戸の怪談を題材にしたものや、将軍にゆかりのある人物が登場するなど、江戸だからこそ描けるものを扱っています。今回新たに“仁王物語片録”という読み物系の収集物が登場します。手記や書置きといった形で、登場人物の話や江戸の町人文化などを散りばめていますので、ぜひ探索してみてください。

より遊びごたえの増した戦闘&育成
――新武器として鉾盾(ほこたて)&忍鉾盾(しのびほこたて)が追加されます。なぜ盾の武器を追加したのですか?
髙橋
エスパーニャの勢力が登場するため、錬金術師たちも現れます。そのうえで、西洋風のデザインが取り入れられる武器を出したかったのも理由ですが、いちばんは本編の武器種とは違った体験が楽しめる武器と考えたからです。
従来のバトルですと、防御や回避で敵の攻撃をしのいで、その隙を狙って攻撃するのがメインかと思います。鉾盾は攻防一体の武器で、敵の攻撃を見極めてタイミングよく弾くことで攻撃を防ぎ、そのまま自分の攻撃を敵に叩き込むことができます。タイミングはシビアですが、リスクを冒して敵の攻撃に飛び込んでいくことで大きなリターンを得ることができ、ハイリスクハイリターンの緊張感を味わえる武器種になっています。

――鉾盾と忍鉾盾、基本の部分は同じで、大きな特徴の違いはどこになりますか?
髙橋
鉾盾は、どっしりと構えたパワー型といった感じです。一方で忍鉾盾は、空中に浮いて盾を投擲するなど、相手を翻弄するような動きも多く、トリッキーな要素もあります。
柴田
鉾盾と忍鉾盾、ともに西洋風の見た目のものもあれば、和風、沖縄風、中華風とかなりバリエーション豊かな装備が出てきますので、集めがいもあると思いますよ。

――となると、防具の見た目もかなりバリエーション豊かなものが登場しそうですね。
藤田
江戸初期と言えば町人文化が花開いた時期でもあります。浮世絵や歌舞伎といった、色鮮やかなイメージをテーマにした装備もありますので、コーディネートもさらに深く楽しめるようになっています。
――なるほど。また、忍術なども追加されますが、事前に公開されていた短銃を連射する攻撃は追加忍術なんですよね?
髙橋
はい。プレイヤーの皆さんから「高杉の短銃を使いたい」といった声を多くいただいていたので、今回忍術として採用しています。忍術もいくつか追加しているので、ぜひ楽しみにお待ちください。
――そして、前作にあった“百鬼夜行絵巻”が形を変えて、新たに登場します。“百境百怪絵巻”は、どのような違いがありますか?
藤田
前作の百鬼夜行絵巻は、ステージや敵の構成などのパターンが、だいたい100種用意されていました。今回の百境百怪絵巻は、その内容が自動生成される仕組みになっているので、効果、特殊ルール、敵の構成なども含めると、数億パターンにパワーアップしています。ですので、超簡単なミッションになったり、ものすごく高難度になることもあったりと、遊びの幅が非常に広いです。


――さらに、3周目に新たな難度も追加されます。基本は前作の追加難度と同じ仕様ですが、こだわった部分があれば教えてください。
藤田
追加要素の“一難”は、敵の気力を削り切ったときにできる、組み討ちなどが有効なのは前作と同じです。ただ、『仁王3』は敵の気力をやや削りにくい仕様ですので、DLC発売時のアップデートで、気力まわりのバランスをしっかり取り直す予定です。
また、恩寵については、これまで十分に能力を発揮できなかったビルドに注目して、そこを強化するような性能が得られるようにもしました。たとえば、特定の属性に特化したビルドや陰陽術メインで戦えるようなビルドがあります。

――『仁王3』はいままでと違い、スタイルチェンジがあるので、ビルドの幅を想定するのも前作以上にたいへんだったのでは?
藤田
片方のスタイルで状態異常にして、もう片方でそれを長時間維持し続ける戦法ですとか、前作にはない戦いかたもできます。もちろん想定している部分もありますが、プレイヤーの皆さんの創意工夫で生まれたものもたくさんあります。そこは試しながら開発する楽しみの部分でもありますから、ぜひとも今後も想定外な、強力ビルドを組んでほしいです。
――しかも、スキルなども追加されるので、よりたくさんのビルドが見られそうですね。ちなみに、具体的にはどのようなものがありますか?
髙橋
よりビルドの幅を広げる、というところで、たとえば使役符や守護霊技を強化するスキルなどを用意しています。組み合わせることで、本編とは違った戦いかたが味わえるものがメインになっていますね。武技も属性が付くだけでなく、攻撃範囲や立ち回りが変わるようなものをおもに追加しています。

――新しい妖怪も追加されていますが、どのような基準で選んでいったのでしょうか。
髙橋
たとえば、“垢嘗(あかなめ)”が登場します。江戸が舞台なので、江戸の生活に根付いた妖怪を出したかったんですよね。風呂桶などに溜まった垢を舐める妖怪ということで、風呂桶に隠れています。
柴田
物語として錬金術が絡んでいるので、既存の妖怪も錬金術によって強化されていたりします。すでに登場した妖怪とも、これまでにない戦いが楽しめるようになっています。
髙橋
ほかにも“一目連(いちもくれん)”という妖怪も現れます。龍のような姿をした妖怪で、風を操ってきます。今回、風属性をテーマにした地獄が登場し、そこで属性を活かして攻撃してくるなど、これまでにない妖怪となっています。


――錬金術師たちも、やはり敵になるのでしょうか。
髙橋
はい。霊石を生成して飛ばしてきたり、いろいろな属性攻撃を仕掛けてきたりします。錬金術師らしい、研究の成果を活かしたような攻撃もあるでしょう。
――DLC第2弾は『天草大乱』のタイトル名だけ発表されています。やはり天草四郎時貞が絡むのだろうな、と予想していますが、実際のところはどのような内容になりますか?
柴田
DLCは2部構成になっていて、今回が前編、『天草大乱』が後編となります。おっしゃるように、江戸時代最大規模の乱だったという、天草の乱をテーマにしています。鋭意制作中で、なるべく早く皆さんにお届けしたいと考えていますので、まずは今回のDLCを遊びながら、続報をお待ちいただければと思います。
――『仁王3』をまだ遊んだことがない方々に向けて、メッセージをお願いします。
柴田
『仁王』は敵が手強いですが、それに対抗するたくさんの攻略方法を楽しめるシリーズで、『仁王3』はさらにいろいろな楽しみかたができるゲームに仕上がっています。 シリーズを初めてプレイする方は、動きが速い“ニンジャスタイル”のほうが戦いやすいかもしれません。
多種多様な装備品や要素はありますが、最初からすべてを使いこなす必要はないので気になったもの、気に入ったものをまずは使ってみて、徐々に攻略の幅を広げていくのもいいと思います。 どうしても詰まったら、マルチプレイで助けてもらうこともできますし。
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