2周年を記念してLevel Infiniteの『NIKKE』運営プロデューサーであるReed Lu(リード・ルー)氏にインタビューを実施。この2年日本市場を見てきて思うところやグローバルとの市場の違い、3周年やその先に向けて考えていることなどを伺った。
Reed Lu 氏(リード・ルー)
Level Infiniteの『NIKKE』運営プロデューサー。どの国でパブリッシングするか、どのIP(知的財産)とコラボを行うか、ゲーム内イベントの企画、Pick upガチャの確率、新キャラクターの企画など、運営に携わるすべての部分をReed氏が統括している運営チームで行っている。
2周年を迎えて
でも実際は、この2年間で数多くのバージョンアップや新規コンテンツの実装、他IPとのコラボレーションも実施できました。この点を踏まえると、あっという間ではありましたが、非常に濃密で充実した2年間だったと思っています。
――1周年を迎えたころと比較して、感じかたに違いはありますか。
同時に多くのプレイヤーの方に支えられている作品であるということへの責任も感じています。これからも皆さんの要望に目を通し、可能な範囲で応えていきながらもおもしろいコンテンツを提供し続けていきたいと考えています。
――1年目はSHIFT UPさんが開発で、Reedさんが意見を出しながらいっしょに作り上げていく形で運営されていたと思うのですが、運営体制ではこの1年で変化はありますか。
場合によっては意見が食い違うこともありますが、我々もSHIFT UPも最終的な目標は同じで、プレイヤーの皆さんにおもしろいゲームを提供することです。ですので、お互いの意見を尊重しつつも話し合いを続けて、双方が納得する形でプレイヤーの皆さんに自信をもって提供できるよう、切磋琢磨しております。
――2年目の運営ではどんなところを意識しましたか?
いまでも続けてくださっている既存プレイヤーの方々は全体的にコアな方が多いので、飽きない仕組みを考えました。また、さまざまな方法・施策でより多くの方の目に止まるようにして、新規プレイヤーの獲得も目指しました。
――オフラインイベントでは、コスプレイヤーさんを起用したリアル10連ガチャなどもインパクトがありました。
ただ、今後も同様の企画を展開していくのかは検討しております。新規プレイヤー獲得に向けて、皆さんを驚かせるような施策を展開していきたいので、私を含めたチーム一丸となって考えていければと思っています。
――先ほど他IPとのゲーム内コラボの話も出ましたが、こちらもユーザー拡大のために実施しているのでしょうか。
――コラボの選定条件などはありますか。
あとは運営チームや開発チームがコラボレーションにむけてどれだけの労力を割き、どんなコンテンツを生み出せるのか、そういう要素も決め手となっていきます。
日本の市場を見て
当社のデータを見ても、やはりアクティブユーザーの数も売上の割合も日本のプレイヤーがいちばんであることがわかります。キャラクターやコスチュームなど外見的な部分はもちろん、本作の重厚なストーリーも多くの日本人の方に気に入ってもらえているのではないか、と思っています。日本のプレイヤーの皆さんを満足させて、日本市場で生き残ることが、我々の最大の目標といえます。
――日本市場をしっかりと意識して取り組まれていたんですね。それは開発段階から意識されていたのでしょうか?
ただ日本は参考にする点が多く、二次元イラストやアニメといった文化も、日本では生活の一部となっていますよね。ですので、本作のグッズ展開もまずは日本のプレイヤーの好みを分析し、気に入ってもらえるよう展開を進めています。
――グローバルと日本で、運営方針や実際の運営について、意図して差別化しているところもあるのでしょうか。
東京ゲームショウでのプロモーション展開や、ローカライズ時にお願いする声優さん選びも、日本の方のご意見を聞きながら進めています。今後もイベント出展やブランドとのコラボレーションなど、各地域ごとに「これだ!」と思う形でパブリッシングしていければと考えています。
――これまで行ってきた施策の中で手ごたえがあったものはありますか。
ゲーム外であれば2024年は渋谷駅前の秋田犬時報の広告展開を実施したほか、本作の舞台化“NIKKE THE STAGE”や、ファンミーティングも実施できました。このあたりもプレイヤーの皆さんにサプライズという形で展開できたと思っています。
――ゲーム内ですと、ボリューミーでリッチなミニゲームも、プレイヤーの皆さんからの評価が高いと感じています。
たとえば、2024年夏のイベントで実装された『デイヴ・ザ・ダイバー』とのコラボ版ミニゲーム“イージス・ザ・ダイバー”は我々パブリッシングチームが主導となって企画を進めていたので、とくに思い入れも深く、多くのプレイヤーに高い評価とともに楽しんでもらえてよかったと思っています。
――ゲーム内のシステムも少しずつ変化していますが、今後マネタイズに関しての変化などもあるのでしょうか。
――変化する可能性はゼロではないと。
――いろいろとお話しいただきありがとうございます。3周年に向けての展望などをお聞かせください。
『NIKKE』は今後も息の長いタイトルとしてずっと運営していきたいなと思っています。願わくば5年、10年と続けていきたいというのが本心です。日本人の特徴として、好きなゲームの継続率が高い点が挙げられますし、日本市場には運営タイプのゲームで10周年を達成した作品もありますよね。僕らのゲームもそういった長期継続を目指しています。
――市場には新しい競合も数多く登場してくるかと思いますが、どういった点で差別化を図っていきたいと思っていきますか。
――ありがとうございます。最後に本作のプレイヤーや読者の方にメッセージをお願いします。
そして、『NIKKE』はこれから3周年を目指して突き進んでいきます。プレイヤーの皆さんがおもしろいと感じるゲーム内外の新規コンテンツを数多く作っていければと考えています。これからもサプライズ感を提供していきますので、『NIKKE』の応援をよろしくお願いします。