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ネットフリックスがワーナーを720億ドル(約11兆円)で買収。『ホグワーツ・レガシー』やモーコンなどを擁するゲーム事業への影響は未知数

byミル☆吉村

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ネットフリックスがワーナーを720億ドル(約11兆円)で買収。『ホグワーツ・レガシー』やモーコンなどを擁するゲーム事業への影響は未知数
 映像ストリーミングサービス大手のネットフリックス(Netflix)が、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を買収することを発表した。買収はWBD1株あたり27.75ドル、株式価値で720億ドル(約11兆1700億円)で行われる。企業価値は約827億ドルとされている。
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ワーナーやHBO、DCコミックスなどの巨大コンテンツがネトフリ傘下に

 ワーナーは100年以上の歴史を持つ巨大コンテンツ企業。映画事業だけでなく、『ゲーム・オブ・スローンズ』などのHBO系のドラマ、スーパーマンやバットマンなどのDCコミックス系のものなど、膨大な作品ライブラリーと世界的フランチャイズがネットフリックス傘下に加わることとなる。

CNN、ディスカバリーなどのテレビ系事業は別会社に

 一方この取引には、報道機関のCNNやディスカバリーなどの放送系事業や、米TNTスポーツ、スポーツ系ウェブサイトのBleacher Reportといったスポーツ系報道事業などは含まれない。

 これらの事業はWBDとは別のDiscovery Globalとして分離することが2025年6月に発表されており、これは2026年第3四半期に完了する見込み。今回のネットフリックスによる買収取引は、その分離完了の後でWBD部分について行われるものとなっている。

モーコン、レゴ、ホグワーツ・レガシーなどゲーム事業の再編は?

 またワーナー傘下では、ワーナー ゲーム(WB Games)がゲーム事業として運営されてきた。バットマンなどのDC系ゲームや、格闘ゲーム『モータルコンバット』などの旧ミッドウェイゲームズ系の作品、根強い人気を誇るレゴフランチャイズのゲームなどを持ち、近年でもハリー・ポッターのオープンワールドアクションアドベンチャー『ホグワーツ・レガシー』をヒットさせている。

 しかし
業界ニュース系サイトのGame Developer誌によると、WBDの担当者からゲーム部門が取引に含まれることが確認できたとしているものの、ネットフリックス側の発表などにはゲーム事業はほぼ言及されておらず、今後の行方は不透明だ。

 ネットフリックスは同社のサブスクリプションサービスの一環として2021年からゲーム事業をスタートさせ、アドベンチャーゲーム『
Oxenfree』シリーズのNight School Studioなどのゲームスタジオを買収したり、AAA(超大作)級のゲームの自主開発を構想してスタジオ設立などを行ってきた。

 だがその後方向を修正するに至っており、直近でもロックスター・ゲームスの『
レッド・デッド・リデンプション』のモバイル版を配信するなど依然として精力的にリリースを行ってはいるのだが、モバイルゲームに特化し、自社開発作品は小さめのタイトルで、大きな作品は外部パブリッシャーとの契約で配信するような傾向に留まっている。

 ゲームスタジオSpry Foxを創業者に売り戻して再独立を認めたり、前述のAAAスタジオも閉鎖が伝えられるなど、傘下スタジオの自主開発力を整理している節がある中で、ネットフリックスがオリジナルの大作ゲームを手掛けてきたワーナー ゲームをどのように扱っていくのか(あるいは再分割や部門整理に至るのか)、ゲーム業界にとっても注目と言えるだろう。
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