SNKのオールスターたちが集結
『ザ・キング・オブ・ファイターズ'94』(以下、『KOF'94』)は、SNKから発売された格闘アクションゲーム。格闘ゲームにおいて作品をクロスオーバーさせるアイデアをいち早く採用し、ブームを巻き起こすきっかけを作ったのが本作だ。もちろん現在も続く人気シリーズになっており、ナンバリングタイトルは15作品にも及んでいる。
格闘ゲームが1対1で戦うのが当たり前だと思っていた時代に、突如として登場したチームバトルという形式は非常に魅力的かつ革命的だった。後の格闘ゲーム界に多大な影響を与えたのは間違いないだろう。
そう言えば最近、俳優の生瀬勝久さんが『餓狼伝説』シリーズの初期作で声を当てていたことをテレビ番組で発言して話題になっていたが、本作に登場するジョー・ヒガシのボイスも生瀬さんが担当していたようだ。
ゲームの舞台は1994年。世界中の格闘家たちのもとへ、格闘大会“KING OF FIGHTERS”の招待状が届いた。差出人は“R”。特別ルールとして3人1組のチーム対戦形式で執り行うことが記されていた。あらゆる疑惑が渦巻いてはいたが、名のある格闘家たちは続々とチームを結成。歴史的な闘いへと身を投じていくことになる……というのが本作の物語。
当然ながらいちばん目を引いたのは、各国のチームの面々になるだろう。初代『KOF'94』に登場したのはイタリア、中国、日本、アメリカ、韓国、ブラジル、イギリス、メキシコの8チームなのだが、そのほとんどがSNKの歴代ゲームのキャラクターだったために大きな話題を呼んだ。
格闘ゲーム好きならこれだけでも燃えるが、『サイコソルジャー』や『怒』といった格闘ゲーム以外のSNKタイトルからもキャラクターが参戦していて、さながらSNKオールスターといった様相。新キャラクターで構成された日本チームの草薙京なんかも非常にカッコよく、人気が高かったんじゃないかな。筆者はキム・カッファンの乱舞技“鳳凰脚”が好きだったので韓国チームをよく使っていたような気がする。
チームバトルゆえに少なくとも3人は使いこなさなければならないが、どうしても得手不得手はできてしまう。そのため、苦手なキャラで何とかダメージを多く与えてから得意なキャラで勝ち抜くというような戦術を考える必要もあり、各々がいろいろな作戦を使っていたのもおもしろかった。
以降も数年おきに新作を発表しており、最新作は2022年2月17日発売の『THE KING OF FIGHTERS XV』(ザ・キング・オブ・ファイターズ15)となっている。『KOF'94』が懐かしいと思ったゲームファンはぜひとも最新作にも触れてほしいところだ。
シリーズ作品は家庭用ゲーム機各種にも移植されているうえ、2024年夏からはプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S向けに『アケアカ2NEOGEO』が始動するとのこと。まだ詳細は告知されていないようだが、『KOF』シリーズの移植も大いに期待されるので発表を待っていよう。