多彩なシステムを搭載した、新たなマナの物語
同じ任天堂のスーパーファミコンで発売された『2』と『3』はナンバリングタイトルでしたが、はじめてプレイステーション向けとして発売された本作は外伝的なタイトルとして登場しました。
とくに何もないワールドマップに“アーティファクト”というオブジェクトを配置して世界を構築していく“ランドメイクシステム”は新鮮でした。アーティファクトを置いた場所によってショップの品揃えやダンジョンのモンスターの強さが異なるため、自由度が高かったです。
また、自由度が高いのはシナリオ部分も同様。本作はフリーシナリオが採用されているため、どのシナリオをプレイするかはプレイヤーの自由でした。シナリオをクリアーすることで新しいシナリオがオープンしたりアーティファクトを入手したりすることができるため、どんどん世界が広がっていくワクワク感がありました。
登場するキャラクターも“サボテンくん”をはじめ、多種多様な種族が登場して賑やかでしたね。
“宝石泥棒編”は、宝石を核として生きる“珠魅”と呼ばれる種族の秘密を描いたもので、宝石泥棒サンドラと“珠魅”である瑠璃や真珠姫がメインのストーリーになります。人が人を思いやるというのはどういうことなのか教えてくれる内容でした。
“エスカデ編”はマチルダ、アーウィン、エスカデ、ダナエという4人の幼なじみの物語が展開。アーウィンが力を奪ったことで急激に老婆へと変わってしまったマチルダを中心に話が進行していきます。エスカデ編という名前のシナリオですが、選択によっては、そのエスカデが……。衝撃のストーリーでしたね。
“ドラゴンキラー編”は奈落に落ちた主人公が三匹の竜に魔力を奪われたドラグーンのラルクに頼まれて竜倒しをおこなうというストーリー。しかし、そのなかで主人公は美しきドラグーンのシエラに出会い、竜を倒すことの真実の意味を知ることになります。ほかのふたつに比べると展開が早いのが特徴ですね。
また、育成要素も豊富で、自宅となる“マイホーム”ではペットを飼うペット牧場や果実を収穫する果樹園などが搭載されていました。こちらはポケットステーションと連動したものもあり、やり込みがいがありましたね。
楽曲を手掛けたのは、下村陽子氏。『ホームタウンドミナ』や『滅びし煌めきの都市』などは、いまでも非常に高い人気を誇ります。
今年(2024年)8月29日には、シリーズの完全最新作となる『聖剣伝説 VISIONS of MANA』が、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、PC(Windows、Steam)発売予定(Steam版は2024年8月30日配信予定)。マナの樹を目指す新たな冒険を楽しみに待ちましょう!