ロゴジャック広告

『鉄拳』原田勝弘氏がバンダイナムコを2025年12月末で退職。『鉄拳8』を含む今後の運営・開発は鉄拳プロジェクトが引き継ぐことに

更新
『鉄拳』原田勝弘氏がバンダイナムコを2025年12月末で退職。『鉄拳8』を含む今後の運営・開発は鉄拳プロジェクトが引き継ぐことに
 『鉄拳』シリーズで知られる、バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏が2025年12月末で退職することを、自身のX(Twitter)で発表した

 原田勝弘氏は、営業職としてナムコ(当時)に入社。格闘ゲーム『
鉄拳3』からディレクターを務め、以降の『鉄拳』シリーズでディレクター、プロデューサーを歴任し、同シリーズを世界的な人気タイトルへと押し上げた。『鉄拳』シリーズ以外にも『ソウルキャリバー』シリーズや『ポッ拳』、VRの『サマーレッスン』などにも携わり、ゲームファンのあいだでも高い知名度を誇っている。

 また、自身のYouTubeチャンネル“はらだのばぁー”で、格闘ゲームのプレイヤーやゲームクリエイターを招いて、ゲーム開発者ならではの視点でトークをくり広げる一面も見せている。
広告

 今回の退職について原田氏は、『鉄拳』シリーズが30周年という大きな節目を迎えたこと、先輩や友人との死別があり自身の“開発者として残された時間”について考えたこと、退職についてプレイステーションの生みの親である久夛良木健氏に相談したことなどを明かしている。

 今後の詳細については明かしていないが、2026年1月の“鉄拳ワールドツアー ファイナル”にはゲストとして登壇するとのこと。併せて、「いつかやるよ」と話していたトーナメントイベントでのDJプレイの代わりに、
“最初で最後のDJ風60分ノンストップ鉄拳ミックス(原田氏による初編集DJ mix)”が公開されている

 また、今回の発表を受けて『鉄拳』公式Xでは、シリーズの今後の運営についてスライドを公開。その中で『
鉄拳8』を含む今後の運営計画や開発体制は、鉄拳プロジェクトとして引き継ぎ、原田氏が大切にしてきたコミュニティとの対話の精神を受け継いで、シリーズのさらなる発展を目指していくとしている。

 原田勝弘氏の退職に対する想いを引用し、記事の締めとさせていただく。

このたび、2025年末をもちまして、私はバンダイナムコを退職することにいたしました。
長く携わってきた『鉄拳』シリーズが30周年という大きな節目を迎え、ひとつの区切りとして最もふさわしい時期であると考えたためです。

私の原点は、日本のゲームセンターや、海外コミュニティの小さな講堂やコミュニティセンターで、まだ小規模なトーナメントをサポートしていた時代にあります。
アーケード筐体を自ら運び込み、「鉄拳もぜひ遊んでみてほしい」と声をかけながら、目の前の参加者と向き合った日々。
あの場で交わした言葉や空気が、私という開発者の核を形作りました。
時代が変化しても、あの経験が自分の中心にあります。
そしてトーナメントシーンが大きく成長した後も、皆さんは旧知の友人のように私に声をかけ、会場で対戦したり、バーで『一緒に飲もう』と誘ってくれました。
それらもまた、大切な思い出です。

ここ数年間、私生活においては友人達との死別があり、仕事においては、私が尊敬する多くの先輩方の引退や逝去に触れてきました。
そうした出来事の積み重ねが、私に『開発者として残された時間』について考える契機を与えました。
その過程で、私がもう一人の父親のように敬愛する久夛良木健さんにも相談し、貴重な助言と励ましのお言葉をいただきました。
この言葉もまた、今回の決断を静かに後押しするものとなりました。

そして、この4〜5年をかけて私の担ってきたすべての業務やストーリーや世界観、そして責務をチームに段階的に引き継ぎ、今日に至ります。
振り返れば、VR作品(サマーレッスンなど)や『ポッ拳』、ソウルキャリバーシリーズをはじめ、自社他社問わず数多くのプロジェクトに携わる機会に恵まれました。
いずれのプロジェクトも新しい発見と学びに満ち、かけがえのない経験となりました。

これまで支えてくださった皆様、世界中のコミュニティの皆様、そして長年ともに歩んできた仲間たちに深く感謝申し上げます。
次の歩みについては、改めて皆様にお伝えいたします。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

+あとがき
2025年末をもって退職致しますが、2026年1月末のTWT FINALには顔を出してほしいと会社からお願いされていることもあり、FINALにはゲストとして顔を出すと思います。
これまで30年間『いつかやるよ』と言い続けてやってこなかったトーナメントイベントでのDJですが、その代わりとして“最初で最後のDJ風60分ノンストップ鉄拳ミックス(私による初編集DJ mix)”も、今回のポストに合わせて公開します。

‘TEKKEN: A 30-Year Journey – Harada’s Final Mix’ by Katsuhiro Harada 1 is on #SoundCloud https://on.soundcloud.com/pEYofA4yXOwyC7lj0O

様々な思い出が蘇ります。改めて皆さんありがとうございました。

2025年12月8日 - 鉄拳30周年最終日 -
Katsuhiro Harada
出典:出典:原田勝弘氏公式X(Twitter)

原田勝弘氏関連インタビュー記事

この記事を共有

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

週刊ファミ通最新刊
週刊ファミ通表紙
購入する
ebtenamazon
電子版を購入
bookWalker