『みんなのGOLF WORLD』先行レビュー。新操作モードはシリーズ未経験者でも超やりやすい。"カラフルストローク"はパーティーゲーム感が強め

byオクドス熊田

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『みんなのGOLF WORLD』先行レビュー。新操作モードはシリーズ未経験者でも超やりやすい。"カラフルストローク"はパーティーゲーム感が強め
 『みんなのGOLF WORLD』は、初心者にも「もっとやりたい!」と思わせるほどに楽しい。これが5月某日に行われた『みんなのGOLF WORLD』のメディア向け体験会で、シリーズ未経験者の筆者が遊んだうえでの感想だ。
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 本作は、バンダイナムコエンターテインメントより2025年9月4日発売予定のNintendo Switch、プレイステーション5、Steam用ソフト『みんなのGOLF WORLD』(Steam版は9月5日発売予定)。28年続く『
みんなのGOLF』シリーズの最新作ということもあり、個人的には「いまからこのシリーズを遊んでも楽しめるのか」というのが少し疑問ではあった。

 ただ、そんな杞憂も吹き飛ばすほど、『みんなのGOLF WORLD』はしっかり初心者に向けて拓かれたタイトルになっている。それは恐らく、新たに追加された操作モードの影響が大きいのだろう。
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新たな操作タイプがとっつきやすい。もちろん従来の操作タイプも実装

 『みんなのGOLF WORLD』では、シリーズ伝統の操作タイプとは加えて、近年のゴルフゲームなどを参考にした操作タイプが用意されている。経験者として帯同していた編集者によると、

  • 事前にかけるかスピンを決められる(もちろんスピンをかけないことも可能)
  • カメラ操作が簡略化され、ワンボタンでボールを飛ばす先が見える

 などの要素が追加されているとのこと。
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画面中央の赤い十字を動かすことで、スピンの方向を決められる。この画面ではボールは緩やかに回転しており、十字の位置を調節すると回転方向や回転数が変わり、直感的にどういうスピンがかかるのか理解しやすい。
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ボールの位置までカメラを持っていくのもすぐ。方向の調節などもやりやすい。
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打つのは×ボタン。ここも操作タイプで変わる。

 筆者は実際にこの新たな操作タイプでしばらく遊んでみたのだが、15分ぐらいである程度の慣れを感じ、やりたいように操作できるように。ゲーム内にあるチュートリアル的なモードを経ていないので細かい仕様などは理解していないものの、「こう打ちたい」、「あそこに飛ばしたい」と思って、だいたいその通りに打てるようになるまであまり時間はかからなかった印象だ。
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最初は往復するゲージの意味がわからず、悲しみの演出から5ヤードしか飛ばない……みたいなことばかり起きていたが。
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理解してからはしっかりナイスショットが打てるように。

 筆者自身、ゴルフゲームや実際のゴルフの経験はなく、
『風の大地』や『あした天気になあれ』などのゴルフマンガを読んだことがあるぐらい。なんとなく作中に出ていた用語を思い返しながら打ちかたのイメージを固めていく感じでプレイしていた。それでもなんとなく思ったようになるのだから、この操作方法が遊びやすいのは間違いない。

 もちろん従来と同じ操作タイプも実装されているので、慣れているユーザーはそちらを使えばいいだろう。
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操作タイプは大別して3つ。新操作と従来操作、それとカメラ操作だけが新仕様になった従来操作タイプがある。

 体験会の前、プロデューサーより『みんなのGOLF WORLD』についての簡単な説明があったのだが、その際「初心者でも経験者でも楽しめるように」というワードが頻出していた。実際プレイした感覚として、その言葉にはなんの偽りもないように思える。もちろん、経験者側の観点はわからないものの、経験者である編集者がなんの説明も読まずスイスイプレイしていた姿を横から見ていたので、恐らく過去の感覚でしっかりプレイできるように作られているのだろう。
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「従来操作はどうやってスピンかけるんですか?」と聞いたところ、「打つときにタイミング方向キーを入力すればスピンがかけられる」と言われた。できる気がしない。
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でもちゃんと綺麗に打つんだから流石である。

 ほかにも本作からの要素として、実際のプレイ時間に応じて天候が変化する仕様になったという。つまりは急に雨が降ったり、コースによっては雪が降ったりすることがあるそう。雨の抵抗と地面のぬかるみによりラン(転がり)が少なくなり、どう戦うのかを考えるなど、コンディションを戦略に組み込みながら、コースを回っていく必要が出てくる。
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 天候の変化だけではなく、朝→昼→夕→夜という時間の変化も。夜は昼と比べてちょっと見にくくなるが、プレイに差支えはない程度に感じた。雰囲気ぐらいのものと考えるのがいいのかもしれない。とはいえ試遊時間は2時間ほどだったため、徹底的に時間による変化を検証したわけではないことにはご留意いただきたい。
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でもその雰囲気がいい。じんわり日が暮れていく中でラウンドするのはかなり楽しい経験だった。
 残念ながら体験会の環境では堪能できなかったが、本作は音などもかなりこだわって作られているらしく、実際にコースで録音した生音を使っているとのこと。アマチュアとプロによる音の違いや、ボールがカップに入るカップ音まで、徹底して作りこんでいると説明があった。操作感はカジュアルだが体験はリアルにしよう、というプロデューサーの意気込みがうかがえる。
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ほかにも新要素として、“ユーティリティ”のクラブ(画面左下の5U)が登場。ウッドとアイアンの中間を担う、プロなどでも使われているクラブだ。

初心者vs経験者でも楽しめる“カラフルストローク”でわちゃわちゃ遊ぶ

 試遊時間があと30分ほどになったタイミングで、折角なので編集者といっしょに遊んでみることに。選んだのは新たに実装されたバラエティモードの“カラフルストローク”。

 カラフルストロークは、ボールを打った地点に応じてランダムのイベントが起こる特殊モードだ。たとえば急に風がなくなるようなシンプルなものから、特定のプレイヤーだけカップが5つに増えたりする特殊なものまで。わりとカオスで無茶苦茶なことが起こる。
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ボールに沿って地面がさまざまな色で光り出す。まさにカラフル。
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有利な青マスに止まったことでグリーンのカップが5個に! ありがたいけど違和感がすごい。
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ちなみにひとつのコントローラーでマルチプレイが可能。操作タイプもプレイヤーごとに割り当てられる。

 さらに、自分のターン中には特殊なアイテム“ドキドキチケット”を使うことで自身の強化や他者を妨害することもできる。うまく強化を使えば、PAR5のコースでも1打でグリーンを狙うことも可能という、真剣なゴルフ勝負……というよりかは、かなりパーティーゲーム感の強いモードだ。
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ということで筆者は1打目からドキドキチケットを使い、ティーショットの飛距離を2倍にした。「それズルじゃない?」という編集者の声が横から聞こえたが気にしない。
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1Wなら541ヤード飛ぶらしい。画面右のマップに出ている黄色の三角がボールを最大まで飛ばしたときの地点なのだが、PAR4のコースでも余裕ではみ出すぐらいに飛ぶ。
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新たに追加されたユーティリティのクラブに切り替えショット。ショットの入力タイミングはちょっと早かった。
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手前を狙ったつもりがピンの奥へ。風に負けないためにトップスピンをかけたのが裏目に出たか。

 ちなみにドキドキチケットは、コースを回っている最中にランダムで獲得可能。ここの引きも戦局を左右する要素というわけだ。基本的に使い切りなので、どのタイミングで使うのかという駆け引きも楽しめる。
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なお、筆者はこのあとミスを連発しパーに。運だけじゃなく、『みんなのGOLF』の実力も求められるモードだと痛感。
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つぎのホールでは“8秒以内に打て!”という、その名の通りの恐ろしい妨害チケットを使われてしまった。初心者にはキツい縛りだが、慣れているプレイヤーならすんなり打てるのだろうか。

 その後も「なんかカップが増えたんですけど!?」とか「このチケット強そうじゃない?」など、わちゃわちゃ言いながら体験会の終了時間まで遊んでいた。運要素があることにより初心者vs経験者でもしっかりと勝負になるし、なにより楽しい。ほどよく運の要素が散らされたバラエティモードは、新規層とベテランをつなぐ架け橋になるのではないだろうか。それこそ親子で遊ぶのも楽しいかもしれない。
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「チケットの効果でピンにべったり寄せました」、「それ強くない? 反則じゃない?」みたいな会話が楽しい。
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ホールアウトしたときには、キャラクターごとに演出が用意されているのもにぎやかで楽しい。
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時間的に4ホールしか回れなかったが、筆者のような初心者でもバーディをふたつ取れたので大満足。

 前半はひとりで黙々とプレイし、後半は編集者とバラエティモードで対戦。ひとまず初心者としてこの2時間プレイしたのだが、個人的には「もっとやらせてくれ!」と言いたくなるぐらいには楽しかった。劇的にテンションが上がるような感じではなく、ただただじんわりと“楽しい”が続くような感覚がおもしろく、2時間ではとても足りない。ぜひとも家でじっくりとやりたいゲームだ。

 冒頭にも書いたように、『みんなのGOLF WORLD』は初心者でも十分すぎるぐらいに楽しめる。それこそ“気になってはいるが、手を出してこなかった”ようなユーザーが参入するにはぴったりのタイトルになっているだろう。そんな本作は、2025年9月4日(Steam版は9月5日)に発売が予定されている。今後もいろいろな情報が展開されるとのことなので、続報にも大いに期待したい。
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