もし、突然頭の上にデカいきのこが生えたら。
しかもそれが、己が歩くたびに成長するとんでもないモノだったら――。
人類は、どうするべきなのだろうか。
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ギャグなんだかシリアスなんだかわからない入りかたをしてしまった。東京ゲームショウ2024(2024年9月26~29日、千葉県・幕張メッセで開催)でそんなゲームに出会ったのだから仕方ない。講談社ブースで試遊できた『きのこめあ』は、不思議な世界観で進んでいくホラーアドベンチャーである。
きのこによる悪夢。ポップな絵柄で展開される、理解不能な世界観に惹き付けられる
突飛な見た目に反してゲーム性はとてもシンプル。主人公ぬんの頭から生えたきのこが歩数とともに巨大化。一定以上の歩数を歩くと死ぬ。以上である。
ちなみに試遊版では最初っからきのこが生えていたため、何で生えているのか、このきのこが何なのかは一切不明。死にかたも重さにやられているのか毒素にやられているのか、はたまた体中を菌に侵されてどうしようもなくなっているのか、そのあたりもまったくわからない。怖すぎる。
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歩くと右下のカウンターが減少。ゼロになればゲームオーバーだ。
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つまりこれは詰みということ。デカすぎる。
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ゲームオーバー画面。手とかめちゃめちゃに生えているけどもマジで何なんだこいつ。
このきのこ、なぜかめちゃめちゃにしゃべる。主人公ぬんとふつうに会話するパートがいくつもある。つまりは意思があり、思考も可能ということだ。ひと昔前に“きのこは言葉を操り会話している”なんて論文が出回っていたが、こいつはその衝撃すらも軽く超えてみせた。
しかもかなり会話内容は友好的。何なんだよ。じゃあデカくならないでくれよ。
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ふつうに話しかけてこないでほしい。怖すぎるから。
トンチキな世界はまだまだ続く。きのこの成長をリセットし、歩数カウンターを初期段階に戻す方法があるのだが、それは何と裁断機により頭のきのこをカットするというとんでもねえ荒療治である。でもすぐに生えてくるので問題はないらしい。……本当にそうか? そのせいでまた歩くだけで死の危険に晒されるんですけど?
というか、少なくとも直前まで会話していた知的生命体(らしきもの)を切り落とすのもどうかしている。何なんだよこのゲーム。
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野生の裁断機という語句の時点で何かがおかしい。
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きのこは切断すると「ヌエエエェェェェエエエンヌ」みたいな、なんとも言えない叫び声を上げる。こっちの良心を揺らがせるんじゃないよ。
道中には敵が湧くこともあり、敵に触れるときのこが成長。残り歩数を一気に持っていかれてしまう。敵はこちらが動かない限りは止まったままという、いわゆる『不思議のダンジョン』っぽい挙動になっているため、歩数制限をしっかりと考えつつ進められる。そう、ゲーム性はちゃんとしているんです。外面がヤバいだけで。
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この青いのが敵。近づくと自爆して胞子のようなものを撒き散らす。勘弁してくれ。
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自爆の仕方も怖すぎる。
ふしぎなゲーム性を助けているのがグラフィックだ。奇抜ながらもどこかメルヘンチックで、ポップな色使いがすてきだ。あと、主人公もそうだが全体的に登場するキャラクターがかわいい。試遊を続けていると、頭上のきのこすらもちょっとかわいく見えてくる。だからといってデカくはならないでほしいけども。
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意味深なセリフ。奥の城も気になるところ。
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ホテルマタンゴの従業員さん。かわいい!
試遊版なので、探索できる要素は全体的にかなりあっさりだった。とはいえ意味深なことを言う博士だとか、きのこに寄生されてまったく動けなくなっている主人公以外の存在だとか、世界観的に気になるパーツが各所に散らばっていた。正式版ではどのように展開されていくのかがじつに気になるところではある。
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ホテルマタンゴの部屋では白いきのこに寄生された人が寝ていた。これが主人公の末路なのだろうか。
物語が進むと、このホテルがある“シティ”の様子も変化していくのだとか。うまいこときのこを除去できたり、共生の道を歩んだりするのだろうか。投げっぱなしっぽく見せながらも謎の散らしかたが絶妙なので、どうにも気になってしまう。
ビジュアルのインパクトに吸い寄せられ、思わず試遊してしまったのが運のツキ。世界観やゲーム性も含め、たいへん気になるゲームがまたひとつ増えてしまった。
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ホテルに生えたきのこがめちゃめちゃデカくなったりしたり……?
まだストアページは開設されていないものの、将来的にはSteamにより販売予定なのだそう。それまでは作者であるさじやま氏(mt.saji氏)のX(旧Twitter)アカウントをフォローしておくとよいだろう。
ああ、何だか頭の上がかゆくなってきた気がする。気晴らしに散歩にでも行こうか。