2025年2月15日、浜松町にて開催された東京ゲームダンジョン7。その中に、ひと際イラストが好みだったので試遊したタイトルがある。

未解決事件を巡る、近未来が舞台のデスゲーム×サスペンスサウンドノベル
ざっくり先に結論を書いてしまうと「絵もよかったしUIも超よかった。早く製品版やりたい」である。この後に続く文章はこの結論にいたるまでの道程としてお読みいただきたい。
まず、本作はテキストアドベンチャーだ。小説を読み進めていくように物語が進んでいく、アクション要素が(基本的には)少ないジャンルのゲームとなっている。

出てくるキャラクターの顔がよすぎる。

出てくるキャラクターの顔がよすぎる(二度目)。
物語はとある未解決事件、閉鎖されたゴーストタウン――“旧帝都 クロガネジマ”で起きた猟奇連続殺人に端を発する。事件の発生から5年後である2041年、両親を失った木咲琴葉が探偵事務所を訪れ、探偵である高良真哉へと「両親を殺した犯人を見つけてほしい」と依頼をする。
……というところで試遊版は終了となった。あれ?

試遊版ラストシーン一歩手前ぐらいのところ。この“お願い”を伝えるまでが試遊範囲だった。
そう、今回の試遊版ではまったく猟奇殺人事件自体は出てこない。物語としては、猟奇殺人事件に関わった人物の証言→依頼までなので、プロローグもプロローグの時点で終了となっていた。
ただ、それでもこの作品が「すげー気になる!」と思ってしまったのは、ひとえに絵の強さとUIの丁寧さ、そしてワクワクする設定がこの体験版の随所に散りばめられていたからである。

左が探偵である高良真哉。右が依頼人、木咲琴葉。出てくるキャラクターの顔がよすぎる(三度目)。


キャラクターの能力値(照明の照り返しで少々見づらいが)。見せかたがスタイリッシュ。

こういう資料とかもあった。“設定”が三度の飯より好きなのでこういうのがたまらん。
この試遊版、キモとなるのは探偵事務所に入ってからの“部屋を物色するパート”だった。探偵がコーヒーを淹れるために席を外しているあいだ、プレイヤーは琴葉を操作して部屋を存分に調べることができたのである。
それがもう楽しくて楽しくて。

この部屋を好きに探索していい。まずはどこから調べようか。

探索時は気になるところをクリックして、なにをするかのアクションを選択して……という感じ。
探偵がライセンス制で、警察の捜査課よりも上位の権限を持つという設定が明かされたり、「紙タバコ用の灰皿があるなー」と思って調べると“有毒タバコ”用の灰皿だという琴葉の独白が聞けたり。見るだけ、触るだけで未知のものがどんどん出てきておもしろい。2041年にもなると紙タバコって有毒タバコって言われているんだ。というか、まだ嗜好品として存在してるんだ……。

高良がいろいろとすごい経歴持ちであることなどが語られる。探偵のライセンスを取るのは非常に難関なのだとか。

件の有毒タバコ。琴葉の父は吸っていたらしい。
サイドボードの上に置かれていた猫のぬいぐるみを調べると、どうやらレアものらしいことが発覚。さらに机の上に平積みされていた書籍を調べると、“猫がよろこぶ生活の極意”に“猫後翻訳図鑑”などが置かれていた。
このあたりから「高良ってネコ好きなんだな」と、なんとなく人格がわかるのもおもしろい。まあでもわかる。ネコはかわいい。

このねこちゃん、レアらしい。かわいい。


にしてもすごい本である。猫語翻訳図鑑、気になる。
この画面では基本的にマウスのクリックだけで進んでいくのだが、かなり“探索している感”の強い手触りだったのも好みだった。最初は選べない選択肢も、別の行動をしたり、違うものを調べたりすることで選択肢が解放されていくのも“キャラクターの思考が進んでいく”感じがしておもしろい。


名刺を見ただけだとちょっと思い出せない。そうすると“Idea”が進行度50%の状態でロックされてしまう。


というわけで、別の選択肢を選び自分の端末を確認。すると知り合いの刑事と関係があることがわかる。


するとIdeaのロックが解除。高良が「警察経由の仕事しか受けていないのでは?」という発想へ行き着いた。
手触りもいい感じで、かつ絵に力があり、UIもわかりやすい。物語としてはまだまだ序章なのでシナリオについてあまり深く言及はできないが、文章自体も続きが気になるような、引き込まれるものであったことは間違いない。
しかもなによりおもしろそうなのが、このゲームは別に“ミステリーじゃない”というところである。

作者である四宮のん氏が、ご自身のブースで配布しているパンフレットによると、本作は“ゴーストタウン×デスゲーム×サスペンス”。証拠を集めて推理を行うミステリーではなく、推理の道筋はつねに惑い続ける――とのことだ。
未解決事件に関わる11名、その全員を巡る人間ドラマを見ていく……という感覚に近いのだろうか。正直触った感じはめちゃくちゃにミステリーアドベンチャーゲームという感じだったので、このゲームがどういう結末を迎えるのかは非常に気になるところではある。

会場で配られていたパンフレットにも使われていたこのイラスト。いま見てみると不穏な文字しかない。
パンフレットではかなり物騒な……というか、闇しか感じない文言が連なっているが、製品版で琴葉がどういう行動を起こすのか、いまから楽しみでならない。
そんな気になるところだらけの『泥舟と罪人』。Steamで配信予定ではあるものの、ストアページはまだ存在していないため、続報が気になる方は、ぜひとも四宮のん氏のX(旧Twitter)をチェックしてみてほしい。