【マブガル】“マブラヴ”検索時、まりもの悲惨な画像ではなく、かわいいイラストが出てくるように。IPを長く続けたいからガラリと変えた『マブラヴ ガールズガーデン』インタビュー

byBRZRK

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【マブガル】“マブラヴ”検索時、まりもの悲惨な画像ではなく、かわいいイラストが出てくるように。IPを長く続けたいからガラリと変えた『マブラヴ ガールズガーデン』インタビュー
 2025年7月1日にDMM GAMESを運営するEXNOAと、KMS GAMESによる『マブラヴ ガールズガーデン』(以下『マブガル』)が発表された。これまでのマブラヴシリーズとは雰囲気の異なるテイストで制作されている本作に驚いたファンも少なくないだろう。かくいう筆者もそのひとりだ。

 本作の立ち位置はマブラヴ最新作。続編などではなく、ストーリーに直接的なつながりがあるわけではないというが、果たして。今回本作の開発陣に、インタビューをする機会に恵まれたのでその模様をお届けしたいと思う。
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※この記事はDMM GAMESの提供でお送りします。 ※記事内で使用しているゲーム画像は開発中のものです。[IMAGE]

西村幸

EXNOA『マブラヴガールズガーデン』プロデューサー。『天啓パラドクス』などを手掛けてきた。文中、西村P。

石渡真人

KMS GAMES『マブラヴガールズガーデン』プロデューサー。美容師、DJ、エンジニアと変わった経歴を持つ。2016年、ゲーム事業立ち上げ当時から在籍。エンジニアとして多くの開発を経て現在はゲーム全体のディレクションを担当。『天啓パラドクス』のプロデューサーを務めた。文中、石渡P。

tororo

マブラヴ統括プロデューサー。『D.C.~ダ・カーポ~』などを手掛けてきた。

タシロハヤト

シナリオライター。マブラヴシリーズや『君が望む永遠』などâgeタイトル全般に携わり、本作においては世界観構築を担当する。

“マブラヴ”というIPを長く続けたいという思いから生まれた『マブガル』

――早速ですが、まずは本日のインタビューにご参加いただいた皆さまの役割について教えてください。

tororo
 マブラヴブランド統括プロデューサーのtororoです。役割はマブラヴというコンテンツを未来につなぐ係です。公言しているのですが、僕自身がものすごくマブラヴに詳しいというわけではなく、原作者の吉宗鋼紀さんとは友達ということもあって、5年ほど前からお手伝いをしています。コンテンツをいかに長く続けさせるかということを考えるのが基本スタンスで、今作も同じように動いております。

西村P
 合同会社EXNOAでプロデューサーをやっています。今回マブラヴのIPで何かできないかを、tororoさんにご相談をさせていただきました。

石渡P
 KMSで開発担当のプロデューサーを担当しております。西村さんから今回の企画をいただき、マブラヴをどういった形でゲームに落とし込んでいくかを関係者の方にお話をうかがいながら、より多くの人にどう届けていくか、現場指揮をしながら開発を進行しています。

タシロハヤト
 僕は世界観の構築とメインシナリオのプロットの制作に関わっています。元々マブラヴを作っておりまして、今回はそのご縁でお声がけいただききました。

――本作がどういったゲームなのか、概要とゲームシステムを教えてください。

石渡P
 マブラヴ最新作となっており、ゲームシステムとしては放置系のフルオートRPGです。DMM GAMES/FANZA GAMESにて配信予定で、Web版、Android版とPCのダウンロード版(DMM GAME PLAYER)で展開予定となっております。
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――イラストの雰囲気からも、『マブガル』はこれまでのシリーズとは雰囲気が異なるものになっていると思うのですが、どういった経緯で本作のこの世界は生まれたんでしょうか。

tororo
 どこから話せばいいのか迷うのですが、『マブラヴ』は、当初“EXTRA編”という、いわゆる学園モノのところが入り口だったんです。当時学園モノが流行っていた時に、「おっ? 学園モノかい?」って入ってきたプレイヤーをどん底に落とした挙句に「すごいなこの作品!」って思わせたのが『マブラヴ オルタネイティヴ』(以下、『オルタ』)じゃないですか。

 そういうところからシリーズの原点は学園モノだと思っているのですが、いま新規のお客さまを獲得するには、単なる学園モノをリリースしても『マブラヴ』や『オルタ』へのブリッジにはならないので、女の子のキャラクターのかわいらしさを感じられつつ、バトルもあるソシャゲを楽しんでもらい、改めてマブラヴの世界に入ってもらうのがよいのではないかと。それでEXNOAさんと話し合いながら進めたのですが、とてもよい形になりそうだと感じています。
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――マブラヴというIPを長く続けたいという思いが根底にあるのですね。ちなみに原作者の吉宗鋼紀氏は関わっているのでしょうか?

tororo
 基本的には関わってないです。

――吉宗氏へ今後何かオーダーはするのでしょうか?

tororo
 どこかでコラボなどのオファーをする機会があるかもしれませんが、今のところ予定はないですね。

――KMSさんの携わったタイトルは女の子がかわいいゲームが多いですが、今回KMSさんが開発なのも、それが理由なのでしょうか?

西村P
 はい。石渡さんが前に携わっていたタイトルでいっしょにお仕事させていただく機会があって、キャラクターの魅力を作るのがすごく上手ですし、開発力がすごい会社さんだと感じました。あとはよりよいものを作っていくためにどうするのかということに対し、すごく熱量がある会社さんだったので、今回マブラヴという大きなIPを持って開発するんだったらまずはKMSさんに相談しようと思いました。

――最初お話聞いた時、石渡さんはどうでした?

石渡P
 大変なものが来たなと(笑)。今回は本当にめちゃくちゃ悩みました。

――後ほどぜひ詳しく教えてください(笑)

「マブラヴじゃん!」と思ってもらえるような設定も

――本作のストーリーはどういうものになりますか。

タシロハヤト
 あまりネタバレせずに紹介しますと、“ザルトゥーム島”という大きな島が舞台です。この島には大きな特徴があって、全貌がわからないぐらい大きな穴が開いていて、その穴が“メイズ”と呼ばれています。そこに入ると生態系の違う空間が広がっていて、とにかく謎が多いんですけど、希少かつ貴重な“タツミヤ鉱”と呼ばれる鉱物を獲得できます。この鉱物を手に入れると金銭的にも政治的にも優位に立つことができ、覇権への近道とされているため、さまざまな勢力がここへ集まってきます。

 でも、この島が無法地帯になってしまっているので、各勢力から人を呼び共同で管理をし、メイズに潜って鉱物を取りに行くための教育をする学園を作りました。それがヒロインたちや主人公が所属している“ザルトゥーム学園”になります。その過程でヒロインたちと仲良くなったり、戦ったりする、という感じの学園物語ですね。
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――メイズには敵勢力というか、敵生物がいるかと思うのですが、BETA(マブラヴシリーズに登場する人類の敵)とはまた違うものですか?

タシロハヤト
 敵勢力の正体はまだわかっていません。探索が行き届いてないからなんとなく「突然変異みたいなものがいた」というレベルの知識で、先に進むとどういうものが出てくるのかはまだわからないです。

 BETAはそのうち出るかもしれないし、出ないかも(笑)。でも、物語としてはトータルで「マブラヴじゃん!」て言ってもらえるような仕込みもありますので、ご期待下さい。

――これまでにその探索失敗した人たちが異形になってるとかも……。

タシロハヤト
 あるかもしれないですね。メイズはとにかく大きな穴で、ちょっとズルい入りかたもあるので。

――正規ルートじゃない侵入のされかたもしていると。

タシロハヤト
 それだけ大きいんですよね。なので、横から鉱物を手に入れるような不届きな奴らも勝手に侵入して、勝手に死んでたりとかも多分あるはずなんですよ(笑)。ただ、本来メイズに入るには適性がないと体がやられちゃうので、長時間は入っていられないという設定もあります。

――ここまで注目されているタツミヤ鉱とはどういうものなのでしょうか? ただ、この質問は物語の核心に近いような気がしますが……。

タシロハヤト
 この穴という存在や、希少鉱物というこのキーワードから、シリーズのファンの方は連想できるものがあると思いますが、まずは想像にお任せできればと思います。配信を楽しみにお待ちください。

――ザルトゥーム学園の成り立ちは先ほども軽く触れられましたが、もう少し教えていただけますか。

タシロハヤト
 学園とは言いながらも、そこに来ている人たちは僕らの世界でいう小学校、中学校、高校みたいな意味での学園ではなくて、専門学校や訓練校といったほうがイメージしやすいかもしれません。登場人物は年齢もバラバラです。すでにお仕事をされている人もいるのですが、適性検査を受けて適性があることがわかると、エリート街道まっしぐらな世界です。なにしろ一攫千金ですから、学園に入って頑張ろうという感じですね。

 ただ適性検査はある程度の年齢になると行われるので、年齢の近い子たちがやってくるっていうことにはなっています。

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――マブラヴシリーズには戦術機と呼ばれるメカが登場しましたが、本作は人型機械メイズ・ガーダー(通称MG)となっています。これは世界が違うので呼称が違うという理解でいいのでしょうか?

タシロハヤト
 お答えするのが難しいのですが、皆さんが当然疑問に思うことではありますので、そこはうまく小出しにしていければと思います。

 そもそもシリーズを知っている人からすれば「何これ? おかしいぞ!」と思うようなことを本作の登場人物はまったくおかしいと思っていない、というのがいちばんの不思議なんですよね。

西村P
 これまでのシリーズとは全く異なる舞台なのに、戦術機と近しいMGがあるというのには全部意味があります。
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――なるほど……。

tororo
 もちろん本編とのつながりもいろいろと考えてはいるのですが、今回はファンタジーで、ガチガチのSF作品とも違うので、考察ばかりに寄ることなく、すっと入って楽しめるような方向性にはなっています。

タシロハヤト
 そうですね。ファンの方はこれまでのシリーズとのつながりを探す楽しみも持ちながらも、しがらみにとらわれず自由に受け止めてほしいです。ゼロベースでも楽しめるようになっているので、これまでのシリーズを知らない方にもぜひ遊んでもらいたいですね。
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“マブラヴらしさ”を大事に。でもマブラヴらしさって?

――ガラリと雰囲気を変えて新規層も取り込みたいという思いもある中で、人気の原作ありきのIPでもあります。本作を制作するにあたり、大切にしたマブラヴらしさはありますか。

西村P
 マブラヴと聞くと、過酷な状況でひどい目に遭うようなイメージもあるのかなと思っています。でもマブラヴってそれだけじゃなくて、自分の信念に向かって突き進んでいく武(『マブラヴ』と『オルタ』の主人公)の姿をはじめ、キャラクターの魅力も大きいので、その比重を強くしようと企画の段階で話し合いました。

――石渡さんはいかがでしょうか。

石渡P
 はい……、チームの中で統一されておらず、タシロさんにもだいぶお叱りを受けましたね(笑)。
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――そこを詳しく教えていただけますか(笑)。

石渡P
 我々の中でも、作っていくうえで「じゃあ“マブラヴらしさ”ってなんだ」というのはすごく悩んだ部分でもあります。ガワを真似するのは簡単ですが、それだけだとこれまでのシリーズとの差がより際立って、浅いものになってしまいます。

 僕は発売当時は『マブラヴ』をプレイしてなかったので、EXTRAからUNLIMITED、そして『オルタ』という流れをプレイしたのですが、この3部構成で完成する作品だなと身をもって感じました。

 やはり導入部となるEXTRAの要素がないと、僕が受けたような感動体験は得られないだろうなと思い、どうやってこの学園部分を持ってくるかを最初に考えてました。西村さんからもあったように、1人1人の生きざまとか信念を貫いていく熱い姿をシナリオで作っていきましょうと、そこでようやくみんな同じ方向に向かって進めるようになったかと思います。

――PC・スマホゲームとして作る際に、いくつか選択肢があったと思うんですけど放置ゲームにした理由は何かあるのでしょうか?

石渡P
 これに関しては市場の話になってしまうんですけど、すでにたくさんのゲームが出てる中で、可処分時間をどれだけユーザーの方にとってもらえるかというところを考えて、あまり負担のない形でプレイできるようにしようと思いました。

 あと、今回このIPを使わせていただくにあたり、やっぱりいちばんにシナリオを推したいと考えたんです。そこまでバトル大好きな人でなくてもクリアーできて、シナリオを読む時間を割いてもらえるかのバランスを考えると、放置型であれば手軽に遊べて、読みたい時にじっくりシナリオを読んでいただけるのではないかと思いました。
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――タシロさんは、PC・スマホゲームに物語を落とし込む時に、意識した点はありましたか?

タシロハヤト
 今回自分は、世界観の構築とメインシナリオプロットの作成に集中しているので、ゲームシステムにもシナリオにもノータッチです。その立場としては、PC・スマホゲームだからというよりマブラヴの裾野を広げることを意識しました。

 マブラヴの専門知識は少ないが素晴らしい物語を書けるライターさんは大勢います。そういう方に物語を動かしてもらうことで、様々なお客様に興味を持ってもらえることを期待しつつ、ライターさんもお客さんも緩やかにマブラヴに染まっていけば……という(笑)。

『マブガル』には遡れないシナリオ分岐もある

――ザルトゥーム学園には校舎やチームによっていろいろな勢力が築かれています。それぞれのバックグラウンドにある物語はキャラクターとの交流を深めることで紐解かれていくのか、それとも物語を進めると自動的にそれが消化されていく形なのでしょうか?

石渡P
 もちろんキャラクターのシナリオの中でも描かれるパターンもありますが、今回のゲームのシステムで特徴的なのが選択肢によるルート分岐です。シナリオによっては、AというキャラクターとBというキャラクターがいたとして、どちらかのルートしか見れません。なので、ユーザーには本当に自分が気になったルートを選択して、自分だけの物語として楽しんでほしいと思います。

――スマホゲームだとシナリオを遡って異なる選択肢を選ぶことができますが、それができないんですね?

石渡P
 今回はできないようにして選択に重みを持たせています。

――じゃあシナリオが分岐してる部分は割と考えて選ばないといけませんね。

tororo
 非常にマブラヴらしい点ですね。

――どっちを選んでも結果は変わらない”なんちゃって分岐”ではないですよね?

石渡P
 ではないです(笑)。なのでもうルートが本当に違うんでタシロさんがすごく大変。

タシロハヤト
分岐しっぱなしとはいえ、やっぱり情報量が偏りすぎるといけないのと整合性も必要ですし。

――となると、死亡するキャラクターとか出てきそうな雰囲気があるんですけど……。

石渡P
 これはなんと言えばいいですかね。

タシロハヤト
 その辺は明るく楽しくをモットーに(笑)。

西村P
 はい。ベースは楽しい学園生活なので(笑)。
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――学園にはいろいろな勢力があると思うんですけど、新キャラクターとして転校生が現れたり、新たな勢力が増えたりといった変化はあるのでしょうか?

石渡P
 チームはもちろん増えていきます。最初はシリウスシュガーというチームを中心として物事が進んでいるのですが、そのほかのチームの子たちと主人公が関わって物事を進めていくこともあります。ですのでローンチのタイミングで出ているキャラクターがすべてではないです。
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一条白奈
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鳴滝七彩
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桃園める
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月ヶ瀬ちゆる
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朽葉ラミ
――チャプターごとにその主軸が変わってくという感じでしょうか?

石渡P
 チャプターごとに絶対変わっていくわけではないですが、物語の進行とともに少しずつ変わっていくので、いろいろな生徒といっしょに物語を進めていけるかと思います。

――ナビゲーターっぽい子が頭をかじられていて、白陵柊の制服にも衛士強化装備にも似ている服を着ているようです。何かシリーズ作品と関連性があるのかというのはファンも気になるところだと思いまして、触れないわけにいかないので何かコメントをいただけますでしょうか。

石渡P
 ナビゲーションのピコですね。現状はあまりお話ができないのですが、ただ、誰が見てもマブラヴを想起できるデザインにしたかったという意図もあります。シナリオ進めていくにつれて少しずつ紐解けるかもしれないです。
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ピコ

「コックピットはマブラヴらしくするな」のオーダーも

――本作の人型機械メイズ・ガーダーはかなりポップなデザインですが、どういう風に本作に戦術機を落とし込みましたか。

石渡P
 もちろんいまは大丈夫なのですが、初めてマブラヴをプレイした時、僕には戦術機の見分けが難しかったんですね。やっぱり初めて触るユーザーの方にどうやって見せていくかを考えると、ぱっと見で「この機体にはこの子が乗っているんだ」というのを色と形を含め、紐付けしやすいように考えて作りました。
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――キャラクターごとの専用機があったり、機体ごとにどこかの勢力専用だったりするのでしょうか?

石渡P
 キャラクターに機体が基本的に紐づいています。それから学園の中にいくつかの校舎があるのですが、その校舎によって配備されている機体が異なる感じですね。戦術機はもうデザイン的に完成しているので、どうアレンジしたらいいものかを考えるのはかなり難しかったです。

西村P
 原作だと戦争のある世界ということで汎用的であることが特徴のひとつだったのですが、そこを打ち消して搭乗するキャラクターに寄せるのが大変でしたね。

――本作ではコックピット内の様子がうかがえるシステムを導入していますが、資料を見る限り、かなり作り込まれている印象です。
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石渡P
 コックピット周りは、何回作り直したかちょっともうわからないです……(笑)。

西村P
 多分4、5回ぐらいですね。

石渡P
 最初は全然違っていましたよね。キャラクターを見せたいし機体も見せたい。両立させるためにモックを何度も作っては壊してを繰り返し、「これでどうだ!」というのをtororoさんに見せたら「このコックピットは駄目だよ」と言われてデザインを一新しました。

 原作の戦術機からメイズ・ガーダーに変わったので、オリジナルとも言えます。なので、原作を遊んだ人も、これから触る新規の方でもいっしょに楽しめるんじゃないかと思います。

――tororoさんは、どういうところをチェックされたんですか?

tororo
 僕は逆にマブラヴに近かったからダメだと言ったんです。ぶっ壊すんならもっとぶっ壊してください、行くならもっと行ってくださいと。でないと、あえてガラリと変えて『マブガル』にした意味がないかと思いましたので。

――資料だとコックピット関連の詳細が伏せられていましたが、あれはもうバリバリにキャラクターが動くということでしょうか。

石渡P
 動きますし、色々と揺れます(笑)。

西村P
 ダメージをくらった時も攻撃する時もいろいろなアクションが見れますので楽しみにしていただければなと。

『マブガル』は「大丈夫、怖くない」

――お聞きしてる感じだとEXTRA編寄りの楽しい学園生活を送れる世界観であることがわかりました。皆さん、この世界をこれまでのマブラヴシリーズとどう差別化しつつ、運営していきたいと思っていますか。

西村P
 学園生活をとにかく楽しんでもらおうというのが、大きなコンセプトです。そこを重要視しつつ、いい意味で皆さんの期待に応えるのか、逆に裏切るのか(笑)。どういう形なのかはさておき、プレイヤーの方を驚かせていきたいですね。

石渡P
 今回『マブガル』を触った上で、マブラヴに興味持ってもらえる人が増えたらいいなと思っています。本編とは少し違うアプローチを取っていますが、楽しい学園生活をベースに、メイズを含めてさまざまな謎を解き明かしながら、生徒の生きざまを見て楽しんでほしいですね。
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タシロハヤト
 マブラヴシリーズって学園世界を舞台にしてても、戦争世界を舞台にしてても、やってることはあんまり変わってないんですよ。キャラクターそのものの置かれた環境こそ違いますが、すごい重要な問題を抱えながらも毎日を頑張って生きている。

 たとえばスポコンのお話で、明るく楽しく描いてもその子たちはやっぱり大変だし頑張るし、進んでいくための熱量がある。で、かたやそれが戦争世界で命のやり取りだったとしても、困難を乗り越えて進んでいこうという熱量があるので、基本的にやっていることは同じなんですよね。

 今回の物語は明るく楽しい学園モノとは言っていますが、そこで生きてる子たちはそれなりの悩みもあるし、楽しいこともいっぱいある。そういうものが描ければいいと思っています。世界は違っても同じ匂いみたいなのが伝わればうれしいです。
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tororo
 僕はマブラヴをやらない理由をなくしたい、ですね。“マブラヴ”で検索した時に、まりもちゃん(マブラヴ シリーズの登場人物で主人公・白銀 武の恩師、『オルタ』本編の世界で壮絶な目に遭う)の悲惨な画像が出てくるより、『マブガル』のかわいいイラストがたくさん出てくることでハードルを下げたいと思っています。

 やってるうちに必ずマブラヴシリーズに関係するものが出てくるので、そういうところをきっかけに本編にも入ってほしい。このプロジェクトで僕はマブラヴ全体としての裾野を広げたいと思っています。
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――最後に、読者に対してのメッセージをお願いできますか。

西村P
 まずは、怖がらずに。

tororo
 大丈夫。怖くないよ。
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――(笑)。石渡さんはどうでしょうか?

石渡P
 じゃあ僕も怖がらずにって言いたいんですけど(笑)。僕の世代がちょうど20才前後で『マブラヴ』や『オルタ』に触れた人が多くて、業界人でも同じ年代の人にマブラヴにいい意味で脳をやられちゃった、みたいな人が多いんですよね。なので、僕は自分と同じぐらいの年代の人に『マブガル』をプレイしてほしいなと思いますし、1回本作を遊んで頭をフラットにしてから、本編を遊んでほしいですね。

タシロハヤト
 今までのマブラヴとはちょっと毛色の違う新しいその切り口のものができるので、ぜひそれを楽しんでいただきたいなと思っています。で、お気軽に本編に入って来てくださいねという感じです。

――では最後に、tororoさんお願いします。

tororo
 いま、ほかに『Muv-Luv Tactics カーリダーサの悪夢』というシミュレーションRPGも作っているんですが、これも『マブガル』も、ちゃんと考えてやったら遊べるゲームになっています。

 前に出した『
Project MIKHAIL: A Muv-luv War Story』(プロジェクト ミハイル)はプレイスキルが要因の難しさがあって、アクションゲームが苦手な人が触ると積みゲーになりがちだったんですが、『マブガル』は放置型なので、遊びやすくなっているかと思います。ちょっと詰まっても頑張ればいつかは勝てるようになっているので、ぜひ遊んでいただいて、マブラヴブランドへの入り口の一柱になってほしいです。

――本日はありがとうございました。

 以上、短い時間ではあったが『マブラヴ ガールズガーデン』の制作陣へのインタビューの模様をお届けした。これまでのシリーズとは大きく異なる世界観に戸惑ったファンもいるかもしれない。しかし、それは新たにマブラヴの世界へと誘うための一手だったのだ。シリーズ世界と何かしらの繋がりを彷彿とさせるような仕掛けもありそうだ。
 
 筆者も改めて“マブラヴ脳”をフラットにしたうえで、正式リリースされた際には本作を遊んでみたいと思う。
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集計期間: 2025年07月17日01時〜2025年07月17日02時