『電脳戦機バーチャロン』マスターアップ30周年。“操縦”を体現したツインスティックによる操作が革命的だった3Dロボット格闘ゲーム。カトキハジメ氏のメカデザインも秀逸【今日は何の日?】

byウワーマン

『電脳戦機バーチャロン』マスターアップ30周年。“操縦”を体現したツインスティックによる操作が革命的だった3Dロボット格闘ゲーム。カトキハジメ氏のメカデザインも秀逸【今日は何の日?】

多くの作品に影響を与えた3D空間でのバトルが熱かった

 1995年(平成7年)11月27日は、アーケード版『電脳戦機バーチャロン』がマスターアップされた日。この日を公式では誕生日としており、本日でシリーズ誕生から30周年を迎えたことになる(※)。
広告
※アーケードゲームは地域によって稼動日に差があるため、稼動開始日は正確に残されていない場合が多い。
 『電脳戦機バーチャロン』は、セガから発売されたアーケード用の3D対戦アクション・シューティングゲーム。ストーリー上の設定“オペレーション・ムーンゲート(Operation Moon Gate)”にちなみ、初代作品を『O.M.G.』あるいは『OMG』などと表記することもあるようだ。

 いままでになかったロボットどうしのスピーディーな3D対戦の実現や“ツインスティック”を使用した独自の操作による没入感の高さは、当時のゲームセンターに大きな衝撃と新風を巻き起こしたと言っていいだろう。

 対戦格闘ゲームのブームの只中に突如現れて驚いたということもあるが、格闘ゲームの熱量をそのまま持ち込んでロボットどうしの対決でぶつけ合えたのが筆者的にはいい思い出。3Dアリーナでの対戦という形式は、後の多くの3D対戦ゲームに影響を与えたんじゃないかな。
[IMAGE]
 本作の物語は“電脳暦”の世界を舞台にくり広げられる一大叙事詩。あまりにも壮大なので一度、公式サイトで確認してもらいたいところだが、初代『電脳戦機バーチャロン』の設定を掻い摘んで説明すると以下の通り。

 月で発見されたオーバーテクノロジーにより、人型兵器“バーチャロイド(VR)”が開発され、企業国家“DN社”によって極秘裏に運用されていた。しかし、月遺跡が暴走の危機に瀕し、これを阻止するための極秘作戦“オペレーション・ムーンゲート”が実施される。

 プレイヤーはVRパイロットとして遺跡の暴走を食い止め、地球の危機を回避する限定戦争に参加することになる……といった具合だ。
[IMAGE][IMAGE]
 『電脳戦機バーチャロン』が熱かったのは、高速かつ立体的な機動による対戦を実現させたこと。ロボットによる3D空間での激しい攻防は、誰もが『機動戦士ガンダム』のようなアニメを想起して激アツだった。

 独自の操作デバイスであるツインスティックは、シンプルに人型ロボットを操縦しているという感覚をプレイヤーに与え、没入感と高揚感を極限まで高めてくれた。専用筐体(※)も大きくて、コックピットを模していたことも拍車をかけた。従来のゲームにはなかった操作感覚はいまも忘れられない。
※本作は大型筐体専用というわけではなく、アストロシティやバーサスシティなどの汎用筐体で稼動していることもあった。

 これは余談だが、2018年にプレイステーション4(PS4)用ソフト『
電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』(バーチャロン)が発売された際に、タニタ社長の谷田千里さん(本シリーズの大ファン)がツインスティックが発売されないことを知り、「それなら弊社に作らせてほしい」と要請、クラウドファンディングを活用して実現させてしまっている。ついでに"TANITA CUP"なる大会も開催したりしていてすごいのひと言。

 『機動戦士ガンダム』シリーズをはじめ、数多のアニメやゲームのメカデザインを務めるカトキハジメ氏を起用したバーチャロイドの存在も本作の魅力のひとつ。テムジンやバイパーII、ライデンなど、スタイリッシュで個性豊な機体群はゲームファンだけでなくロボットファンの心も掴んだと思う。

 機体のデザインを見るだけで近接戦闘タイプや遠距離タイプなど、直感的にわかりやすいところもよかった。それぞれのプレイヤーが自分の戦闘スタイルにマッチする愛機を見出し、乗りこなしていたはずだ。
[IMAGE][IMAGE]
 1998年3月には続編『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』が稼働を開始してさらなる人気を博した。以降『電脳戦機バーチャロン フォース』、家庭用ゲーム機にハードを移して『電脳戦機バーチャロン マーズ』、前述の派生作品『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』(バーチャロン)とシリーズを発売していった。

 いま『電脳戦機バーチャロン』で遊びたいなら、もっとも手軽なのはプレイステーション4用ソフト『
電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』になるだろう。初代作品のほか『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム Ver.5.66』、『電脳戦機バーチャロン フォース』の3タイトルがセットになっている。
記事内の画面写真は『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』のもの。
      この記事を共有

      本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

      週刊ファミ通最新刊
      週刊ファミ通表紙
      購入する
      ebtenamazon
      電子版を購入
      bookWalker