自分の好きなコンテンツがほかのコンテンツとコラボする。それをきっかけに新しいコンテンツに出会ったり、新たな推しができたりするのは現代では珍しくない。そんなコラボをもう15年以上も行い、いまなお人気を誇るのが、ブシロードが展開するトレーディングカードゲーム『ヴァイスシュヴァルツ』だ。 2008年の発売以来、実に150を超えるゲームやアニメなどさまざまなタイトルがコラボし、カードゲームになってきた。そして今年1月『ヴァイスシュヴァルツ』にあるタイトルが久々に帰ってきた。それは『アズールレーン』。2022年以来、約2年ぶりとなる再コラボだ。

コンテンツ間のコラボが当たり前となった時代において、さまざまなコンテンツとのコラボを続ける『ヴァイスシュヴァルツ』。コラボ先のコンテンツを大切にしているユーザーにたくさんの楽しさや満足感を提供しているからこそいまもその人気が続いているはず。本稿では、『ヴァイスシュヴァルツ』のディレクターにお話をうかがい、ブースターパック アズールレーン Vol.2を通じて『アズールレーン』をどのように『ヴァイスシュヴァルツ』で表現したのかを聞いた。
※この記事は『ヴァイスシュヴァルツ』の提供でお送りします。『アズールレーン』が再び『ヴァイスシュヴァルツ』に登場。双方のファンを満足させるために意識したことは?
――『アズールレーン』に限ったことではないと思いますが、商品を作るときにいちばんに考えていることは何でしょうか。
開発D
その作品のもっとも盛り上がるところ……いわばエモいシーンを見てもらいたい、という気持ちがいちばんにありますね。『ヴァイスシュヴァルツ』の対戦はお互いの有利不利が入れ替わるシーソーゲームになり、デッキから引いたりアクションでめくれたりと、デッキに入れたほとんどのカードが何かしらのかたちで勝負に影響します。「入れたけど使わなかった」というカードはほとんどないんですね。
――インタビューに先がけて1ゲーム、対戦形式でティーチングをしていただきましたが、デッキを全部引き切るような対戦の中で攻守が頻繁に入れ替わり、逆転要素もたくさんあって、ルールはシンプルなんですがいろいろな駆け引きがあるんだろうなと感じました。カウンティングの要素があったりするのもおもしろいなと。

開発D
そうなんですよ。デッキに入れたカードは全部使うと言っても過言ではないのが『ヴァイスシュヴァルツ』なので、デッキに投入するカードは全部主役、見えるだけでもいいな、エモいなと思ってもらえるように気を配ってディレクションしています。
――描き起こしのカードなどは、まさにそうですよね。キャラクターの魅力が伝わるデザインになっていると感じます。
開発D
この描き起こしカードも、2年前の最初の『アズールレーン』のブースターパックが出たときにはなかった施策なんです。なので今回、新たに楽しんでもらえる要素になったんじゃないかなと。
画面の中ではなく、カードは手に取って眺められるものなので、描き起こしカードはもちろんですが、それ以外のカードでも好きなキャラクターを存分に愛でてもらえればなと思います。

――今回、ブースターパックに収録されるキャラクターの基準はどのようなものなのですか。
開発D
それについては、新規キャラクターとVol.1にも登場したキャラクターをバランスよく収録するように配分しました。また『ヴァイスシュヴァルツ』には前列と後列という概念があるので、そこを改めて意識しましたね。たとえば空母は後列で活躍できる性能にしたり、といった具合です。
Vol.1でも『アズールレーン』らしさは追求していたので、今回は『ヴァイスシュヴァルツ』で『アズールレーン』を再現するなら、といった方向に注力したイメージですね。
――それはカードリストを見ていて思いました。この《航空母艦 エンタープライズ》はユニオンが所属する“青”のカードなのですが、カードテキストでは“黄(主にロイヤルのカードが属する)”も参照しているんですよね。この辺りはエンタープライズのキャラクター性を表しているのかなと。

――また、姉妹艦である千歳と千代田に相互強化でシナジーがあったり、キャラクターの個性をカードゲームに落とし込んでいるなというのは強く感じます。『アズールレーン』のファンの方が見たら「ああ、これはそういうことね」とニヤリとできるカードも多そうです。




ブースターパック“アズールレーンVol.2”のお気に入りを聞く
――今回のブースターパックでとくに気に入っているイラストやカードなどはありますか。
開発D
今回のブースターパックで言うと《超巡洋艦 エーギル》ですね。ノーマル版のカードはカッコいい系なのですが、パラレルは書き初めに挑戦している日常のシーンになっていて、そのギャップがいいなと。


――パラレル版のイラストはかなり攻めてますね、すごいアングル。『ヴァイスシュヴァルツ』って6歳からプレイできるゲームと聞いていましたが……(笑)。「筆……どうやって握るの?」というセリフも意味深です。

開発D
描き起こしカードはアートからセリフに至るまで、すべて担当しているので、その情熱を感じてもらえたらうれしいですね。
あとは《戦艦 ニュージャージー》がお気に入りですね。今回パラレルのイラストではいろいろな衣装が登場しますが、やはり水着は王道のよさがあるなと。


――わかります。ニュージャージーというとバニーガールのスタイルに代表されるように、体の後ろ側と言いますか……よく強調されている部分があると思うんですが、今回は正面からのイラストになっているんですよね。これもこれでニュージャージーの魅力がすごくよく出ているなと思います。

ゲーム版のニュージャージー。
――こうやって遊園地のプールで遊んだあとにメモリーズ(『アズールレーン』のキャラクターの魅力をより深く味わえる動画コンテンツのこと)の観覧車デートっぽいシチュエーションにつながると考えると、もう最高ですね。

開発D
そ、そこまで考えているのかな……いずれにせよ、そうやってユーザーさんがいろいろと解釈してくれるのは作り手にとって冥利に尽きますね。
原作再現とバランス、ゲームを作るうえでの苦労は?
――カードアートや能力のデザインなど、作っている側も『アズールレーン』が好きで、キャラクターの魅力をさらに掘り下げられるように考えていることが伝わってきます。そんななかで、逆に苦労することなどはあるのでしょうか。
開発D
それはやっぱりボリュームの限界ですね。今回Vol.2の制作にあたって、可能ならばVol.1に出たキャラクターは全員再出演させて、そのうえで新規のキャラクターを出せるのがある意味で理想だと思います。ですが、ブースターパックひとつあたりのカードの種類数には当然限界があります。なので、取捨選択を行なわなければなりません。
また、これは主にカード能力のデザインについてですが、先ほど『ヴァイスシュヴァルツ』には前列・後列の概念があるとお話ししました。実際に1ゲームやってみても感じたかもしれませんが、やっぱり前列のキャラクターが先陣を切って戦うこともあって、どうしてもそちらが注目されがちなんですよね。
――空母のキャラクターは立ち位置的に後列に配置するようなデザインになるけれど、そうすると目立たせてあげにくい、といったジレンマがあるわけですね。
開発D
そういう原作再現的な要素と『ヴァイスシュヴァルツ』のゲームデザインとのバランスにはつねに向き合っていて、ベストなバランスを模索するようにしています。たとえば先ほども話題に出たユニコーンは、Vol.1ではレベル0で能力は強いものの単純なパワーは低い、後列向けのキャラクターになっていたんですね。それがVol.2ではゲームを決める強さを持つ前列向けの強力なキャラクターになっています。

――「ユニコーンを前線で活躍させてあげたい!」というユーザーさんの気持ちに応えるように、キャラクターの性能を一新させたんですね。
開発D
なので、Vol.1で登場していたキャラクターが、今回どういったデザインになっているかも注目してもらえればなと。あと、もちろんVol.1とVol.2は混ぜて遊べるので、残念ながらVol.2には収録されなかったキャラクターもVol.1にいればきちんとデッキに入れて遊べます。自分の好きなキャラクターがVol.2にいなくてもVol.1の方もチェックしてみてください。
――さきほどプレイしてみて『ヴァイスシュヴァルツ』は、自分のデッキのやりたいことをどんどんやっていくゲームという印象を受けました。そうなると、たとえばインプラカブルのような、妨害系の能力を持ったキャラクター(原作の『アズールレーン』においてインプラカブルは敵の回避や速力を減少させる能力を持つ)はどうデザインされるのか気になりました。
開発D
おっしゃる通り『ヴァイスシュヴァルツ』は、相手を妨害して勝つことよりも自分のデッキのやりたいことをやって勝利を目指すゲームです。なので、原作においていわゆるデバフなどを与えるキャラクターがどう落とし込まれているかなどもお楽しみください。
「イラストがいいな」で気軽に始めてよし!それが『ヴァイスシュヴァルツ』の魅力
――では最後に、今回の『アズールレーン』の新ブースターパックから『ヴァイスシュヴァルツ』を始めてみようかなというユーザーさんにメッセージをいただけますか。
開発D
『ヴァイスシュヴァルツ』は、ゲーム自体はすごく取っつきやすく、カードゲーム未経験の人でもすぐにルールがわかるシンプルなつくりになっています。「6分でわかる!ヴァイスシュヴァルツのあそびかた」という動画があるので、それを観ていただくだけですぐに基本的な部分は抑えられると思います。
なので「イラストがいいな」だけで気軽に『ヴァイスシュヴァルツ』を触ってみてもらえればと思います。原作のゲームとはまた違ったかたちで好きな艦隊を組んで、ぜひ楽しんでみてください。
『ヴァイスシュヴァルツ』のプレイヤーに向けては、カードイラストからサインのセリフに至るまで『アズールレーン』のキャラクターの人となりがある程度わかるように作られているものも多いです。なのでイラスト、カード能力、何でもいいので「このキャラクター好きだな」と思ったら、ぜひ『アズールレーン』をプレイしてみてください。そうしたらより一層『ヴァイスシュヴァルツ』で『アズールレーン』デッキを遊ぶのが楽しくなるはずです。
――本日は、ありがとうございました。
筆者の所感ではあるが、今回お話を聞いてみて、『ヴァイスシュヴァルツ』は、さまざまなコンテンツが集う“酒場”のような場所になっている印象を受けた。あるコンテンツを好きな人が『ヴァイスシュヴァルツ』を通じて別のコンテンツを好きになったり、あるいはカードゲームそのものを愛好するようになったり。各コンテンツへの愛情と、誰でも遊べるゲーム性がこの長寿カードゲームの根底を支えているのだろう。
商品情報
『ヴァイスシュヴァルツ』ブースターパック「アズールレーンVol.2」
- 発売日:2025年1月17日(金)
- 内容:カード全311種(ノーマル130種+パラレル181種)
- 販売価格:1パック8枚入り440円[税込]、1ボックス12パック入り5280円[税込]